【感想・ネタバレ】シチリア・マフィアの世界のレビュー

あらすじ

「シチリア。道化芝居と悲劇が絶え間なく繰り返されるその人間の大スペクタクルをよりよく理解するには、マフィアをわかる必要がある」 シチリアの過酷な風土と圧政とが育んだマフィア。大土地所有制の下で、18世紀に台頭した農村ブルジョワ層は、暴力と脅迫でイタリア近・現代政治をも支配した。謎の組織の誕生と発展の歴史を辿る。(講談社学術文庫)

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Posted by ブクログ

シチリア島におけるマフィアの誕生と発展の歴史を、当時のイタリア国内の政治状況やシチリア独立運動、ファシズム政権といった観点から詳細に描かれた一冊。

シチリアのマフィアは第二次世界大戦後に市民の経済活動が打撃を受け、市民生活が困窮する中でその影響力を強めていったという背景がある。
選挙工作や政治家との癒着も日常的であり、マフィアによる政治家の暗殺事件や、キリスト教民主党における政治腐敗は目に余る。
ゴッドファーザーのように車の中のターゲットを機関銃で蜂の巣にしたり、車ごと爆発させたりといった殺害方法が多いらしい。

マフィアの内部構造や活動、南北格差、国民性による市民から見たマフィア像といったテーマはあまり扱われておらず、政治・歴史といった学術的な側面が強い一冊となっている。

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2025年11月07日

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