感情タグBEST3
Posted by ブクログ
宝くじが当たったことを機に、平凡だった家族の暮らしが崩壊していく物語。
「ない」ばかり見て夢に固執すると、必要で「あった」ものまで「なくなって」いくこともあるのねと思ったけど、そんな事は頭でわかってても、なくならないとわからないものって多いよね。
だから「現状に満足できる」って、とてつもなく凄い能力だと思った。
素敵な表現がたくさん詰まってて、原作を読んだら、もっと面白いんだろうな〜。
「言葉は、まるで珍しいものででもあるかのように、自分の中にしまっている」
口数の少ない娘を描写するこの一文は、お気に入りの一つ。
Posted by ブクログ
お金との関係を通じて、幸せとは何か、考えさせてくれる本。
物語冒頭、自分をとりまく人やものに愛情を注ぎ、満足して暮らす主人公の描写は、いきいきしてて、面白くてどんどん読んでしまう。
でもそれは、満ち足りてない自分を満ち足りてると信じることであったのかも。
かといってそれはそれで、悪いわけじゃなく、幸せの一つの形。幸せかどうかは、どの自分を幸せと思おうとするか、にかかってるのかなあ、と思った。
Posted by ブクログ
ちょうど友人と「年末ジャンボ当たったらどうするー? 」なんて恒例のやり取り交わしたところだったから、タイムリーな1冊とも言える。
ごく平凡な家庭が突然の大金を手にしたらどうなるか、なんて寓話的なストーリーが、多分この話の肝じゃないよね。
フランス人作家の小説ってほとんど読んだこと無かったし、 タイトルだけ見て手に取ったから、あとがき読むまで作者は女性だと信じて疑わなかった。
たぶん、たぶん女性が多かれ少なかれ男性、という性に対して感じているであろう臭み?哀れみ?と憧れを、よくもさらさらと描写できたものだなぁ。
Posted by ブクログ
全く、想像していた内容とは違っていた。
もっと、やさしい雰囲気の話なのかと思っていたら、結構シビアというか、衝撃的でした!
全体的に、本当に、ほんとーにフランスらしさがあふれていました。
Posted by ブクログ
譲り受けた手芸店を営むジョスリーヌは、愛する夫ジョーとの間に一男一女をもうけ(本当はもう一人女の子が生まれたが、生まれてすぐ亡くなった)、二人とも大人になって独立し、今はジョンと二人で暮らしている。小さな手芸店はほぞ細とではあるが順調で、手芸のブログは好評である。
ジョスリーヌは、いつも宝くじを買い、当たったら何を買うかリストににしていたりする。そして、ある時、本当に高額の宝くじが当たる。小切手にしてもらい、ひっそり持ち帰ったジョスリーヌ。ジョンにも打ち明けていなかった小切手が、ある日ジョンとともに消えてしまう。
宝くじがもたらす運命、洋の東西を問わず、人間の運命の変わり目をひっそりと描く。