あらすじ
津軽の十三歳は悲しい―うつりゆく東北の四季の中に、幼い生の苦しみをみずみずしく刻む名作「木橋」、横浜港での沖仲仕としての日々を回想した「土堤」、および「なぜか、アバシリ」を収録。作家・永山の誕生を告げる第一作品集。
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Posted by ブクログ
かつて4人を殺害した事件の犯人で、死刑に処された筆者の、自伝にも似た作品…なのかな?簡素で素朴な文体が北国の寒々しい雰囲気や、N少年の寂しく孤独な感情を表してるかのようで、読んでいるとこっちまでわびしい気分になってきます。
ただ、厳しい見方をすると、自分が荒んでしまった理由をすべて他人や境遇のせいばかりにしているようにも感じられます。普通だったら同情を禁じ得ないはずの内容なのに、自分可愛さが前面に出過ぎていて、同情どころか自分勝手な人だなぁという印象すら覚えてしまいました。
現実と著作の中身を切り離して読むことが出来れば、違った受け捉え方が出来たと思うのですが… それが出来なかったためか、微妙な読後感が残りました。