【感想・ネタバレ】マーケティングを学ぶのレビュー

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Posted by ブクログ 2017年01月22日

わたしのようなマーケティング初学者からすると、マーケティングとはいかにモノを売らせるための技術である、なんていうひどく雑でひねくれた見方をしてしまうが、「本書では、企業の生活者・顧客との接点を、どうデザインするかに焦点を絞り検討してきた」(P301)とあるように、本書の目的にあるのは「生活者」といか...続きを読むに「接点」をみつけ、それを構築(「デザイン」)するかというのがマーケティングであると示され、曚を啓かされた。

こんな始まり方をすると堅苦しいように感じるかもしれないが、誰もが知る企業の、成功例も失敗例もふくめた豊富な事例(ソニー、パナソニック、サントリー、伊藤園、P&G、花王、JTB、アート引越センターetc.)が紹介され、新書にしては厚めの300ページ超だが、読んでいて飽きなかった。また細かく章が分かれているので、拾い読みもできると思うし、デスクの脇にでも置いて都度振り返っておきたくなる本だと感じた。

本書の結論は、現代の低成長・低収益の時代には、たんなる技術のイノベーションではなく、商品・ブランドと生活者との新しい接点を見つけ、意味や価値を創造する「コマーシャル・イノベーション」が求められるのだ、ということだ(「終章 コマーシャルイノベーションに向かって」)。いいかえれば現代は、ハードパワー〈機能/効能/性能〉の時代から、ソフトパワー〈経験/意味/価値〉の時代へのマーケティング転換期なのだ。

たとえば、P&Gは二十世紀末に、「世界の【消費者のニーズに最も適した】、秀でた品質と価値をもつ製品を提供する」、という宣言を、「世界の【消費者の生活を向上させる】、優れた品質と価値をもつ宣言へと変えているという(P173、【】は本書内傍点)。その意味するところは、既存のニーズに向けて商品を提供するのではなく、生活を向上するという切り口で商品価値を創造するという転換なのだ。

技術から生活価値への転換を果たした事例として、ウォークマンやiPodなどのほか、キットカットを挙げている。キットカットはかつて安いチョコ菓子というポジションだったが、ひとつのキャンペーンを打ったことで、ほかのチョコ菓子とは違った生活者との接点を得てポジショニングを達成した。それは「キットカット→きっと勝つ」の語呂合わせから出た受験のゲン担ぎをしている、という受験生のキットカットとの関係から発想を得ている。商品の中身は変わっていないが、生活者との関係が変わることで価値創造した好事例だ。

個人的に気になったところは、ブランドやリサーチということを考えるなかで、企業/組織の強さをいかに高めるか、という視点を強調していた点だ。自分の過去の仕事を考えると、組織というより個人を重きにおいた仕事内容だったので、たいへん勉強になった。

ニーズが細分化されている現代において、大企業ほど動きが遅くキャッチアップできない、と「大企業病」などと非難がちだが、これを読んでると大企業だからこそ、細やかなニーズをキャッチアップできるマネジメントができるのではないかと感じた(第Ⅳ部など)。そう思わせたほど事例が大企業が多いので、リソースのない中小企業が市場という複雑性にどう対処するか、という事例も多くほしい気もした。

とはいえ、そのなかでも第1章で例示された、地方の地場産業による障がい者スプーンの例は、生活者に向き合うことでニーズを発見するという好事例で印象に残った。

また「指標化」(P255)という概念は、わたしとしては学ぶものが多かった。「指標化」とはマーケティングの接点を考える際に、「あらかじめみずからの可能性・選択肢を限定」し、「自分たちの力に見合った形で処理可能な状態にする(架け橋を架ける)という作業」を指す(第Ⅲ部結論~第Ⅳ部あたり)。

なぜ「あらかじめみずからの可能性・選択肢を限定」する必要があるのか。それは、市場環境は無限に複雑なので、それをすべて処理できず成り行きでこなしてしまっては、マーケティングを長期に渡りマネジメントできず、成長もしない。「組織が存続するためには、自分たちの処理可能な状態に、できれば意識的に環境を作り替えておくことである」(P244)。

