あらすじ
「効率」「マニュアル」だけでは新しい発想やアイデアは生まれない! 一見「ムダ」に見える行動から発見できること、「効率」だけでは見落としてしまうことを説き、その他大勢とは圧倒的な差をつける知的生産力をアップさせる技術をレクチャー。“ポストイットは「失敗」から生まれた”“「組み合わせ」と「引き算」の発想を活かす”“「サボリ上手」は取捨選択の達人”“ムダから生まれる「ユビキタス文房具」とは?”…など、興味深い解説を読み終えた後、あなたの「ムダ」への認識は大きく変わっているはず。「どんなムダを受け入れるか」というゆとりあるメンタリティーに切り替え、仕事も人生もより楽しく、豊かにしよう!
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Posted by ブクログ
職場で見かけるデキる人たちはこんな技術を持ってるんだろうなと思いました。
ムダを少し残した「最適化」で、学びや気づきや仕事の効率が向上しそうです。
紹介されている技術は、実践しやすいように噛み砕いて語られています。
読みやすくてオススメです。
Posted by ブクログ
『頭がよくなる知的生産の技術』(三木光範、2010年、中経出版)
本書は「価値ある知的生産物を、「ムダ」の中からつくり出す」ための技術を紹介することを目的として書かれています。(ちなみに、価値ある知的生産物とは何か、ということは書かれていません。)その技術を導入することで「頭がよくなる」というわけです。
著者は自らの体験から、「トラブルを即座に回避するためには、最短ルート以外にも、遠回りの別ルートを知っておく必要があ」り、「遠回りをすることで、予想もしていなかった新たな学び・発見がある」といっています。すなわち、日常の体験からは得られないものが非日常の中にある、ということではないでしょうか。これは「セレンディピティ(何かを偶然に発見する能力)」にも通じるところがあります。(本書ではセレンディピティについては書かれていません。)
では、頭をよくするための方法、あるいは価値ある知的生産物をつくるための方法とは一体どのようなものなのでしょうか。たとえば、「最適化」や「知的環境」「生活習慣」などの面から論じています。「知的環境」の章で書かれていることは少し物足りない感がありましたが、最終章の「生活習慣」の章で書かれていることはとても参考になりました。著者は他人の価値観を受けいれ、好奇心を持つことが「人生を豊かにする」といっており、これが知的生産物をつくる上で大切だということがわかりました。
本書は、読みやすい文章とわかりやすい図でかかれているので、時間のあるときにすらすらと読めてしまいます。ぜひ読んでみてください。
(2010年4月1日 大学院生)
Posted by ブクログ
2010年3月19日 初版
表題の「頭がよくなる」というのは少々理解できない感はあるが、内容はよくわかる。乱暴にまとめれば
「効率、効率っていうけど効率よいものばかり残したら新しいものなんて生まれてこないよ」
となる。
生命の進化の流れを見ればそれはあきらかだろう。もしとある状況に最適化した種しか地球上に存在しなければ、環境が変われば生命は絶滅する。
しかし、今の地球は幾度もの気候の変動を乗り越えて、さまざまな種が生存している。それは最適化していない種も豊富に残ってきたが故だろう。
ある時点では無駄な事でも、価値を持つかも知れない、というものの見方は、大きなアイデアを活かす上では非常に重要なこと。
もし、無駄なモノが一切認められなければ、エジソンが電球を発明することは無かっただろうし、アインシュタインはやりたくもない仕事に最適化し、E=mc2という物理学でもっともシンプルで力強い式が発見されることはなかっただろう。
確かwikibana第八回でも同様の話がでていた。
無駄をどのように活かすのか、という視点でさまざまな方法が提案されている。「効率化命」という路線に納得いかない方は一読されてみるのがよいだろう。何か自分なりのやり方が見つかるかも知れない。