あらすじ
統計思考──それは、究極のビジネスツール。
多変量解析の理論や計算式を説明できなくてもいい。
数字とデータをいかに使い、そして発想するか。
──ものの見方のバリエーションを増やすことは、モノゴトの本質をとらえるための近道です。
本書では、さまざまな仕事の場面における実践例、具体例をあげながら、
企業の活動やマーケティング戦略を導く手順に関して、
統計分析の手法をあてはめて考えてみます。
まずは統計の背景にある考え方やプロセスを理解することから始めてください。
そして、できる限りいろいろな場面で実際に応用してみてください。
ビジネスの現場では、そのときどきの、それぞれの立ち位置において最良の解が要求されますが、
統計的な考え方、ものの見方はそうした局面において役に立ちます。
さらに、何度もこうしたプロセスを繰り返していくなかで、
何気なく見過ごしていたり、見えているはずなのに気がついていなかったりしたことが、
ある日突然目の前にぱっと浮かび上がるときがあります。
そう、まさに「ひらめき」を獲得する瞬間です。
一人でも多くのビジネスパーソンに、この至福の瞬間を味わっていただきたいと思います──
【目次より抜粋】
◆第1章:数字で考えることのおもしろさ
~仮説を検証し、気づきを導くための手順
◆第2章:「同じもの」のなかに違いを見つけ出す
~視点を変えることでモノゴトの差異を発見する方法
◆第3章:「違うもの」のなかに同じところを見つける
~見えない本質を浮き彫りにする方法
◆第4章:「全体」から「小さい全体」をつくる
~母集団を正しく代表させる標本のつくり方
◆第5章:「事実」は「真実」と一致するか
~観測されたデータを検定する方法
◆第6章:「迷い」から抜け出すための手法
~シンプルな意思決定モデルのつくり方
◆第7章:数字に現れた現実にいかに対処するか
~数値化できない心のなかを数値化する方法
◆第8章:自然公園がもたらす経済効果は?
~お金で買えないものに値段をつける方法
◆第9章:統計的アプローチで発想するということ
~モノゴトの関係性を数字を使ってとらえる手順
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
統計の結果を「どう活用するか」がかかれています。
統計の入門書としては、秀逸だと思います。
最後の9章がとても良かったので、この「思考」についてもっと膨らませて1冊の書籍にてし頂けると、売れるのではないかなあと思いました。
入門書を意識してか、母集団は「みんな」、標本は「誰」と説明しています。
日ごろから統計に携わる人にとっては、当たり前すぎることを、一般の読者にもわかるように言い換えている箇所が、特に前半に多くありました。
データを受け取って、眺めているだけだという人(私もその一人です)にはお勧めです!
Posted by ブクログ
日常のビジネスなどに統計学をどのように応用する事ができるかについて、細かい数式無しに簡単に書いた本。より具体的にいうと、内容としては主成分分析やクラスター分析といった多変量解析を、ビジネスにどのように活かす事ができるかという構成になっている。
「はじめに」で、正確な統計処理よりも顧客に説明可能な分析をする事が大事であり、分析結果から得られた示唆を顧客に提供し、それが顧客の企業の戦略に有益な情報となると良いと書かれていたが、この主張に関してはその通りだと思う。その他にも、所々重要な事が書かれており、この一冊で統計のエッセンスをたくさん吸収することができる。
Posted by ブクログ
おそらくかなり簡略化はしているものの、実際にイメージしやすい例が豊富で読みやすくまとまっていました。機械学習やAIの本を読む前に先にこちらを読んでおけば良かったです。
Posted by ブクログ
統計を経営に生かすイメージをつかめます、ひととおりの考え方や計算問題もあって入門書としては可もなく不可もなく。これ以上の専門知識を求める方は統計の教科書買いましょう笑
Posted by ブクログ
「物事を考えるプロセスにおいて、統計の技術をどう活用するか」
「大切なことは解釈の是非をいつまでも追求することではない。『どの正解』を採用し、どう行動するかが問われる」
統計の技術だけでなく、その使い方、向き合い方が語られている。
Posted by ブクログ
主成分分析▶「似たもの同士」から個性を見出す
「第一主成分×第二主成分」で視界が開けたデータを得られる
※第一主成分:(データのばらつきが大きい程もとのデータを多く含んでいる→もとのデータの損失を最小化する)分散が最大となるような軸を見出す。第二主成分は第一に直行する直線
クラスター分析:違うものの中に同じところを見つける
ターゲットのイメージを導く
樹形図の形で分析結果を表す
縦軸×横軸でプロットし、距離の遠い(非類似度の高い)もので分類し、近くのもの同士を同じグループに分ける。
※分析対象の特徴を事前に掴んでおくこと、数値の背景となる外部要因や制度などへの理解を深めること、でより効果的にデータを活用できる。
Posted by ブクログ
縦軸と横軸に適当にデータを放り込んで見ているだけでは見えてこないものがあるんだなあ。
複数の軸をずらしながら意味のある情報を掴み出す過程が簡潔に説明されていて分かりやすかった。
意外に「分かりやすい答え」の出ない案件ばかりだったけど、実際そんなものなのかもしれない。
直観的な仮説に説得力を与えたり、市場取引できない公益的価値(安心・健康など)をお金に換算することで数値としての目安を設定したりと、個々人の感覚によって捉えがちな問題を少しでも妥当性のあるやり方で読み解いていく。