あらすじ
崩壊寸前の欧米型金融システムを横目に、原油高を背景にして年々躍進を続けるイスラム金融。リアルな経済活動に根ざしているがゆえの強みについて、斯界の第一人者が考察する。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
現在最も急速に成長しているといわれている金融分野、イスラム金融。
仕事でそのイスラム金融の影がちらついたので、今更ながら入門。流行遅れで恥ずかしい限り。
著者を個人的に存じ上げているので、始めから本書に対する信用度は高かったのですが、読み終わった今も「入門書」としては最適だと思ってます。
金利を取らずに金融業が成立するってどういうことなのか、市場規模は・・・という基本の金融知識に留まらず、イスラム金融業界における女性の進出具合は?等、面白い知識も多々。読み物としても楽しめる気がします。
実体のある経済活動に寄与するという、金融本来の機能を守る理念。
うーん。イスラム文化の社会の構造を知れば知るほど、興味がわく。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
イスラム金融先進国であるマレーシアのゼティ・アクタル・アジス中央銀行総裁は、2008年2月23日に開催された日経イスラム金融シンポジウムで、20%との成長率に言及した。
同じようにイスラム金融の先進国であるバーレーンで中央銀行が発表している統計の伸び率をみても、イスラム金融の銀行資産は、この10年間で平均34%の伸び率となっている。
仮に20%の成長が今後続けば、5年で現状の2倍を超え、10年で5倍を超える計算となる。
こうした現状をみて、イスラム金融は世界で最も急速に成長している金融分野とも言われる。
日本は世界のこの大波にどうやって乗るべきか。
日本のイスラム金融のパイオニアが考察する。
[ 目次 ]
プロローグ イスラム金融とは何か
第1章 イスラム金融はなぜ伸びる
第2章 イスラム金融の基本を理解する
第3章 イスラム金融取引の現場
第4章 イスラム金融とシャリアの精神
第5章 日本はどう関わるか
エピローグ イスラム金融はなぜ強い
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
イスラム金融系新書3冊目。
これがベストです。
新書という浅くなりがちな新書にして
読者のニーズをしっかり分析(?)し汲み取り
且つ読者の知識度も加味して内容を選ぶという
このマーケットインの視点が素晴らしい筆者で
それだけで満足度は高かったです。
期待を裏切るほど良かったわけではないけれど
イスラム金融入門としては丁度☆
Posted by ブクログ
「イスラム経済=オイルマネー」っていう安易な発想よりも、より重要なファクターとして、ムスリムのイスラム回帰志向やら、安定的人口成長というマーケットとしての好材料に支えられてる点に留意すべき。ざっとそんな本。
まだまだ新規市場であるが故にイスラム金融は「強い」というイメージ。イスラム金融は、金利はタブーやら何やら謎めかしいイメージが先行しがちやけど、シャリーアに基づいた制度設計がうまく機能して、一般的金融制度と似たようなお馴染みの仕組みが出来上がりつつあるようです。
イスラム金融は教義の関係で、実物ありきの発想が重視されている点が非常に興味深い。行きづまりを見せる金融資本主義に何らかのアンサーを提示するやもしれませんな。