あらすじ
〔競馬シリーズ〕名馬を種付けした子馬に次々と奇形が生まれた! 生産牧場に融資していた商業銀行エカテリン社の青年重役ティムは事態を救おうと死力を尽くすが……何者かの陰謀か? としたら何のために、またどうやって? 名馬の血統に賭ける生産牧場と名門銀行家の苦闘を巧みなストーリイ展開で描く。/掲出の書影は底本のものです
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Posted by ブクログ
競馬シリーズ21作目。
この競馬シリーズ、
氷の海に投げ出されたり、レースで優勝したとたん誘拐されたりと、
劇的な幕開けは数多いが、
今回は銀行の幹部が噴水の池の中で立ち、
水を嫌う白い顔の男たちから逃げるためだよと語るという、
別方向で驚きの幕開けだった。
パーキンソン病の薬を変えたために見た幻覚だったが。
主人公ティムは幹部の部下。
銀行の名と同じ姓で創業者の孫にあたるが、
父母共に浪費家のため金持ちではなく、
父の死後、伯父に言われて銀行に入ったが、
逆になかなか出世できないでいた。
アスコット競馬場で、偶然、馬の治癒師の命を助けたり、
アニメーションへの投資に成功して取締役に出世したり、
種馬を対象にした投資をきっかけに牧場主と知り合ったりと、
治癒師の友人の獣医が殺されたし、幹部の妻に恋をしてはいるが、
今回は危険度が低いなと思っていた矢先、
牧場主の16歳になったばかりの娘が殺された。
ティムと兄妹のような関係になっていたので、衝撃的だった。
全体的には、ティムのサクセスストーリーのようで面白かった。
自分が死ぬ気がしないと言っていた割には、
最後に薬を盛られた馬と厩舎に閉じ込めれて大けがをしてしまったが。
そして、
退職して妻と世界旅行にでかけた幹部が旅先で亡くなってしまった、
というラストも衝撃的だった。