【感想・ネタバレ】「韓流」と「日流」 文化から読み解く日韓新時代のレビュー

あらすじ

「文化」は「政治」を超えられるか。

「近くて遠い国」と形容されてきた日本と韓国に今、変化が起きている。
その契機となったのは日本における「韓流」、そして意外に知られていない、韓国での「日流」現象である。
「政治」が果たせなかった役割を、「文化」は担えるのか?
相互作用として生まれた二つの文化現象の実態を解明することで、両国間に立ちはだかる問題の所在を明らかにし、来るべき「日韓新時代」の可能性について考える。
日韓のはざまで「境界人」として生きる著者の清新な一書。

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Posted by ブクログ

近年書かれた日韓文化論の中でも読みやすく、とりわけ優秀。日韓の政治問題や相互のすれ違いにしっかりと焦点を泡得ながらも、それぞれの歴史風俗の立場に立って議論を展開できる著者は凄い。韓国人類学を先行したいと考える人間にとっては最高の良書だった。

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2014年05月27日

Posted by ブクログ

文化論業界は玉石混淆の世界。目から鱗の名著もあれば、自文化を基準とした異文化批判及び過剰一般化、文明と文化の同一視等トンデモ系も多い。旅人の呟きならそれも見聞だが、肩書きが立派なだけにたちが悪い。さて、本書は間違いなく“玉”の方である。受け手の立場から見ると、韓国人である著者の語る韓流現象は些か身贔屓な感なきにしもあらずだが、『第Ⅱ部1章の韓国における日本文化』は境界人を自任する著者だからこそ書ける内容。日韓の現状は必ずしも著者の望むようにはなっていないが、歴史は行きつ戻りつ進むもの。明日に希望!要再読。


「韓流」と「日流」〜文化から読み解く日韓新時代 >>所謂「韓流」について書かれた本は何冊か読んだが、「日流」について日本語で書かれた本はそんなに多くない。読書メータの高評価を見て一時帰国時に購入積読。著者は日本と韓国間を行き来しながら育った韓国人。現職一橋大学院法学研究科准教授。 2012年09月23日

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2012年09月29日

Posted by ブクログ

新聞で知った作者さん。この方の自伝みたいなのに興味があるので書いて欲しい。同じ歳くらいだけど「あなたは朝鮮人です」なんて転入生に向かって言わないと思う。都会では。ただの田舎への偏見ですけど。

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2021年05月15日

Posted by ブクログ

『冬のソナタ』を頂点とする、日本における「韓流」ブームの流れと、韓国における日本のポップ・カルチャー受容史を概観するとともに、今後の日韓の文化的なレヴェルでの交流についての展望を語った本です。

意図されたものなのかわからないのですが、ポップ・カルチャーの表層的な動向を追いかけていくことに終始しているように感じました。ある程度歴史的な広がりはありますが、映画に関する叙述の一部を除いては、あまり立ち入った作品論は展開されていません。韓国の戦後史におけるポストコロニアル的な状況についての指摘はなされていますが、韓国と日本のポップ・カルチャーに関するカルチュラル・スタディーズのような内容を期待する向きには、少しもの足りなさを覚えるのではないでしょうか。

本書の刊行は2010年ですが、その後ブームとしての「韓流」は終息し、韓国ドラマもK-POPアイドルも一定のファンをもつ、ひとつのジャンルという位置に定着したようにも見えます。もちろんネットを中心にさまざまな摩擦はあるようですが、たとえば日本の芸能界でも吉本芸人と東京芸人の軋轢はあるでしょうし、日本のアイドルや声優のファンのあいだでおたがいに罵りあいが見られることを思えば、両国の文化交流もそうしたさまざまな摩擦をくり返しながらもつづけられていくのだろうと思います。

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2018年03月02日

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