マーケティングとは話はずれるが、個人的に仕事の優先順位がつかないことが多く、苦労することが多かったので、「指標化」の概念はマーケティング以外にも役立つのではないかと思った。本書のなかで、そんなカオス状態のとき組織の指示として重要になるのは、「いろいろ起こっていて、気になることも多いだろうが、とりあえず『店頭品質』の諸要素に注目するだけでよし。他のいろいろある出来事は、無視してもかまわない」(P244)と書かれていて、なにか思わずほっとさせられるものがあった。

読み応えがありつつかつ読みやすいので、マーケティングの入門書をさがしているひとは、ぜひ本書を手にとってほしい。わたしの場合、本書を読む前に著者のべつの本『マーケティングの神話』(岩波現代文庫)を読み、たいへん面白かったので、他にないかと探したところ本書に出会った。『神話』のほうは、文化人類学や哲学、記号論など人文系の知識を用いて、マーケティングの本質に迫っている名著だと感じた。興味がある人はこちらも一読を。

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Posted by ブクログ 2015年03月03日

マーケティングという名前の下で、アイデア発想やフレームワーク論に終始する本が多い中で、「マーケティング・マネジメント」という観点から、ブランド戦略・営業戦略のふたつの柱で、マーケティングのマネジメント方法を事例豊富に語った新書。
それは結果的に、企業と生活者(顧客)との接点を、どうデザインするか?と...続きを読むいう観点を、立体的に語っている。
素晴らしい。

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Posted by ブクログ 2015年02月20日

ポジショニング、組織論、ブランドマネジメント、情報リテラシーなど、マーケティングに関する幅広いトピックスが網羅されている。構成も非常に体系的で、自分のような門外漢がマーケティングを学ぶには大いに参考になった。
特に、組織形態のありようで経営判断が大きく変わりうることが具体的な事例(サッポロ・ドラフト...続きを読むワンなど)で示されており、新しい発見となった。ウチの会社の経営陣は伝統的に組織に手を入れるのが大好きでしょっちゅう組織変更があるが、どこまでその影響を認識しているのだろうかと考えさせられる。どう見ても気まぐれとしか思えない組織改編も多く、ある意味恐ろしくなった。

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Posted by ブクログ 2012年05月29日

この本を読む前は、マーケティングという言葉をなんとなくイメージで理解し、マーケティングはなんとなく大切なんだろうなぁという理解だったが、読んだあととなっては、マーケティングなしに商品を売り続けていられる企業は単に運がいいだけなんだと思うようになった。

いまの自分の職場から見て、いまの会社はあまりマ...続きを読むーケティングをしているように思えないのが残念。ただ、これからマーケティングを行おうとがんばってはいるのかな。

ちょっと話を変えて、文系・理系の話。
自分は今まで文系・理系という言葉を思い浮かべるときに、なんとなく、感性的・論理的といったようなイメージで対比させていたのだが、このマーケティングの話をする上でもそうだが、文系では論理がさほど重要ではないというイメージは大きく間違っている。むしろ、理系よりも文系こそ、論理を重視せねばならない。理系の学問においては、論理を組み立てる根拠が比較的確固としている場合が多いように思うが、文系の学問においては、論理を組み立てる根拠が理系ほど客観に確固としていない場合が多いように思う(確率的にある程度の憶測や主観を含む)。よって、根拠の、その、ときに不十分な確からしさを補って余りある論理立てが必要なのだと思う。

マーケティングを行う上での根拠も十分確からしいと言えない場合が少なからずあるのではないかと思う。よって、それを補う明確な論理立てが必要なのだ。

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Posted by ブクログ 2011年05月16日

 マーケティングとは関係のない仕事をしているが、参考になる。どんな仕事をしていても、状況としてマーケティングの考え方が必要になる。よくまとまっていて勉強になる。創造的適応を意識したい。

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Posted by ブクログ 2010年12月04日

王道マーケティングを学ぶなら、この1冊で十分。
コンパクトに非常によくまとまっている。
後は、現実の世界に触れるのみ。実践、実践、実践!

