あらすじ
エジプト・ギザの大ピラミッドを原寸大で再現したピラミッドで起こる怪事。冥府の使者アヌビスが5000年の時空を超えて突然甦り、空中30メートルの密室で男が「溺死」を遂げる! アメリカのビッチ・ポイントに出現した現代のピラミッドの謎に挑む名探偵・御手洗潔。壮大なテーマに挑んだ本格ミステリーの大作。
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Posted by ブクログ
ピラミッドの新解釈にまさかの真相。
レオナと御手洗の関係は、すこし不思議。
古代エジプト、タイタニック号それぞれを舞台に語られる悲劇が前半を占め、現代起こる事件への因果を連想させられる構成。現代の事件にいたるまで別世界のお話にかなりのページが割かれるので、3作品分の物語を読んだような充実感。。然るに全体でかなりの長編ですが、遺跡ロマン、華やかな業界、鬱病に謎に冒険にと盛り沢山でどんどん読めちゃいます。
個人的には古代エジプトでの物語が悲しくて、現代までに起こる事件の端々に遺された想いの強さを存在を感じさせるような持ってきかたも楽しめました。
現代において、最後まで事件との特別な関わりを持たなかった指輪の存在も本作に占めるロマンの比重を象徴しているような。
被害者最期の言葉を幻と片付けられたときにはどうしようかと思いましたが、更なるどんでんがえしでそうきたかと。ある意味ほっとしました。笑
理屈とロマンが絶妙に共存したすてきな作品。
Posted by ブクログ
エジプトとタイタニックのサイドストーリーとメインのストーリーが交互に並ぶので少し混乱しそうになった。ミステリとしては他の作品よりも落ちますが御手洗と石岡君がコンビでいるのが良いです(笑)それだけで満足(笑)そして最後に御手洗がとんでもない約束を(笑)
Posted by ブクログ
再読。
前回読んだ時は、紀元前のエジプトの悲恋、いらなくね?と思った。ミクルというのが、ミソだったんだね。やっと気づく。でもー・・・いるか?
ハリウッドにわたったレオナ。アイーダ87という映画を撮っていたが、殺人事件が起こり、中断を余儀なくされる。ので、早期解決を御手洗くんに依頼。御手洗くんたら、飼ってた
Posted by ブクログ
途中までは「あ〜これは壁本だな〜でもこれこそが島田イズム〜好きやわ〜」って思ってたのが、最後10%くらいで覆された。良い意味で。あれほどまでのトリックを捨て駒に使えるの凄いよ…。個人的に翼ある闇に次ぐくらいの衝撃。御手洗のロマンスじみた(?)ものが見られるのも珍しくて良かった。
Posted by ブクログ
重厚長大という四字熟語がぴったりの、まるで辞書のような小説であったが、少しも疲労を感じさせなかった。
リーダビリティに関してはもう云うことはないだろう。冒頭のエピソードから、結局事件には直接関係は無かったのだが、物語に幻想味を持たせるためのファクターとなる古代エジプトの挿話とタイタニックの挿話がそれ自体1つの短編として機能するほどの質を備えている。
よく考えてみたら、なんと贅沢な一冊なんだろう、これは!!
Posted by ブクログ
島田氏、また凄い本を書きよって。
『暗闇坂の人喰いの木』を読んだ時はスケールの大きさにびっくりしたけど、本作品はその比じゃない。
なんせ、古代エジプトの話と、タイタニック沈没の話と、現代の話がない交ぜに構成され、そこにピラミッドの謎が入り込んでくる。
現代に怪物も出てくるし、これ、さすがに収拾つかないのでは…と不安にさせられた。
アメリカのとある島に造られたクフ王のピラミッドをそっくり模した建造物で殺人が起こる。その現代ピラミッドに付属する塔の7階で溺死体が見つかるのだ。そこに『暗闇坂の…』に登場したレオナが絡んできて、レオナが御手洗に解決を依頼して、やっと御手洗登場。
ピラミッドに関する諸説の話は凄く興味深くて、専門書を読んでみたくなった。
『暗闇坂の…』の石岡君のスコットランド旅行記が、本作品ではエジプト旅行記に代わる訳だけど、これまた素晴らしい紀行文で、ギザに行きたくなる。島田氏、異文化に触れた人の感銘を表現するのホント上手い。
古代エジプトのターンも、田舎の娘が都会に出てくる高揚感とか、ギザの美しさとか、景色が目の前に浮かぶような文章で、なかなか読ませてくれた。ここに出てくるピラミッドの原型の様子はおそらく一説に基づく創造なんだろうけど、凄く説得力あった。
結局現代パートとのリンクはほのめかす程度のものだったけど、読み物として面白かった。
