あらすじ
亡き夫の父、村正との同居にも慣れてきた桃。学校行事に温泉旅行と騒がしい日々の中で、いつしか桃の心にも変化が……!?
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Posted by ブクログ
やっぱ、忍先生の組むストーリーは読みやすくて惹き込まれるな
コミカルとシリアスのバランスがいい
軽薄過ぎず、鬱屈とし過ぎず、その丁度イイとこを忍先生は他作品の連載で掴み、この『息子の嫁』でしっかり活かしているんだろう
テーマも家族や友情、恋愛、教育とごちゃまぜなのだが、どの回も質が高いので、何でもかんでも手を出しているって感じでは決して、ない
村正父子の謎多き確執が、少しずつ明かされ始めていく中で、桃の心境には変化が生じだし、同時に、縁への想いも色付き始めていく
やや変則的なラブコメが加わる日も近いのだろうか?
また、この(3)の表紙から見て察せる通り、マリとも少しずつだが仲良くなっている。お互い、意地っ張りで、要領よく生きるのが苦手な似た者同士だからか、最初こそ理由なく反発し合っていたが、何故、相手が気に入らないか、を考え直し、真正面からぶつかった事で、雨降って地固まるの理屈で絆が結ばれ出したようだ
しかし、マリが桃と縁を巡る、三角関係のライバルになるか、っつーと微妙。確かに、マリは縁にホの字ではあるが、そのキモチの根幹にあるのは尊敬や感謝だ。ある意味、吉楽のそれに近い。まあ、だからと言って、マリと吉楽がお似合いって訳でもないが
マリが恋の決闘で桃に遠慮する、これまた有り得ない話ではあるが、実際、桃が苦しんでいたら、絶好のチャンスでも彼女は縁の背中を押して、桃との友情を優先するイメージがある
やはり、個人的にお勧めなのは、吉楽のツッパっていて、なおかつ、更生のキッカケになった出来事が語られる過去パートだ。吉楽が何故、こうも縁を慕っているか、そこ自体は明らかになったが、それに合わせて、巽の言動が謎を深めた
この台詞を引用に選んだのは、縁が教師としても、男としても、人間としてもカッコいい事をこれでもか、ってくらい表しているから。こうやって、キツい境遇にいる人間へ「助けたい」って意志を示し、その手を掴み返せ、そして、明るい方向に連れていける男に私もなりたいもんだ