あらすじ
作家を志し同人誌を作る6人の男女が、チャットルーム「星の海」に集まった。星の名前をハンドルネームにした彼らに面識はなく、プライベートは秘することを約束事にしていた。だが、そのことがすべての事件の伏線となり、真の悲劇を招き寄せる。それぞれの謎が環となって、予測不能の最終章へと繋がる衝撃作! (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
作家を目指して同人誌「スターチャイルド」を作る6人の男女が集まるチャットルーム「星の海」を舞台とした連作ミステリ。作中作という形で6人のうち,3人が書いたという設定の短編ミステリが3つあり,最終話は,6人のうちの一人「ベガ」を死に追いやった犯人探しのミステリとなっている。
3つの短編は,それぞれ単体でもそれなりに楽しめるが,登場人物が訪れた喫茶店や,それぞれの作品での登場人物などが最後の作品の伏線になっているのが面白い。また,短編と短編の間をつなぐ,星の海の主催者「カストル」の記す幕間の「編集後記」,新聞記事などまでが伏線になっている。
プロットは非常に面白いのだが,それぞれの短編のデキはそこそこ。最後の犯人も,ベガだと思われた女性はベガではなく,ベガの元彼氏がベガだったというオチ。これも,よくできてはいるが,そこまで驚けなかった。
全体的によくできているミステリだが,どこか物足りない感じ。登場人物があまりに無個性だからか…。★3かな。