あらすじ
青山・骨董通りの高級輸入家具店オーナー、洲崎圭二郎。表の顔は、店のショールームで顧客相手に北欧モダンのインテリアをスマートに提案する。しかしその裏ビジネスはセレブ所有の絵画、装飾品、秘匿データなどを盗み出したりすり替えたりすること。このショールームには、まっとうな富裕層と裏の依頼客と二種類が訪れるのだ。盗んだ利益の一部はクラウドファンディングを通じて寄付に回すのが洲崎の信条。なぜかゲイの相棒・宇田川漣を伴い、綿密な作戦のもとハイテクを駆使し、血を流さず鮮やかに奪い取る。オフィスに戻ると、洲崎の裏の顔を知らない天然系美人秘書・垣ノ内美桜が迎えてくれる。だがこの美桜、元CAでありながら武術の達人でもあった。サスペンス&コン・ゲームの連作短編集。
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Posted by ブクログ
お得意のクライムミステリーで、「ブレイクスルー・トライアル」とも一部繋がる世界観です。
セキュリティハッキングのような侵入劇から、大掛かりな詐欺まで、様々な犯罪劇が楽しめます。暴力的な要素がほとんどないので、犯罪でありながら嫌悪感はなく、ある種の爽快感すら感じます。
ただ一見鮮やかな一連の犯行には、ややもすると危うい面も見て取れます。少しだけシナリオのツメが甘いかなとも感じられました。
Posted by ブクログ
収入が少ない本業だけれど、副業のおかげでどうにか。
その副業というのは、人に言えないお仕事。
後ろめたさから、副業の稼ぎを寄付していますが
短編で語られている仕事内容というか、相手は
そこまで心痛める相手でもないし、いいのでは?
いや、盗んでいる、という時点で
駄目なのは確かでけどw
連続短編の仕事をこなしていけばいくほど
秘書たる彼女との距離が縮まっています。
そして、何だかうっすらばれているような。
勘違いされている気がしなくもないですが
そちら方面で騙しておくか、そのまま行くか…。
若干気になるところです。
Posted by ブクログ
南青山で高級家具店を経営する男が決して凶悪ではない盗みをスマートに行うという、ライトな作品。
主人公をサポートする脇役陣も、イケメンのゲイ、マリーナの船中で暮らす凄腕ハッカー、芸能界関係者、元CAの秘書と、徹底的に軽薄な組み合わせ。
もしそれを狙ったのならもう少し骨太の内容にしてギャップを演出して欲しかったな。