あらすじ
アイドルの女の子を好きなふりをしたり、気になる男子の名を寝言で呼んだらどうしようと修学旅行で眠れなかったり――著者がゲイであることに悩み、認め、周りにカミングアウトしていく、さわやかで感動を呼ぶ青春記。同性愛の人はもちろん、異性愛の人にも勇気と希望を与えてくれます。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
ゲイの青年が、
パソコンという「マイノリティーの武器」に出会って、
仲間に出会って、癒されて、羽ばたいて(?)いく、という内容。
この本を読んで、
人間の核になるものは「自己肯定感」なんだと再確認。
マイノリティーに属した人は、
社会で生きるなかで「認められないという“自己否定”」を
されながら過ごさなくてはならないので、
「自己肯定がしにくい」。
著者は、良好な家族関係・友人関係のなかで
「性以外の部分では自己肯定がしっかりとできていた」ので、
この本も最初から最後まで
「自己否定ばかりして生きてきた人」にみられる
“ねじれ”があまりみられず、とてもサワヤカ。
そして、“仲間”に出会うことで「自己肯定のシャワー」を浴び、
癒されていく。
カウンセリングの世界でも、
仲間とのグループカウンセリングが効果が
大きいと言われているのも
「自己肯定感が得られる」からだと思う。
世の中の多くの問題・事件・出来事は
この「自己肯定してほしい」に皮をかぶせたものに
過ぎないのではないかと改めて思った。
しかし、マイノリティーという1つの枠の中で
「仲間」に出会えるというのは、うらやましくも、ある。