あらすじ
馬の脚が切断されるという残忍な事件が続発。元ジョッキイの調査員シッド・ハレーは、飼い馬を傷つけられた白血病の少女に反人さがしを依頼される。やがて容疑者として浮かんだのは、ジョッキイ時代の好敵手で、今では国民的タレントとなった親友エリスだった。シッドはやむなく彼を告発するが、逆にエリスを擁護するマスコミから執拗な攻撃を受けて……。
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Posted by ブクログ
競馬シリーズ34作目。
シッド。
この競馬シリーズで三度同じ主人公に会うとは思っていなかった。
エリスはシッドの騎手時代の好敵手であり、
現在は、影の中をひっそりとしのび歩き調査を行っているシッドと違って、
テレビ番組の司会者として自分の魅力をふりまいていた。
シッドは白血病の女の子のポニーの足を切り落とした犯人捜しを依頼され、
同様の事件を調べていくうちにエリスを逮捕するに至る。
だが、人気者を陥れたと競馬関係者やマスコミから激しく非難される羽目になり、
エリスの父親には命を狙われる…。
相変わらず、義手であることに容赦のない暴力をふるわれる描写があり、
ひりひりする。
エリスがシッドを殺すのをやめた場面がどうも納得がいかない。
シッドの瞳に恐怖が浮かんでいるのを見て満足したと言うことなのか?
逮捕のきっかけとなった情報をもたらした、
不良をきどっている少年はもっとシッドの調査を助けるのかと思っていたのに、
いま一つで残念。
義父とは相変わらずシッドの味方でいてくれる一方、
元妻とはとうとう和解した。
といっても、シッドに恋愛関係の展開はなし。
白血病の少女に心をくだいていたので、
もしかして亡くなってしまうのではと心配していたが、
骨髄移植のドナーが見つかって良かった。
エリスを主人公にしたコマーシャルを世界中の競馬場で撮影したと言う話のところで府中が登場し、
シッドが、ジャパン・カップが開催される場所と説明したのには感動した。
それと、今回の登場人物の中で印象的なかつ重要な役割を果たす織り手の名は、
BBCラジオのチャリティオークションで権利を競り落とした人のものらしい。
競馬シリーズに名を残すなんて、非常にうらやましい。