【感想・ネタバレ】緒方貞子 戦争が終わらないこの世界でのレビュー

あらすじ

世界的リーダー、緒方貞子を知るうえで最適の一冊
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のトップを務め、“戦争が生み出した弱者”である難民を救うために、世界を駆け回った緒方貞子。その業績が今も国際社会で評価される、数少ない日本人リーダーの半生を、生い立ちから明らかにして話題を集めた「NHKスペシャル」が待望の出版化。

曽祖父が総理大臣(犬養毅)、祖父は外交官(芳澤謙吉)、父も外交官(中村豊一)という家系に育った生い立ちやアメリカ留学時代など、これまであまり語られなかった若年期もていねいに振り返り、日本人離れした“リーダーとしての魂”が育まれた背景と道程を探っていく。

[目次]
第1章 政治家・外交官の家に生まれて―誕生‐アメリカと中国での生活
第2章 信念の人 父・豊一―日中戦争‐帰国
第3章 少女時代に見た戦争―真珠湾攻撃‐終戦
第4章 リーダーシップの原点―聖心女子大学時代
第5章 戦争への疑問 満州事変研究―アメリカ留学‐論文執筆
第6章 突然の国連デビュー―結婚‐出産‐大学での講義‐国連総会出席
第7章 日本初の女性国連公使―国連日本政府代表部への赴任‐上智大学教授
第8章 紛争と向き合う中で―国連難民高等弁務官時代
第9章 「人間の安全保障」を求めて―二十一世紀JICAでの活躍
エピローグ 日本人へのメッセージ

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

緒方貞子さんの生き方が素晴らしいのはもちろんのこと、聖心女子大学のシスターの言葉、ご家族の支えも、心に染みました。
難民問題をどこか他人事のように考えていましたが、ちゃんと勉強しないとと思いました。

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2024年03月21日

Posted by ブクログ

世界に通用する第一級の国際人である緒方貞子さんが残念なことにお亡くなりになられた報に接し、改めて緒方さんのことを何も知らないことに思い至り、手に取りました。
曾祖父が犬養毅で義理の父が緒方竹虎で、東西冷戦後の混沌とした時代、大量の難民を生み出した多難な十年間を国連難民高等弁務官として、世界中の紛争地帯を飛び回って精力的に問題解決に尽力されたスーパーウーマン、というイメージは持ってはいましたが、その人となりは全く存じ上げず、この本で人物像が多面的に理解できた気がします。
並外れた知識と行動力で胆力もあるスーパー国際人、このような方が我が国の宰相に最も相応しいと思うのは、私だけではないと思います。平成以降の政治家を見渡すと特にそう感じます。本当に惜しい方を亡くしました。

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2019年12月19日

Posted by ブクログ

戦争とともにあった近現代から、「人間の安全保障」を考えられる時代を作っていく、その前線に立った人について。大学時代も大学で教鞭を執っておられた時代のエピソードも耳が痛くなるが、一次史料を大事に、そして勉強しなさいとの教えには勇気づけられる気持ちもあった。読み惜しみをしてはいけません。

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2016年02月25日

Posted by ブクログ

「一体、どうやったら、国の安定と人々の安定の両方を実現させられるのだろうか」(緒方貞子さん、本書より)

戦争は終わらず、憎しみの連鎖は続いている。国家に頼っていれば全てが良くなる時代ではない世界。

一人の日本人女性の姿を通して、「人間の安全保障」という国際連合の概念を人間味にあふれた具体的なイメージとして示し、希望を感じさせてくれる。

リーダーの深い思いやりが少しづつ世界をよくしていく。

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2014年08月09日

Posted by ブクログ

「内向きは無知に繋がる、押し付けに繋がる」日本人は島国だから、より自覚して情報を取るべき。
しっかり勉強して、自分の考えを持つこと、さっぱり生きたいと思った。

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2021年01月20日

Posted by ブクログ

「多様性とどう対応するかーー。やっぱり尊敬しなくてはいけないのでしょうね。(中略)隣の人は自分と同じとは思わないほうがいいですよ。あなたと私は違うのです。違った部分については、より理解しようとするとか、より尊敬するとかしなくてはいけないのではないでしょうか」(14ページ)

「私が決めなくてはならないのです。(中略)そのためにいるのですもの、私。トップというのはそのためにいるのです」(14ページ)

「自分の国の将来にとってプラスがあると考えるのは当然だったと言えるでしょう。けれども、そのプラスというものが、ほかの人びとの非常に甚だしいマイナスにならないようにしなくてはいけない。そのときに、どこまで現地の人たちにマイナスになるものが許されるのか、それは考えなければいけませんよね。」(111ページ)

「内向きはだめですよ。内向きの上に妙な確信を持ってそれを実行しようとすると、押しつけになりますよね。(中略)内向きというのは、かなり無知というものにつながっているのではないでしょうか。」(112ページ)

「女性が子どもを産み、育てることは、キャリアを重ねていく上で、ハンディになることもあります。でも、女性には男性と違うサイクルがあるのです。だから、焦って目標を決めるより、自分のサイクルに合わせてゆっくりと生きながら、長期戦で構えたほうが良いと思うのです」(123ページ)

「UNHCRは、被害者たちが国境を越えたかどうかにかかわりなく、被害者たちのもとに、そして側にいる必要がある」(176ページ)

「リーダーを務めるには、度胸も大事でしたね。あるいは勇気があることも大事でした。(中略)いつまで経っても、ああだこうだと考えていたら、トップが何のために存在しているのか、分かりませんからね」(180ページ)

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2020年05月19日

Posted by ブクログ

リーダーシップに必要なもの。決断力 傾聴力 広い視野 先を読む力 気品。与えられた使命を成し遂げる精神力をもつ日本人。女性だから、女性なのに、そんないい訳をよせつけない。

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2021年08月10日

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