【感想・ネタバレ】おどろきの東京縄文人のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

2012年2月、東京都新宿区市ヶ谷加賀町二丁目から人骨が掘り出された。埋まっていた層から明治時代以降のものかな、もっと近年で殺人事件だったら大変だなあ…、ところが調査の結果、なんと縄文時代のものではないか!

都心のど真ん中のこの地域は、江戸時代には武家屋敷が建っていて江戸時代の遺物は多く出てきていた。そして木造の武家屋敷を建てるには地面をあまり深く掘ることがない。そのため人骨がそのまま保存されていたようだ。

出てきたのは10体の人骨。
各専門家チームが調査を行う。
この本では、それぞれの専門家がそれぞれの調査方法を行っていく過程、その専門家たちがなぜその仕事についたのかも書かれていく。
 酸性の土壌では人骨は溶けてしまう。ではなぜ縄文時代の骨が残っていたのか?
 10体の年齢、性別、食べていたものは?
 埋められ方から、当時の生活や、死生観がわかるか?
 人骨のレプリカから、どんな顔立ちだったか復顔してみよう。
 日本の他の土地で掘り出された縄文人との繋がりはあるのか?

9体は縄文後期のものだが、1体だけ縄文中期のものがあった。おそらく遺体を埋めるために穴を掘ったら人骨が出てきたので一緒に埋めたんではないか、と予測する。このときすでに遺体、骨を尊重していたと感じられる。

そして掘り出された東京縄文人のなかでも1体だけ埋葬方法が特別だった。遺体をまっすぐ寝かせたり人骨の周りを他の人骨で囲んだり。そこでこの人骨は特別なリーダーと思われる。
さらにこのリーダー(仮)は、他の縄文人たちとは食べたものが違ったり、千葉縄文人が持っていたイルカの骨の飾りをつけていた。どうやら東京縄文人と千葉縄文人には交流があったのだ。このように、ムラを創っていた縄文人たちは、食べ物や生活が違っても離れたムラと物々交換したり、結婚したりしていたんだろう。


現代の我々の生きている地面の少し下に何千年も前の人々の痕跡がある。当時はどんな土地だったのか、どんな人達が住んでいたのか。
過去を思い、知ろうとして、自分たちがその上で生きて、未来に繋いでいく。考古学、歴史、地質を学ぶというのは未来につなぐということ。

0
2023年09月02日

Posted by ブクログ

「2012年11月、東京都新宿区市谷加賀町2丁目で、大量の縄文人骨が出土しました。東京のどまん中で、びっくり!」

との紹介文。
小中学生向けの本かな、と思います。

マンションを建設するための発掘調査で、10体の東京縄文人の人骨が見つかります。
その中の一人、約5000年前の縄文人を“復顔”するのです。
その人は発掘時の様子から、ムラのリーダーと考えられ、40代の男性で、身長161.2センチと推定。

まず、バラバラの骨のピースをジグソーパズルのように組み合わせ、頭蓋骨を復元します。
その頭蓋骨からレプリカを作り、“復顔アーティスト”なる人が、生きていた頃の顔を作り出すのです。
写真付きでその工程が解説されていますが、本当にワクワクしますね!
まさか縄文人と会えるなんて!

最後のページに、その後の発掘現場の写真が掲載されていますが、普通の住宅街です。
この下に5000年前の人達の暮した痕跡があるかと思うと、何とも不思議な胸の高鳴りを覚えます。


……はみ出しエピソード……
人骨鑑定のプロ・坂上さんという方が登場するのですが、本好きな坂上さんは、この縄文人の人骨に「新宿鮫」とニックネームをつけたそうです(笑)

0
2022年11月13日

Posted by ブクログ

これを読んで考古学とか骨格を研究する人とかに興味を持つ子どもがでてくるんだろうなあ。
そういう職業紹介的要素がたくさん、そういうことを意図した本か。

0
2018年02月24日

Posted by ブクログ

東京都新宿区でマンション建設の工場現場から、大量の人骨が出てきた。事件性の可能性もあり、はじめは警察が来た。しかし、骨は古い。近くで発掘されてもいる江戸時代のものかとも思われたが、調べてみると、それらは縄文時代のものだった!

人骨を調べる、いろいろな専門家達。縄文人が何を食べ、どんな生活をしていたかがわかる。そしてどんな顔だったかも復元してゆく。

太古の歴史ロマンに迫る!

0
2016年02月22日

「ノンフィクション」ランキング