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Posted by ブクログ
人の作品に例えるのはどうかとおもいつつ、読み終わった後で島本理生「リトルバイリトル」を思い出した。ストーリーが似ているのではなく、個人個人で人生をおくる中でいろんなことは起きているのに、ごく身近な周囲以外は「いつもどおり」に過ぎていく。ミニマムな世界の、でも人ひとりにとっては大きな話。誰かが救われたり何かが変わるわけじゃない。ラスト、弟の所在にはぐっと来た。こういうオチを書けるのは才能だと思う。
Posted by ブクログ
*引用*
「でも、ひさびさにあっても、ちゃんと自分から人生をややこしくして面倒なふうに考えてるまどかは、なんか感動的だよ」
「でもあたし、いろいろ考えるの疲れた。あたし、ずるしてもいいから、楽したいよ」
―― 『やさしいため息』 p.126
Posted by ブクログ
友人や親しく言葉を交わす同僚のいない夕飯にはまじりっけなしの素うどんを食べる姉としばらく行方不明だったが突然部屋に転がり込んで姉の観察日記をつけ始めた弟。そして弟の友人で他人と関係しようなどとはまったく望んでいない緑くんの物語。さらっとしつつも癖のある人物が語られているが淡々と判で押したような日常を描いている。だがうっかり引き込まれて一気読みした。ディテールはともかくどこにでも転がっていそうな日常だがそれがいい。
ただ、本筋とは関係ないが学食の素うどんでもほうれん草とかまぼこは入ってたような気がする。寂しい夕飯は心配なほどでそれが気になった。いや、これこそがこの姉の人物像をよく表しているところなのかもしれない。