あらすじ
「ここは久保田ミツルのショコラを再現するための店です。」 久保田千代子25歳。母親をなくし、失踪したままの父親が残していったチョコレート店を取り壊そうとした矢先、千代子の前にもう一人の「ちよこ」に現れる。彼女は、20年前に失踪したショコラティエだった父の秘密を知っているようで…? ショコラの香りに導かれ、千代子が辿り着いた真実とは――。 魔法の手が作り出す、キラキラしたブラウンの宝石たち。とろけるお客さんの笑顔。―ショコラの香りが人をつなぎ、心を甘く溶きほぐしてゆく、再出発の物語。
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Posted by ブクログ
自分の殼に籠っている主人公が自分を見つめ直し、しっかり地に足をつけ、やりたい事を見つけ再出発していく話。『美化された記憶でも、前を向くための糧になるならいいんじゃない?』『体の中で溶かしてしまおう。ほんの5,6年でも幸せだったと感じていた日々を忘れないように。』心に残る言葉がたくさんたくさん出てきます。同調して涙が出た。ショコラの香りが人を繋ぐ。心が溶けてやわらかくなる素敵なお話。チョコレートがすんごく食べたくなる!!!!!!
Posted by ブクログ
主人公の千代子は大のチョコレート嫌い。それは20年前に失踪した、ショコラティエだった父が原因だった。
父のことを忘れようと生きる千代子の前にある日突然、自分と同じ名前「ちよこ」という女性が現れた。彼女は、失踪した父の秘密を知っているようで・・・。
内容と相対するような、淡く彩られた中に、たった一人真ん中に立つ少女。
とても目を惹く表紙ですね。
昔から自分の中に引っ掛かる父との確執。
その確執と向き合い、葛藤する主人公。
決して綺麗な話ではないけれど、それが逆に生きてる実感をくれるような。
家族って言葉の意味を考えさせられますね。