あらすじ
国分寺駅から徒歩数分のところに、まるで人の目から隠れるかのように建つ画廊がある。名画の複製ばかりが飾られている、その小さな画廊には、ある特別な秘密が隠されているらしく――。 高校を中退し、その場しのぎのバイトで食いつなぐ青年、諫早佑真。ある日、この世のものとは思えぬ美しい少女に導かれるように、AOKI画廊へと足を踏み入れる。絵画には興味のない彼だったが、画廊のオーナーから頼まれ、雇われ画廊主を務めることに。しかし、働きはじめた佑真は、すぐあることに気づく。 ――この画廊の絵、生きているんじゃないか……!?
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Posted by ブクログ
表紙の彩りとあらすじに惹かれて購入
絵の中の人物か抜け出してくるのが面白くも不思議な世界観で、文章もきれいで予想以上に楽しめたかな
フェルメールのお話と、祐馬が次々と違う名前で少女を呼ぶシーンが結構好き あそこは思わず笑っちゃった
でも、向日葵の話では二回程背筋がぞっとした
絵から人や物が抜け出したり話しかけてくるだけでなく、人の気持ちにまで大きく影響を及ぼしてしまうのが 突然憎悪をかき立てたり、絵の中の人物に同調してしまったり・・・
捉え方一つ変えれば、話の展開・設定だって一変し得るのがちょっと怖かった
でも、考えてみればこれは当然なのかもしれない それぞれの絵に対して、皆が皆同じ感想・想いを持つわけじゃないから
あと、祐馬の過去はまさか過ぎたけど
でも全体的に重くなりすぎない感じに書かれてて、絵から出てくるもの達も個性的だったし、少しだけの絵画について知れて、画家についても知れるのが面白かったし、次回作が出てくれないかとちょっと期待
絵の面で残念なのが二つ
まず表紙ね
可愛いけど、『絵画の住人』の少女は、話を読んでるともう少し大きいというか年を重ねてると思う
こんな幼いはずはないと思う
あとは、出てくる作品が幾つか各話の最後に載ってるけど、少し位値段高くなってもよかったから、カラーにして欲しかった
モノクロなせいで、大体が黒で潰れてて、『キュクロプス』とか特に酷い
折角載せるなら、わざわざググらなくてもいいように綺麗なものを載せて欲しかったかな