あらすじ
『精神現象学』って、そういう本だったのか!
SNSの時代、承認欲求は暴走し、対立は終わらず、社会分断は広がり続ける――その根底にある仕組みを、ヘーゲルは主著『精神現象学』で、まるで現代を予言するかのように鮮やかに描き出していた。のちにマルクス思想誕生のきっかけとなり、近現代思想を方向づけることになったこの名著を、マルクス解説で話題を呼んだ著者がやさしく読み解く。承認、自由、共同体をめぐるヘーゲルの洞察をたどれば、難解な古典が驚くほど現代的な書物であることがわかり、いま私たちの社会で何が起きているのかが見えてくる。分断の時代に希望を取り戻すための一冊。
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Posted by ブクログ
わかりやすく、ヘーゲルの『精神現象学』を解説してくれている。また、ヘーゲルを通して、著者の考える現代の問題点と、ヘーゲル的な解決策についても言及している。
ヘーゲルが実際に現代にいた時に、そのように考えるかは別にして、ヘーゲルが当時唱えていた問題点は現代でも当てはまるのだということは間違いない。(かといって、著者の現代の問題とヘーゲルを繋げる解釈がすべて正しいかということには疑いの目を持ちたい)
後半には著者の研究でたびたび登場するマルクスに話が移るが、ヘーゲルとマルクスの繋がりを知れて、これはこれで興味深かった。
Posted by ブクログ
斎藤幸平さんの著作は、ほぼ全部読んでいます。この若き天才に敬服しています。
論点が明確で、繰り返し論点の整理をしながら論理が進んでいくので、70歳のポンコツな老人にもわかりやすいです。(斎藤さんのどの著作にも共通していることですが)
さらに、具体例が今日の課題から出されており、社会の問題と向き合う気持ちで読み進めることができます。
Posted by ブクログ
アウフヘーベンでおなじみ、ヘーゲルの「精神現象学」(超難解なやつ)の入門書読んだ
アウフヘーベンの解像度がとても上がったので、おもしろかった
■本書の主張
アウフヘーベン is...
自分の知が否定されるような矛盾に耐えて考え抜き、悪いところは捨て、良いところは残しつつ、より高次の知を生み出していく
弁証法=そのための思考法
しかし、一般社会では実現するのは容易ではない。お互いが正しさを主張して譲らないから
今までの自分を否定するのは、暴力に感じられることもある。この恐怖感が勝ると「変わりたくない」となってしまう
そこで必要なのが「相互承認」のスタンス。成立条件は...
二者が対称的である=対等な関係
相手を否定できる
(相手を否定するためにも)自分も一部否定できる
そのためには、「告白」+「赦し」が必要
告白=実行者側の自己批判
赦し=行為を評価する側の自己批判
双方が相互批判しあい、偽善を反省して共通の目的に向かっていくこと
■感想
とりあえずフィードバックもらいにいく・FBを認めるスタンス、間違っていないようで :yokatta:
これは実は結構心がけている。ただ、へりくだる必要はゼロなのでそこを履き違えぬよう
自分の正しいと信じていたことを一度自己批判して捨てる強さがあると、人は行動変容できる。
行動変容できないケースは、大体ここなのではないかとも思った
いつまでもそうできる自分でありたいものだとおもった(自分の思う正しさに固執しない強さ)
つまり、強さの問題
Posted by ブクログ
SNS・ネットを見れば、レスバの嵐で窮屈さを感じてしまうが、ヘーゲルの相互承認をヒントにすれば、対話を重ね、互いに歩み寄ることが可能になる。相手から批判された際、行為した者が自らの過ちを告白すること、そして相手はそれを赦すこと。当たり前のことだが、その当たり前のことができない世の中。
ふと思ったのが、確かヘーゲルとショーペンハウアーは相当仲が悪く(ショーペンハウアーが一方的に妬み嫌っていたらしいが)、これはヘーゲルの言う「主と奴」に陥ってしまっていないのかと。
『精神現象学』は昔読もうとしたが、ムズすぎて1ミリも理解できずに挫折した。今は1ミリくらいは理解できるだろうか...再チャレンジしてみよう。