あらすじ
「幽霊出現などの怪異現象を種や仕掛けによって人為的に作り出す娯楽」である妖怪手品。奇想天外さや手軽さで人々を喜ばせ、時代とともに大がかりな見世物になっていく江戸享保年間から明治までの過程を描き、同時代の中国やヨーロッパとの比較や、江戸川乱歩と妖怪手品の接点も紹介しながら、怪異を楽しむ日本人の感性に迫る。
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Posted by ブクログ
妖怪手品とは「幽霊出現などの怪異現象を種や仕掛けによって人為的に作り出す娯楽」を表す造語である。
江戸時代、酒の席での素人余興として流行った。それは笑いをとるものであり、天狗を座敷に現してみせると言って身近なもので仮装した人間が出てきたりするくだらなさと意外性の出し物だった。
プロの芸人もたくさん居て、大がかりな仕掛けや科学技術を使って見せ物をしていた。
明治大正になると、文明開化と映画の影響で「幽霊を見るのは神経症」とさげすまれた。
逆に心霊現象や催眠術が流行り、その種が手品であると知らずに信じ込む大衆も多かった。
歌舞伎やお化け屋敷など、種や仕掛けがあるものとわかった上で楽しむ娯楽となっている。
馬鹿馬鹿しいものも面白かったけど、科学技術を使った手品にときめいた。
Posted by ブクログ
天狗を出す手品のタネが、天狗に変装することとか、ひっくり返りそうになるもので、面白い。
きっと電灯がなく今よりも薄暗い空間では、そんなのでも十分に通用したんだろうね。
総じて面白いのだけど、最後の乱歩の章はいらなかったのでは。。。