【感想・ネタバレ】東京ロンダリングのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年12月22日

原田ひ香さんの中でかなり好きな小説。
彼女が住むとどんな部屋でもいわくつきではなくなる、という、街にも部屋にも主入れをもたず幽鬼のように生きていく女性(そうなった経緯も理解できるもの)が、少しずつ人間らしさを取り戻していくのが良かった。

最後の「お義父さんからもらったお金、ぱーっと使っちゃいました...続きを読む」の電話の爽やかさったら。おすすめ小説です

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月17日

ロンダリングを通じて、りさ子が他人と向き合い、自分と向き合い成長していく物語。
人間関係、心理描写が丁寧に描かれているなぁと感じた。

真鍋夫人との衝突のシーンでは、気まずい空気感が妙にリアルで、読んでいるこちら側もソワソワ、ハラハラしてしまった。
初めは「何だこの人、、自分的にちょっと苦手かも」と...続きを読む思っていたけど、りさ子が成長するうえで必要な出会いだったんだろうな。

亮がりさ子に言った
「なにかお腹の中で話しているでしょう」「口に出して言えばいいのに。呑みこんでくれる人ですよ」
「僕らは人にいろいろ求めて、期待して、よっかかって、甘えて…なんとか生きてる。」
という言葉は、私自身も考えさせられる言葉だった。

この本を読んでロンダリングという仕事があることを初めて知った。
住処というのは生活する上でとても大切で、環境が変われば生活も変わってくる。それが自分のタイミングではなく、急に変わることもある。
ロンダリングが交感神経と副交感神経に似ているというのは確かに的を射ていると思う。

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Posted by ブクログ 2023年12月17日

ふゆイチ限定カバー版に目を惹かれて手に取り、あらすじを読んでから購入を決意。

ロンダリング、という言葉は初めて聞いたもので、どんな仕事なんだろうか、という気持ちで読み始めたのだけれど、すごい仕事だ…!一見簡単なように見えるけれど、人が死んだところに一定期間住むのってすごく勇気のいることだと思う。主...続きを読む人公はそれを何件も続ける。とても勇気のある人だなと思った。

谷中でのお話が始まり、前のお話と同様さっとロンダリング終了になるのかな?と予想していたけど、谷中の定食屋さんで働くことになり、前のお話ではずっと通っていた古本屋さんに別れを告げないぐらい淡白な人間関係を築いていた主人公が、定食屋で働くことで亮さんや真鍋夫人と徐々に付き合いを深めていく。そして、亮さんにやんわりとプロポーズされる。えー!えー!と驚きながら、先が気になって夢中で読んだ。

〜~レジデンス編では、谷中編の前の、人間関係の希薄な場面が続くのだけれど、それが得意だったはずなのに、だんだんと病んでいく主人公。どうなってしまうの??とハラハラしながらページをめくった。亮さんが現れたところ、主人公が持ち直したところにはほっと息をはいた。

読み終わり、人間関係が希薄だった主人公が谷中で人情味溢れる人たちと出会い、そして谷中で築いた人間関係がこれからも主人公の軸となって続いていくことが感じられ、安心して解説に進んだ。
わたし谷中での人間関係が主人公に大きな影響を与えたと思っていたけど、感想を書きながら相場さんも主人公を心配していたと書いていたから、谷中編だけでなくロンダリングで築いた人間関係すべてが主人公に影響を与えたんだな、と腑に落ちた。感想を書くって、読んでいる時には気づかなかったことに気づけていいね。

〜~レジデンス編に入るぐらいから急展開で先が気になりすぎて一気に駆け抜けた。原田ひ香さんのご本は初めてでしたが、出会えてよかったと感じました。ほかのご本も読みたい!

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Posted by ブクログ 2024年03月10日

マイナーな仕事への興味深さと、りさ子の心の変化への関心でどんどん読み進められる物語。

自分の不義による離婚でロンダリングの仕事に就くことになったりさ子。彼女の空虚な心が、お節介な大家さんや優しい雇い主によって満たされていき、最後は自分の存在意義を見つけられるまでに変化したところに面白さを感じた。

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