あらすじ
菩提心とは、本当の自らを求め、他を愛し、世界の調和に貢献する心――。本書では、その菩提心を、12の側面(「月の心」「火の心」「空の心」「山の心」「稲穂の心」「泉の心」「川の心」「大地の心」「観音の心」「風の心」「海の心」「太陽の心」)から解き明かす。その一つ一つの菩提心を念じ、イメージしてゆくことによって、自由ですがすがしく、エネルギッシュで忍耐強く、慈しみと包容力に満ちた本来の自分を取り戻し、新たな人生への扉が開かれてゆく。【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】
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Posted by ブクログ
よく、これからは心の時代だ、と言われます。
確かに、戦後、日本を始め世界中が物質的な繁栄を追い求めてきて、今ではそれが、先進国のみならず、すべての国々に伝播している様相を呈しています。
反面、物質的繁栄を一度は達成した先進国の中で特に、この「心の時代」が叫ばれる昨今になりました。
いわく、物質的繁栄を追い求めて手に入れたものは生活の豊かさだったかもしれないが、その一方で、失ったものも大きい、という言い方で、その失ったものの代表として、精神的な豊かさ、心の豊かさ、人間性と言ったものが挙げられているわけです。
それでもなお、一度経済的に豊かになった国がそういった傾向があったとしても、まだまだ経済的に貧困層が大部分を占めるような国ではそういった先進国の「繁栄の代償」やら「物質的豊かさへの反省」といったものは、単に「先進国だから」「すでに自分達は経済的な豊かさを手に入れたから」言えることで、だからといって我々開発途上国まで、同じような論理を展開するのは身勝手だ、という意識があるようです。
でも地球温暖化の回避や二酸化炭素排出量の規制など、全地球的な問題として取り組まなければならなくなっている現在、それを先進国の論理として片付けられてしまうことにはあまりにも深刻な問題です。
そしてこれは、先進国 対 開発途上国 という対立軸ではなくとも、日本の中でさえ、富める人と貧しい人の間でも同じような反目があるかもしれません。
仏教でよく説かれる「足るを知る」の心は、そのどちらにも必要なんでしょう。なぜならば、その執着が全ての苦を生み出す、という仏陀の論理は今でも確実に通用するものだからです。
そんな時、ほとんど世間には知られていませんが、行きがかり上、この本を読みました。
正直、あまり期待はしていませんでしたが、読んでみて、なかなか良い本だなあ、という感想です。
著者の高橋佳子氏はある団体を主宰する方ですが、そんな先入観なしに読んでみるほうが良いと思います。そして「菩提心」などという言葉が若干宗教くさくて、かえって一般の人を遠ざけているのではないか、という気にもなります。もっと現代的な言葉で語られれば、同じ内容で、もっともっと若い世代にも読んでもらえる本になるのに、と惜しまれます。
他の方のレビューにも書かれていましたが、この本は「宗教」の本、というより、スピリチュアルに興味を持っている方に読んで欲しい本です。
こんな本がもっともっと読まれると、「心の時代」として、人の心がもっと豊かになってゆくような気がします。