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Posted by ブクログ 2021年12月30日

タイトルの通り、“マーケティングを学ぶ”ための本だが、教科書的ではなく読み物のようなスタイルで書かれているのでスラスラ読むことができる。

前半から中盤にかけてはSTP、後半は顧客へのアプローチと顧客管理、マーケティング組織のマネジメントが中心となっている。

10年以上前に出版されたものであるため...続きを読むケースは古いが、今でも十分通用するものである。

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Posted by ブクログ 2021年05月15日

様々な事例を交えマーケティングの基本的な考え方を学べます。一方で事例の羅列ではなくなぜそれが大切なのかが抑えられており、新書でさっとマーケティングについて学びたい場合におすすめの一冊です。

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Posted by ブクログ 2018年01月21日

かつての「作れば売れた」という大量生産・大量消費の時代を終え、供給過剰になった現在のビジネスシーンにおけるマーケティングについてまとめた書籍です。
初歩的なセグメント、ターゲティング、ポジショニングと、ブランド戦略について、各々実際の事例を交えて論じていますので、理解しやすい入門書と言えます。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年04月23日

マーケティングマネジメントに関する本。
SMP MMというフレームワーク的な話ではなく、
顧客を見たもっと本質的な点から話が展開されている良本。

<メモ>
・市場をの関係を自分の意思が反映できるよう、マネジメントできるようどうデザインするか。そのためには戦略上の工夫、組織上の工夫が必要。
・市場関...続きを読む係のデザインは 1生活者顧客志向の戦略づくり2戦略に合わせた組織づくり3市場接点のマネジメント4組織の情報リテラシーの確率の4点で構成される。
・スプーンとはそもそも何かという根本的な価値から考える。
・向き合う消費者を絞り、彼らの欲しい価値を知るところからビジネスは始まる。生活者はドリルを求めているのでなく、穴を求めている。
・生活者の深い理解に立った事業の定義が重要。
・誰のために何をするのかという事業ミッションに加え、どう実現するのかが必要。
・例えば顧客層、技術、提供価値機能で三軸で考えてみる。
・緑茶はどういう飲料でありたいのかという夢から戦略がスタートする場合もある。
・チャネルを持つとそれを維持する必要が生じる。複数製品の継続的な供給など。製品ラインも広げる必要がある。
・コーポポレートブランド戦略は1広い製品と多数の製品ブランドの保有、2新製品導入サイクルの短縮化、3コーポレートブランドのアピールが必要。チャネルを通じた顧客関係の構築を行っている。
・商品ブランド戦略は商品ブランドを通じた顧客関係を構築しており、選択と集中でメガブランドづくりとポジショニングが重要要素となる。
・ブランド別組織か機能別組織かによって、新たなブランドへの取り組み方が異なってくる。機能別だと調整が先に生じてしまい、新たなものが育ちにくくなる
・商品と顧客の関係を変えるコマーシャルイノベーションという試み。キットカットの例。
・ブランドを拡張すると拡張した商品に引っ張られてブランド自体の価値が下がってしまうことなども起こりうる。
・確立したブランドでも都度市場変化に合わせてブランド統合、ブランド拡張、新規ブランド導入という選択肢を選びなおす必要性がある。
・ブランド拡張にはコストとリスクがある。拡張した先の分野でメガブランドと競合する可能性。うまくいかないとブランドエクイティが毀損しうる。
・ハイチオールCがターゲットを変えて新市場を創造したように、これまでになかった切り口で新しい市場カテゴリを作り、そこで一番になることを考える。そして新しいカテゴリとブランドとの絆を強化する。人類初に女性という切り口を入れ、女性初という見方を作り出したことからアメリアエアハート効果という。
・これまでの市場カテゴリと対応するブランドに強い絆を作り出す。生活者の頭の中の特定市場カテゴリにおいてブランドをポジショニングするやり方。ファブリーズなど。ポジショニングのこの工夫こそが長きに渡るブランドエクイティを確立する方策。企業が長きに渡る成長を可能にする方策。
・市場に向けた事業の成長の方向として、二つの選択肢がある。ポジショニングによる成長。生活者の頭の中に自社のブランド製品カテゴリとの強い絆があることを刻み込むやり方。当該製品分野の定番商品となること。さらには少しずつポジショニングを変えて、自身お属している製品市場カテゴリの着実な拡大に努めること。
もう一つの選択肢はブランド拡張。確立したブランドエクイティを他製品に拡張するやり方。
・ポジショニング方式を徹底してやり続けると、どうしても新ブランドの導入が増える。あまりにリスクとコストが大きい。それを避けるべくブランド拡張方式が選ばれる。成長期にはポジショニング方式、成熟期にはブランド拡張方式と市場状況の変化に合わせて慎重に成長対応を考えなければならないということ。
・一つのブランドにいくつものキャンペーンが時間を経て実施される。これはブランドエクイティを育てていることに違いない。今回のキャンペーンにおいてはどの層に訴求すべきなのかを決めることが重要。顧客規模縮小時には新しい生活者を狙うだろうし、ブランド自体のアイデンティティが弱っているのであればヘビーユーザー向けに改めて高いロイヤルティを維持・高揚すべくコミュニケーションを図るだろう。
大事なことは自分のブランドの目指す層を定めることである。
・ブランドパワー測定の最大のメリットはそれによって改善すべき点がわかる。
1生活者との長期にわたる交流の架け橋となるブランドを構築する
2ブランドの健康診断を行う
3その架け橋に悪いところがあれば、そこだけをピンポイントで改良していく。
・メーカーのチャネルマネジメントの重要要素
チャネル営業のプロセスマネジメント 売上利益は様々なマーケティング活動の成果。営業のみの成果ではない。商品を売るのではなく、商品を置いてもらう状況を作るのが営業の仕事であったりする。営業は組織の仕事であり、市場を創造すること。
・マーケティングマネジメントとは、情報をしまう棚を作り(指標化)、センサーを備え付け、羅針盤を作る(打つ手を準備する)こと。
・組織に上がってくる情報は市場調査を通じて、営業から、お客様相談室の三つ。

