【感想・ネタバレ】デモクラシーの論じ方 ――論争の政治のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

〈2者が討論していくディベート形式〉

多数決で行くべきかどうかを、多数決で決めても良いものかどうか。p10

決め方をどう決めるか。p16

多数派が横暴に振る舞うようになると。19世紀にトクヴィルやJ•S•ミルが憂慮したような「多数者の専制」という事態になりかねない。つまり、ある一団の人々が常に自分たちの意見を押し通し、少数派の権利をないがしろにする状態に。p26

【欠乏と過剰】
僕が危惧しているのは、民意が無視される状態、つまり民意の政治への反映がゼロの状態だ。一方、君が憂慮しているのは、民意が暴走している状態、つまり民意が無限大の状態だからね。p34

デモクラシーというものは、本来、古代ギリシャのポリスのような数万人か、せいぜい数十万人くらいの規模の政治社会を前提にしていたものだ。つまり、全員参加の会合を行えるくらいの単位を前提としていた。人々が集まって、政治的な問題について直接に議論し決定することができるというのがデモクラシーの原型だ。ところが現在国民国家を形成しているとされる国民集団は、数百万人規模なら例外的に小さいほうで、数千万人から億単位の規模だ。こんな規模で、デモクラシーができるのか、というのは当然疑問視とすることができるだろう。p94
→苦肉の策としての代表という制度。民意を本当に代弁できているにか?

民意はもともとあるものではなく、選択肢を示すことによって形成される。二大政党制のような、単純化された選択構造を求めることとも結びつきやすい。PとQのような2つの選択肢しか示さなければ、人々は、自分がPに近いかQに近いかを考え、どちらかにくっつく民意が形成される。p105

誰か天才的な人物の直観が政治についての最終的な真理を発見できるという、エリート主義的な考え方とは異なり、デモクラシーは人々の多様な意見に期待するもの。p190

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2014年04月25日

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