あらすじ
会社をリストラされ、空手道場を預かることになった藤堂は、お人好しだが空手の腕はなかなかのもの。潰れかけの道場を立て直そうと奮闘するが、ひと癖ある入門希望者たちが次々と難題を持ち込んできて!?
※本書は、二〇〇七年に文春文庫として刊行された『Dojo―道場』を加筆修正の上、改題しました。
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Posted by ブクログ
空手道場を舞台にした連作短編小説。真っ直ぐ過ぎて、融通の効かない藤堂は広告代理店をリストラされ、実戦空手の先輩・神野に潰れかけた空手道場を任される。藤堂は困難にぶつかり、迷いながらも、指導員の健三と富永と共に道場を巡る数々の問題と対峙する。
純粋な格闘小説という訳ではないが、総合格闘技事情と空手道の状況をも反映し、しっかりした人間ドラマに仕立てられている。実戦空手の鬼・神野、真っ直ぐ過ぎて、融通の効かないが、実は空手の実力もある藤堂、血気盛んで、喧嘩っ早い健三、大手電気メーカー人事課長の富永という個性派揃いの登場人物が物語を上手く盛り上げているようだ。
永瀬隼介という作家を知ったのが、『ポリスマン』であり、以来、新刊は読み続けている。この作品は文春文庫から『Dojo 道場』というタイトルで出版され、もちろん既読であるのだが、長らく文庫化されなかった『Dojo 道場2』が近々、文庫化されると聞き、再読してみることにした。