あらすじ
尖閣諸島・竹島の領土問題をめぐる中国・韓国との対立、北朝鮮のミサイル発射と核実験などアジアの軍事的緊張は高まるばかりであり、逆に化学兵器使用のシリア・アサド政権への武力行使を断念するなど、アメリカの影響力には翳りが見え始めている。また、スノーデン事件によって熾烈な国際諜報戦が白日の下に曝されるなか、日本ではようやく戦後初めて「国家安全保障戦略」が策定された。国際的にも国内的にも安全保障環境が激変している現状をわかりやすく伝え、日本はどのように対応していくべきなのかを考察した必読書。
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Posted by ブクログ
元空自三佐による、保守の立場からの安全保障学。
この手の本は、どちらかの思想に凝り固まって、読めたものじゃない本も多いなかで、自分の考え方の立ち位置を認識した上で、いろんな有名な本からも情報などを引きながら「私は◯◯だから、こう考える」というふうに、比較的冷静に書かれてるので、考え方が違う人でも「読める」本になっている。前著が「わしズム」とかいう、読んだことないけど怪しげな(たぶん右派の)雑誌の連載をまとめたものだそうで、これもどうかなーとは思ってたけど、確かに保守の論調ではあるけどなかなか勉強になった。タイトルに「日本人が知らない」とか付けちゃうところがちょっと胡散臭いけど。
「高貴な安全保障」というのは自分なりに考えてみたい考え方ではあるなと思った。
安全保障の語源にさかのぼって考えたりっていうのも面白かった。
安全保障について考えるにあたって参考になりそうな著作が多く引かれているので、自分で安全保障について考えてみたいという人にも参考になります。
この著者の所属する岡崎研究所って、自分がよく読んでるネットのニュースサイトにも寄稿してるけど、保守系で、防衛についての民間対話とかもやってるんだな。政府間対話の前段階として結構大きな役割をになってるそうで、特に、海上連絡メカニズムなんかの話にも関わってたというのは興味がある。以前読んだ「日本の空をだれが守るのか」の著者は元空将で、その人も岡崎研究所の研究員だったと思うけど、こっちの方が冷静な書き方で内容的にも勉強になった感じがする。当たり前だけど、階級高い人の書いた本の方が出来が良いということでもないんだな。