【感想・ネタバレ】資本主義はどこへ向かうのか 内部化する市場と自由投資主義のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

少子化やコミュニティの分断などに見られる「個」という現象の発生を、グローバリゼーションに見出すもの。ここまではよくある流れだが、更に踏み込み理屈を明らかにしている。

そこには「貨幣」の観点が設けられており、全ての行動が「消費者=労働者」的な再生産ということではなく、「投資家や資本家」と同様の動きである投資という概念が浸食していきていることを上げている。

それがために全ての行動は貨幣というものによって価値基準を画一化されており、投資家であるがゆえに行動にはリターンを求める必要がありそれらが「機会費用」として捉えられる。それがため、子育てなども自分の収益を下げるものとして認識され、少子化が進む。

それらの背景には貨幣による「資本の蓄積」があり、その日暮らしの再生産ということでなく、資本家的な属性を持つようになっているということが上げられている。

貨幣の制度がグローバリゼーションを資本主義市場経済としており、ここの改革をしないと上記の個の分断が進むことなどは止められない、という流れ。

解決策としてメディアとしてのコミュニティ通貨の導入を行うことで、情報伝達手段としての貨幣や経済的価値としての貨幣をつくっていく、という感じ。

①個に分断されていくことによるメリット、デメリットの経済面からの解析や、更にそれが進むことの方向での考察
②コミュニティ通貨という概念のわかりやすい説明

上記①②がほしかったが、労働者が投資家的になってきている、だから、少子化などが進む。「貨幣」が根本にある、というのはこれまで触れてきた意見で初めての論だったため、更に深堀りしていたいし、腹に落ちている

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2020年05月07日

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