あらすじ
〔競馬シリーズ〕ヨーロッパ最高の女性騎手が誘拐され巨額の身代金が要求された。無事救出されたのも束の間、今度はダービー優勝馬の馬主の息子が誘拐された。誘拐対策企業のスタッフであるアンドルーは、同一犯人の存在を感じるが……誘拐対策のプロと冷徹な誘拐犯の頭脳戦を描く力作。
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Posted by ブクログ
競馬シリーズ22作目。
今回は誘拐がテーマ。
作者によると実在するらしい組織、
誘拐を防いだり解決する会社の社員が主人公だ。
合理的であり我慢強く、誘拐に関する知識も深く、
動揺する家族に寄り添うが感情に流されることはない。
そんなアンドルーが、
イタリア、イギリス、アメリカで誘拐を解決するだけでなく、
誘拐の被害者の女流騎手に恋愛感情を抱いていくところがポイントか。
といっても、
助け出された彼女が当然依存してくるのを利用することなく、
経験からくる理性的助言で体と心の健康を回復するのを助けていく。
その知性的で紳士的な態度が素晴らしい。
元空軍特殊部隊員の同僚トニイとともに、
子供の誘拐事件を推理し、調査し、救出した場面も良かった。
愛する者の誘拐という酷い目にあっている家族を何週間もそばで支え、
かつ情報を収集し、犯人や被害者の居場所を特定するという、
かなりプロフェッショナルな主人公に、
舞台も世界をまたにかけ、それぞれの国の警察官も個性的だし、
最後には危険な目にも遭うし、ロマンスもある。
なぜこの作品を映画化しないのか、不思議なくらい。
そう思うのは私だけではなく、
解説ではキャスティングを妄想していた。
やはり、そうしたくなるか。
だが、主人公が「田村正和」なのには異論を唱えたい。