【感想・ネタバレ】資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるかのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年05月18日

資本主義は普遍的なものなのか、過渡期的なものなのか?なぜ西洋〜キリスト教の下で発生したのか?国民国家と資本との関係は?

 ローマから始まって、スペイン、オランダ、イギリス、アメリカ、日本、EU…。歴史上、ヘゲモニー国家は生産拡大→金融拡大→バブル→崩壊というサイクルで移行して行きます。その指標とし...続きを読むて水野氏は「利子」に注目します。そもそもキリスト教でもイスラム教でも禁じられていた「利子」を採用する事によって資本主義は生まれたといいます。その利子が10年を超えて2%以下の超低金利が続くと、既存の経済・社会システムが維持できなくなるという仮説なのですが、現在の日本は16世紀のジェノヴァの記録を400年振りに更新してしまいました。続いて米英独なども堰を切ったように2%を切っています。この低金利では、もう投資機会がないという事ですから、本来は成熟した良い世の中を築いたということなのに、欲望にかられて余計な事をして、金融を肥大化させる。バブルを生む…
 今までは、新たなフロンティアを見つけた国が次のヘゲモニー国家となって来ました。新大陸という地理的空間だったり、ITや金融工学という仮想空間だったり…。しかし、今やもうフロンティアは残っていないように思われます。果たして中国は次のヘゲモニー国家になり得るのでしょうか?それは難しいでしょう。なぜなら中国はあくまでも従来の西欧国家や日本、韓国などが歩んできた道を辿っているだけで、決して新たなフロンティアを発見したわけではないからです。このままではもっと速いスピードで我々と同様に、縮小する経済を経験するでしょう。
 さて、そんな中でグローバリズム資本主義と国民国家との関係はどうなっていくのでしょうか?資本主義は、実は現在のように資本が国境を易々と越える状況を想定していないと本書では捉えます。あくまでも国民経済の総体が世界経済だという前提なのです。現実には世界経済が先にあるのだけれど、そのフレームワーク自体を説明する方法が見つかっていない。
 そうして中国、インド、東南アジア、南米、アフリカ…と、まもなくフロンティアを食い尽くした世界経済はゆっくりと、ゼロ成長に向かいます。その時にどうなるのか。日本の場合、仮にゼロ成長自体は耐えられても、その時に問題になるのは莫大な借金です。それを返済する術がない。僅かでも成長しているうちに借金を減らしていかないといけない。それは身を削るようなつらい作業になるでしょう。
 そもそも資本主義は、投資と回収を繰り返して発展していくことを前提に作られたシステムです。しかも古くは家畜や奴隷、石炭、石油、あるいは原子力といった「タダ同然の安価なエネルギー」を得る事で爆発的に発展を遂げ、そのために未来から富を先取りしてきたのです。持続可能なものではなかったことに我々は気づき始めたのでしょう。解答はまだありません。この事実を自覚して、考え続ける責務が我々にはあるのです。

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Posted by ブクログ 2017年09月01日

チャーチル『資本主義は最悪のシステムだが、これ以上のものはない』
限界収益低減の法則、 数を重ねると満足度が下がる。→満足度のシェアをすれば、解決するのでは?パイをどんどん大きくすればよいのでは?

サモア  最後通帳ゲームは3割を切ると拒否されやすい。 利子率革命 ウェストファリア条約 三十年戦争...続きを読むを終結させた世界最初の大規模講和条約
→17世紀のドイツを中心として起こった宗教戦争です。
荒廃するドイツにおいて、争いの渦中にいなかったプロイセンが台頭してきた。
→家康?

1618年から1648年まで、三十年間にわたって繰り広げられたため、こう呼ばれています。
 中世ヨーロッパ 利子悪いのは神の時間に利子をつけるから。高利貸し ウスラ 金利はラテン語で「ウスラ(USURA)」と言う。もともとはあらゆる金利を含む概念だったが、中世の教父たちや教会法が「与える以上に受け取ること」と定義したことで、「正当でない」金利という意味を持った

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