・市場関係のデザインは市場に向けた戦略づくり(誰に向けて価値を提供するのか)、戦略に合わせた組織体制作り、市場と組織の接点のマネジメント、組織の情報リテラシーの確立から成り立つ。

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Posted by ブクログ 2014年10月20日

マーケティングに関する書籍は、アカデミックに特化したものか企業の現場に特化したものの両極にしか出会ったことがなかった。
これは非常にバランスよく、理論と実践が取り上げられている。
さすが、流通科学大学学長。
企業はユーザ視点で健全で真摯な取組が必要という当たり前のことを今更ながら再認識した。

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Posted by ブクログ 2014年08月01日

マーケティングをわかりやすく説明し、新書という形で手軽に楽しめる一冊である。
具体的な例はもちろん、日本におけるマーケティングの特徴も指摘されている点が大きい。コトラーのマーケティングに限らず、石井氏のマーケティングも勉強することで、色々な見方ができるようになると思う。

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Posted by ブクログ 2012年02月25日

具体例が多く盛り込まれていて読みやすいマーケティングの本。ブランドスイッチのしやすいトイレタリーメーカーのマーケティングの強さに改めて驚かされた。
ブランドエクイティを作るのは広報や宣伝の仕事だと思っていたけど、仕掛けや作りはマーケティングが整備しなきゃなんだなぁ。。もう少しちゃんとマーケティングを...続きを読むしたいと思った。

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Posted by ブクログ 2011年12月01日

この本とは全く違うジャンルの営業だが、たくさん使えるものがありそうだった。
ターゲットを明確にすることと、プロセスの分析の大事さが腹落ちした。

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Posted by ブクログ 2012年05月21日

良く知られている企業のマーケティング戦略を紹介しながら、その内容とポイントについて解説。(アサヒビール、味の素、アート引越しセンター、コカコーラ、P&G、グリコ、カルビー、大塚製薬など)

