【感想・ネタバレ】赤い中国消滅のレビュー

あらすじ

中国解放運動の中心メンバーで、現在ニューヨークに亡命中の陳破空氏の日本初の著書。陳氏自身の半生を振り返り、陳破空とはどんな人物かの紹介から始まり、中国共産党の内情やこれからの中国について鋭く斬り込む。本書の前半は陳氏幼少期、文化大革命時の凄惨な体験から始まる。民主化運動に身を投じた1980年代後半から天安門事件の舞台裏、そして逮捕・投獄から、亡命に至る激動の時代が描かれている。亡命を勧めた公安の話など、日本ではあまり語られなかった天安門事件後の民主化運動活動家を巡る中国当局の動きなどは非常に興味深い。後半は陳氏が欺瞞に満ちた中国共産党の内情に鋭く斬り込む。尖閣諸島を巡る問題は実は、習近平と薄熙来の権力闘争と軍部掌握、毛沢東左派が複雑に絡んだものであるという指摘はこれまでの日本のメディアでは報道されなかった事実である。特に習近平と薄熙来の親子二代にわたる政争についての記述は内情に精通した陳氏だから書けたものである。さらに本書では腐敗する人民解放軍の呆れた実態を暴露。ソマリアの海賊に負けて帰ってきた海軍や入隊するのにも賄賂が必要な解放軍の実態に迫っている。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

中南海は、北京市の中心部西城区、紫禁城の西側に隣接する地区。中華人民共和国政府や中国共産党の本部や要人の官邸などがある。 ウィキペディア

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2014年04月11日

Posted by ブクログ

なにせ外から見る中国は得体がしれない。ある意味で暴露本的な本書は、したがって評価がすごく難しい。筆者が書くように中国は矛盾だらけで汚職だらけで、今にも政治的にor経済的に行き詰まりそうなように見えて、でもそんなに脆弱にも思えないし、世界の外交を見ていると明らかに中国共産党の実質的な独裁が終わることを織り込んでいるとも思えない。

モヤモヤが晴れるような晴れないような。

個人的な好みとしては、筆者の壮絶な半生と祖国への愛と怒りは、もう少し抑えた文章で書いたほうが伝わってくるのではないかと感じる。いかにも中国の歴史書で出てきそうな、情緒的で大言壮語な文章が多く、ひしひしと伝わるものが意外と少ない。

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2014年12月01日

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