あらすじ
ミステリー作家の石岡は女子大生の里美に誘われて英会話学校に通い始めた。ふたりはそこで知り合った孤独な老人・大田原と親交を深めるが、大田原はイヴの夜の晩餐会を最後に帰らぬ人となった。老人はなぜ、「神を見た!」と叫んだのか。御手洗が見抜いた真相とは? 「龍臥亭事件」の犬坊里美が再登場! 表題作など全3篇。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
御手洗潔シリーズ
『里美上京』
『大根奇聞』
里美の大学の教授・御名木からの依頼。幕末の薩摩藩。飢饉に襲われている薩摩藩にやってきた僧侶と少年を泊めたお婆さんの物語の謎。桜島大根を2人の為に盗み出した彼女。打ち首にされるはずが後の世の文献に登場する。雪の降る中残った跡。
『最後のディナー』
里美に強引に誘われ英会話学校に入学した石岡君。同じようにできの悪い老人・大田原と親しくなる。クリスマスの夜の最後のディナーでの大田原の言葉。神からの啓示とは?彼のアメリカ人の息子の関係。クリスマスの翌日殺害された大田原。
Posted by ブクログ
『里美上京』里美からの好意、常にうしろむきでとぼけたかんじの石岡語が和む。最後の会話の真意が掴めなくて悔しい~
『大根奇聞』里美を介して知り合った大学教授が追いかける謎。酒匂帯刀が幼少期経験した天保の飢饉と薩摩の大根、嘉婆の人情。過去の物語の臨場感、物語性が相変わらず秀逸。
『最後のディナー』
里美に連行され通い始めたNOVAで出会った大田原老人の人となりと死について。異常に英語を苦手とする石岡先生の言動心理がすさまじくて笑える。老人と親しくなる過程の描写がゆったりとして、石岡先生の視線の暖かさが印象的。