【感想・ネタバレ】御手洗潔のメロディのレビュー

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Posted by ブクログ 2021年01月05日

最後の短編は事件物では無いのだけれどエモーショナルな作品としてとても良かった。
「異邦の騎士」への御手洗視点からの追憶(直接の語りは別人を通してではあるが)。

ただレオナがいまだに御手洗と石岡への、男同士の絆に激しい嫉妬を抱えてるのは食傷。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年08月27日

島田壮司やっぱり面白いぃ~!!!
和製ホームズ&ワトソンだったら御手洗と石岡が一番好きかも。
しかしSIVAD SELIMの石岡さんはちょっとウザいわね(苦笑)。
どれもとんでもない繋がり方する事件だった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年03月12日

今回の短篇集はミステリを期待して読むとかなり拍子抜けする内容だとは思うのでその辺で評価はわかれると思う。
ただ、御手洗と石岡のコンビが好きだって人には楽しめる要素が多いかと。

『IgE』は御手洗・石岡が活躍する王道ミステリ。
『SIVAD SELIM』も二人が出ますがミステリではない。色んな事であ...続きを読むたふたする石岡くんがかわいかったり、痴話喧嘩したりとその辺が見どころ…かも…。
『ボストン幽霊絵画事件』は御手洗がアメリカの大学に通ってた頃のミステリ。
『さらば遠い輝き』はハインリッヒとレオナが出てきて、御手洗について話したりする内容。
これは、『異邦の騎士』のとあるシーンで御手洗が石岡くんに対してどう思ってたかということがわかるので、やはりこのコンビが好きな人にはおすすめ。

これを読んだあとまた異邦の騎士が読みたくなる。

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Posted by ブクログ 2014年12月09日

『IgE』破壊される便器、失踪する美人、傷つけられた木が導く殺人の予兆。駆けずり回って疲労を見せる探偵と、独り現場を任された友人の心労。
『SIVADSELIM』御手洗の音楽的能力と、暖かい友情の話。友人の言いがかり心理はあまりに利己的盲目的で寄り添えなかったが、読後感は悪くない。直接内容に関わらな...続きを読むいが他作品の事件に言及する描写もあるため、龍臥亭事件を先に読んでおきたかった。
『ボストン幽霊絵画事件』異国で学生時代を送る若き日の探偵。白昼の看板狙撃、死体のない殺人、動く死者による壁画。いたずらまがいな細事から殺人事件を掘り起こす推理と行動力は健在。動機に人情的な要素は少なく、欲求のまま活動しているかのような活発さに若さを感じる。この短編集では一番シリーズらしさのある作品。
『さらば遠い輝き』ドイツ人ライター視点から語られる、レオナとの邂逅。日本を離れて脳科学研究に勤しむ探偵の近況と、友人への想いの丈を垣間見れる貴重な話。なんの事件も謎解きも起きないけど、個人的にはレオナの心理展開に寄り添えなくて物語の真意を計りかねる。探偵の内面に改革を与えた友人への嫉妬?友人への愛情についてかなぁ?探偵の人間性に暖かみを感じることはもちろん、人間愛の性超越性を主張されたのか、もっとシンプルに愛情の本質を定義せしめるものだったのかと勘繰り煮え切らない。
なんにせよ、御手洗さんに救われた石岡くんは御手洗さんの内面革命家だったわけですね。レオナは不憫だけれど、探偵と友人、互いの存在価値を物語る意味では素敵なエピソード。

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Posted by ブクログ 2021年05月24日

収録された全4作品中、純粋にミステリと云える物は「IgE」と「ボストン幽霊絵画事件」の2作で残りの「SIVAD SELIM」と「さらば遠い輝き」は心温まる御手洗サーガのエピソードと云った所か。

「IgE」は実に島田氏らしい作品で御手洗の下に持ち込まれた二つの事件が見事に痴呆症の暴力団会長の殺害計画...続きを読むに結実するといったもの。声楽の先生が好意を持った女生徒の失踪事件と川崎のファミリーレストランで3回も小児用の便器が壊される事件。これにTVで報じられる目黒の公園の木を切り倒そうとする悪戯事件が加わり、いつもどおりどうやって一つの事件に収束していくのだろうと不安になるが、これもまたいつもどおり無事収束する。島田荘司氏の奇抜な発想がこの作品全てに横溢していてページを繰る手を止まらせなかった。125ページ一気読みだった。

それに比べて「ボストン幽霊絵画事件」はタイトルにある幽霊絵画が全128ページ中100ページあたりで出てくるものだからタイトルと内容に違和感がずっとあって内容にのめり込めなかった。また外国を舞台にしたことで島田氏がやたらカタカナ名を使い、しかも通常日本語に訳せる単語までがカタカナときてるものだから外国のミステリ以上にカタカナが多くて読みにくかったのも大きな一因だった。
これは松崎レオナのエピソードを扱った「さらば遠い輝き」でも同じで、島田氏はどうも外国を扱うと必要以上に外国を意識するのか、カタカナ表記が多くなり、物語のスピード感を削ぐ傾向にある。かつての電報がカタカナ表記で読みにくかったことに対し、現在では漢字まじりのひらがなに改善されたことを知らないわけではあるまいに、なぜ島田氏は変な気を回すのだろうか?
またこの作品については最後のオチに冒頭の看板狙撃事件の真相を持ってきたところにも不満がある。この真相は私のみならず、大方のミステリ読者には容易に予想できるものではないだろうか?
これを物語のファイナル・ストライクに持ってくるのは、ちょっと自信過剰すぎないか?

残りの2作品について。「SIVAD SELIM」は読書中、題名の意味が判ってしまったため、導入部の出来事から結末までが一気に解ってしまった。
かといって物語の面白さが損なわれたわけではなく、私の好きな音楽を扱ったストーリーだったのでものすごく面白く読めた。御手洗が彼と友達だというのはあまりにも出来過ぎだなとは思うが、一種の夢物語と考えれば、それもまた一興。作者の夢が詰まった作品だ。
「さらば遠い輝き」は海外、今回はスウェーデンで活躍する御手洗の近況を交えたレオナの一夜の出来事を語ったもの。中で触れられる『異邦の騎士』のエピソードはかつて当作品を読んだ時の熱い思いを思い出させてくれたが、レオナの御手洗への未練を切なく描き、後味はなんともメランコリック。

総じて今回の作品は前半は無類に面白かったものの、後半は特にカタカナ表記の読みにくさが目に付き、ページを繰る手にブレーキがかかったのは事実。
しかし、マイルス・デイヴィスの友達でギターがプロ以上に上手く、かつ世界の脳研究の分野で活躍する御手洗の超人ぶりはちょっと理想を詰め込みすぎの感がする。
御手洗フリークの期待に応えるべく島田氏はちょっと道を踏み外してはいないだろうか。杞憂であればいいのだが。

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