この本では企業のマーケティング・マネジメントを以下の4つの段階に分けている。

一、「市場指向の戦略づくり」
...続きを読むSTP(細分化→ターゲティング→ポジショニング)、生活者志向

二、「ミッションへの組織適合」
ポジショニング方式(同商品のポジショニングをずらす)、ブランド拡張方式(確立したブランドを他商品へ移譲)

三、「市場接点のプロセスマネジメント」
ATL、BTL、ロイヤルティ、店頭品質

四、「組織の情報リテラシーの確立」
標準化した調査・統計方法、問い合わせ情報の活用、CRM(ロイヤルティの向上)


『経営戦略の教科書』 (光文社新書)では、同じように有名企業のケースを紹介しながら進行するが、こちらではフレームワーク中心の解説になる。平行して読むと理解が深まる。

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Posted by ブクログ 2011年11月02日

企業の事例を挙げながら解説してくれるので、読みやすくわかりやすかった。ブランド戦略はなかなか興味深かった。

いいものが売れる、売れるものがいいもの、もあるだろうけど、物が溢れてる世の中では、商品の価値が何なのかをちゃんと消費者に理解してもらうのが重要ですね。

マーケティングは事例が豊富で、かつわ...続きを読むかりやすい事例が多いのと、誰のために、というのを考えるいい機会なので、人間教育の一環も兼ねて、高校くらいから教えてもいい気がする。

想像的適応!

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Posted by ブクログ 2011年11月01日

マーケティングの基本がわかりやすく書いてある本。実例も多く載っており、今の一流企業がどのようにして、物を売っているのかがよく理解できた。
難しい言葉も出てくるが、各部でまとめがあり、比較的わかりやすかったので、おすすめの本である。

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Posted by ブクログ 2011年10月31日

情報のデータベース化による有効活用や市場細分化、ターゲティング、ポジショニング、ブランドポートフォリオ、価値創造等々マーケティングを学んだことのある人に取ってはよく耳にするようなことが書かれている。
それを実際の事例を通してコンパクトにまとめておりとてもわかりやすい内容になっていると思う。

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Posted by ブクログ 2010年06月14日

実例が多く、とてもわかりやすい。
マス的消費が終わった今日、どのようなマーケティングが効果的なのかが説かれています。
マーケティング初心者におすすめな1冊。

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Posted by ブクログ 2016年08月20日

【お仕事本】有名企業を例に挙げたマーケティング入門本。専門用語も多く理解するのに最初は時間がかかったが、有名企業はどこも当たり前のように企業努力をしているのだと今更ながら感嘆した。勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2016年05月03日

事例が豊富でひとつずつの事例分析は興味深く示唆に富んでいる。
残念なのはマーケティング初心者には全体像が見えにくいことだ。各章にもまとめがあり最後に全体をまとめた終章も用意されているのに全体像は繋がりにくかった。
とはいえ、商品開発、ブランドマネージャー、営業、カスタマーサポート、など各部署が顧客を...続きを読む見て行動することを具体的に書いている本書の価値は大きいように思う。



読みやすさ ★★☆☆☆
学び ★★★★☆
実践 ★★☆☆☆

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Posted by ブクログ 2016年04月22日

ある意味では、日本人は 独創性がないが、
情報を集めて 分析して 整理すると言う能力が高いのだと思える。
この本は 現在の日本のマーケティングのありかたを
過剰生産、過剰品質によって 差別化が 困難になり
『いい製品なのに 売れない』という現象を、
どのように 切り抜けていくのか?ということを
マー...続きを読むケティングによって、チカラを だすことができるという
ことなのだが。

『自分は、誰のために、何をしたいのか』ということが
事業の核心にあると思います。
ドリルの穴なのか?ドリルなのか?