現代ピラミッドの下部に海からアクセスする通路や秘密部屋があることを御手洗が暴くあたりから「こんなの分かるか!」って気分にさせられて、現代ピラミッドの仕掛けを御手洗が解く場面では「バカミス!!!」とめちゃ突っ込みを入れた。殺されたはずのリチャードの声が幻?えっ、御手洗そんな非科学的な説明で済ませるの??みたいな。
しかし! そこからの大どんでん返しで本作品は逸品の仲間入りですよ。
まぁこれも突拍子もないし(禁断の双子オチだし)、密室のはめ殺し窓踏み外して脱出って!(褒めてる)とは思ったけど、ピラミッドポンプ説よりずっと現実味があって納得できた。
御手洗の頭の良さも堪能できたし。
レオナの突然の「ホモなの?」発言も良かった(?)。
島田氏の作品はいつも派手だ。
最終的には期待に応えてくれた、満足の一冊だった。
Posted by ブクログ
今回も長いお話だったけれど全く退屈しませんでした。ただ前半の所がもう少し暗闇坂のようにのちのち関連するのかと思ったからそれは残念。最後はお見事
御手洗の愛犬が死んだことがショック…御手洗が欝になるのもわかるよ
Posted by ブクログ
散々指摘されているが、前半のタイタニックパートと過去のエジプトパートがあまりにも長い上に、本編とほぼ接点がないので脱落しかけた。
バカミスじみた大トリックは結局偽装だったものの、塔自体があからさまにこの偽トリックを使ってくれと言わんばかりの構造になっていたことは腑に落ちない。
また、はめ殺し窓を一度外してはめ直したという説明にも疑問。それは果たして”はめ殺し”なのか?(一応ヒントはあったが…)
Posted by ブクログ
この頃の島荘は叙述が過剰気味なのがかったるいですが、謎の創出と演出がに関しては一流ですね、5000年間も謎に包まれたピラミッドの前には密室も天上溺死という異様な状況も霞む。
ピラミッド○○○説は作中でも示されているように無理がありましたが、密室の方にはガス置換で応用可能なんじゃないでしょうかね 先人が誰かやっていそうですが
Posted by ブクログ
面白い、面白いけれど!!!
結局タイタニック号やミクルの話は本筋とは何の関係もない挿話だったんかい!
読んでる途中から薄々気づいてはいたけど、300ページくらいのこれらの挿話が本筋のほんの一雫なんかい!
いや、これこそ御手洗が作中で言っていた、庶民の営みは決して歴史の表舞台には表れない、ということを示しているのか?
もう深く考えるのはやめよう…
御手洗が登場してからのスピード感は本当に楽しかった。鬱病でスタートしたときはどうしたもんかと思ったけど、あの御手洗を動かしたレオナのパワーはすごいと思った。
途中で石岡くんに御手洗はホモなのか、あなたたちはそういう関係なのか、と詰め寄ったときは当て馬感満載で、正直読んでいて楽しかった。
でも最後はやりすぎ感あった…他の人の感想にうっとうしいとあったのも少しはわかる。
だけどレオナのせい、というわけではなく、島田荘司はこういう女性が好きなんだ、という暴露のダメ押しパートみたいな感じだったので、レオナを嫌いになったわけではない。
でも最後に何で御手洗は、レオナに光栄だとか世界中どこでも駆けつけると言ったんだろう。
この一連の事件をなんとか収拾させようと一人で奮闘し、素晴らしい映画を作った彼女へのリスペクトの気持ちからだろうか?
トリックについては、はい…まあなんというか、島田荘司のミステリは、色々自分で凝った舞台をシンプルな方法で全部ぶっ壊すという流れがあるので、驚きはしたものの、感動はないというか…
御手洗というキャラクターが好きじゃないと読んでないかもしれない…
あと、御手洗がレオナに周りがどれだけ振り回されているか自覚しろって言われたときに動揺しているのがよかった。この人、このとき36歳で、レオナは23歳だよ…
Posted by ブクログ
古代エジプトのエピソードが混ざってくるのは「これがどう事件につながるの?」と興味深く読めた。
物理的なトリックや建物の構造が頭でイメージしづらかったり、最後まですっきりしなかった部分はあったけどやっぱり御手洗シリーズは面白い。
Posted by ブクログ
エジプトの話とタイタニックの話がとにかく長い。面白いけど、真相とは別に関係ない。
そしてエジプトの話はすごく救いがない…
ミクル=アイーダ=レオナ×アヌビス=ディッカという構図?を仄めかしたかった?
御手洗が出てきてからは、さっさと物事が進んでスピード解決!ピラミッドを使った壮大なトリック!と表向きに思わせておいて、真相は手動。