たしかに 日本の企業とアメリカの企業についての比較が面白いが
日本の商社や 流通におけるセブンイレブン、ローソンなどを
すっぽり 抜かしていることが、残念ともいえる。

コマーシャルイノベーション
キットカット 『きっと勝つ』

組織戦略の考え方
企業経営の健全化のために 沼上幹(著)

『自分の生きがいを会社の中で追求する』
『仕事を通じて自己実現をする』
その前に、会社は利益を上げねばならない。

開発プロセスにも ボトルネックがある。
ボトルネックの中心が 基本コンセプトつくリにある。

メモ 基本コンセプトを企画が考えて、開発も基本コンセプトをつくる。
それをすりあわせる作業がいる。
情報収集と分析は あくまでも 商品企画が行なう。
営業が集めた情報と分析は 営業部が行ない それを 商品企画部にもどして
評価をして 開発に 渡す作業が 必要。

意思決定の生産工程
①問題の認識
②情報の収集
③情報の分析
④選択肢の生成;どうするのか?
⑤選択;決定 → これが ボトルネックになっている。
⑥組織内への正当化のプロセス
⑦命令 決定の伝達

マーケティングマネジメント
センサーを備え付ける。
情報をしまう棚をつくる。
羅針盤をつくる(方向性、打つ手を決める)

情報リテラシー→情報を創造的に活用する能力
情報の集積、情報の普及、情報の使いこなし(活用)

調査仮説
『探すものがはっきりしないのに、探し物を見つけることはできない。』
調査担当とマーケターは区別される。

カルビーの沖縄バックオフィスと東京データセンター
花王の生活コミュニケーションセンター
ネスレのTogether Nestle
全社が コミュニケーションセンターを支えるしくみ。

企業の生活者•顧客との接点を、どうデザインするか?
1 市場と組織の軸
2 計画(活動の基本設計図)とマネジメント(目的達成の技法)

市場にむけた戦略づくり(市場にいる誰のために、何をしたいのか)
戦略に合わせた組織体制づくり
市場と組織の接点のマネジメント
組織の(市場情報を使いこなす)情報リテラシーの確立

『創造的適応』。
生き残るためのマーケティング。

マーケティングは ある意味では マーケティング学者の
活躍する シーンなのだと思う。
それだけ、科学になっていない ということかもしれない。
それを概括的に話をする人が 重要なんですね。
そういう意味で 貴重な本かもしれない。

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Posted by ブクログ 2014年10月19日

大学院の授業「マーケティングⅡ」の指定教科書だったので、たまには(ごめんなさい)マジメに読んでみました。

STPとかブランドの話とか、基本的なことを体系的に整理しつつ、比較的最近の事例も取り入れて、分かりやすい本です。

いろいろ書いてあるけど、詰まるところはお客さんをどれだけ具体的に設定できるか...続きを読むが、特に日本のようにモノが溢れるようになった市場では大事ということかな、と思いました。

ただ、この本含めてマーケティングというと、大抵、消費財中心で話が進んでしまうので、生産財の方に関わりが強い人間としてはちょっと残念ではありました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年09月01日

第6章の「コーポレートブランドを経営する」と第8章「ポジショニングを通じてブランド・エクイティを確率する」が面白かった。ソニーとパナソニックの戦略の違いも興味深かったが、中でもP&Gの、「ニッチを狙ったファブリーズの市場導入」の部分が、今の仕事にも為になりそうな内容だった。
確かに消臭剤と...続きを読む言えば、「ファブリーズ」と自然と出てくる。これは考え抜かれたP&Gの戦略、ということがうなずける。
更にカルビーのポテトチップス、コカ・コーラ、フジッコのおまめさん、明治ブルガリアヨーグルト、アサヒスーパードライ、なども、同様に生活者に確固としたポジションを築いている。
だけど、ファブリーズはそれに留まらず、「布の臭いをとることで、部屋の臭いをとる」とメッセージを工夫して新たな商品と生活者との関係を築いた。
「きっと勝つ」にかけた「キットカット」もその例、とのこと。
そして、技術上のイノベーションと対比させ、そういった試みのことを「コマーシャル・イノベーション」と言うらしい。
メーカーのマーケッターは日々こういったことを考えているんだろう。どんなところにヒントが隠れているかわからない。けれど、自分が関わった自社製品って思い入れがあるんだろうな。そこが代理店とメーカーとの大きな違いだ。サービスと商品は、目に見えるか見えないかで大きいし。

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Posted by ブクログ 2012年09月30日

流通科学大学学長によるマーケティング入門書。豊富な事例を盛り込むが、ある程度マーケティングを学んだ者にとっては物足りないかもしれない。

戦う市場を細分化し、ブランドを確立させ、顧客数の声を聞きながら、ブランドを育てる。

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Posted by ブクログ 2012年06月29日

現在のように品質が消費者の期待以上になるような製品が多い時代では、会社は「誰のために何をしたいか」という意図をはっきりさせること。そしてその分野ではトップになれるようにし自社製品のブランド化を図ること。そしてブランド価値を継続するためには常に正確な市場情報をつかめるように情報リテラシーを確立すること...続きを読む

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Posted by ブクログ 2011年11月27日

ともすれば見当違いな方向に進んでしまう企業戦略について、どのように舵取りすればよいのか、豊富で具体的な事例があげられている良書。

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Posted by ブクログ 2011年11月26日

◆ マーケティング
戦略作成→組織づくり→市場接点のマネジメント→情報リテラシーの確立。

◆ セグメンテーション→ターゲティング→ポジショニング→オペレーション

書いてあることは分かるが、いざ実行しようとなると困難を感じるのはなぜか?自分の業界だけが特殊と思っているのか?
自社のことの掘り下げが...続きを読む先か?

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Posted by ブクログ 2011年11月03日

具体的な企業名と、その企業のとりくみがケースとしてでているので、割と分かりやすい。ユーザーの「生活」とかライフスタイル系な目線がこれからは必要になってくるのね。

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Posted by ブクログ 2011年10月30日

企業の、顧客との接点をどうデザインするかについて、市場と組織に注目して説明。

マーケティングの本って色々あるけれど、市場ー組織の軸、計画ーマネジメントの軸の4つで定義して整理するという手法は初めて見た。
その軸の切り方って正しいの??という気もするけれど、
1.ターゲティングやポジショニングに焦点...続きを読むをあてた市場の計画(これをマーケティングって説明してる本が多いかな)
2.組織の計画~戦略にあわせた組織体制づくり
3.市場のマネジメント、これ、ちょっとわかりにくいけれど内容的にはブランド戦略やプロセス営業みたいなことだった
4.組織のマネジメント、これも計画とどう違う?って思うけれど、情報リテラシー、ナレッジマネジメント系の話?

いずれも実際のケースを当てはめながら説明していて個々の内容としてはわかりやすかったけれど、4軸でまとまった感はないけどなーという感想。俯瞰図が描きにくかった。

ただ、マーケティングのケーススタディっておなじみの企業が取りあげらる事が多いけれど、今回の本は初めて読んだケースが結構あったのでそれが勉強になった。ファブリーズのブランド拡張や、おーいお茶の飲料化率、ポジショニングからのターゲティングの例など。

2010年初版の本なので、SNSなどソーシャルメディア系の話が出てくるのかな?と思ったけれどそっち系の話は一切なし。
どちらかというと古典的なマーケティングの本という気がしたけれど、顧客・市場という企業側からはマネジメントできないところにどうやってアプローチしていくか、その方法は変わっても本質のところは変わらない気がした。という意味で、今でも十分活用できる本だと思う。

一番ぴんと来たのはあとがきに書かれている著者の言葉で、マーケティングというのは創造的適応だという言葉。創造と適応って一見矛盾しているんだけど、マーケティングの本質はまさにそのまま。みずからの状況を創り出しつつ、その状況に適応していくこと。
相手のいう事を言われたとおりにやる、これは創造的でない適応。
相手の心を思慮することなく何かをする、これは創造的であったとしても適応的ではない。
相手が言葉に出せなかった要望を探り、それに応えていくこと、それが創造的適応であって、マーケティングというのはこういう動きなんだということ。
うーん、なるほど。

思うに、こういうの日本人得意なんじゃないですかねえ。
マーケティングってもともとアメリカから来てるけど、ちまちました心配りというか空気を読むというか、特性を活かして何か出来たりする気もするのですがどうでしょうか。

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