【感想・ネタバレ】羆山渉猟 単独忍び猟記のレビュー

あらすじ

心震える狩猟ノンフィクション!
北海道稚内に移住したあるハンターの次の目標は独り山に踏み込みヒグマを仕留めることだった。

「わかった。いつか山で死ぬんだって覚悟はしておく」と妻に言われた――ヒグマを獲りたいと願うようになり、わたしは山が怖くなった。これまで無防備に歩いていた山が、違うものに思えた。


『山のクジラを獲りたくて 単独忍び猟記』(山と溪谷社)を発刊した2019年に、新たに宿泊施設を開業するべく北海道稚内市に移住した著者の次の目標は単独忍び猟でヒグマを獲ることだった。人がつくった食べ物などを求めて人目を気にせず大胆に町中をうろつくアーバンベア化した個体ではなく、人間生活と交わらない山の奥に生きる孤高のヒグマを求めて、銃を携え独りヒグマが生息する山に踏み込む。

トラッキングやアプローチの失敗の数々、羆猟犬にするべく飼い始めた北海道犬「イチ」との出会いと別れ、西村武重や今野保、久保俊治など先達の羆撃ちが活躍した時代と自身の時代の比較、クマ研究者との交流、現代のクマ問題のこと、そして苦節、5年……待望の一頭に出会う。

角幡唯介氏、推薦!!
“猟人にとって熊とは運命だ。
ヒグマを獲りたいという思いを起点に生き方までねりあげてゆく。
なんと魅力的な狩猟だろう!”

■内容
はじめに

2020年
冷凍庫/ヒグマの足跡/山で死ぬのかもね/せめて狩猟は/藪の音/壁/退路/戻り足/ヒグマに追いつく/足跡の憂鬱/選択

2021年
藪に入らないとわからない/植物図鑑/娘がクマになる/追わないヒグマ/誰かのヒグマ/両輪/深雪のヒグマ/日高遠征

2022年
血統/牙/プロのトレーナー/夢路/イチの目/夜/1メートル

2023年
帰り道/あの日

2024年
根雪/単独忍び猟/山を読む/ヒグマの尻と寒波/またひとり日高へ

2025年
ヒグマを追って10日間式/いなくて大丈夫/ヒグマの山/野営狩猟/シカの死体/ビバーク/その瞬間は静かにやってくる/そのあと

おわりに

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 少し冗長な話だな、いつヒグマを撃つんだと思いながら読み進めていたら、2025年、シカの死体を見つけてからの緊張感はなんだ! ページを捲る手を止めることができない。心臓が激しく鼓動する。

 冗長な話ではなかった。2025年の狩りのために必要な、クライマックスに必要な、少し長い序章であった。

 ヒグマの単独忍び猟と野営狩猟。先日読んだ「バリ山行」そのままの山行、あるいは角幡の「地図なき山」の漂泊、そんな要素を持ちながら単独でヒグマを追う。

 神奈川から稚内へ移住、ゲストハウスを開業して生活の糧を得ながら、猟期が始まると鹿を撃って、冷凍庫をいっぱい成して食べる。ある時、ヒグマの足跡を見つけてしまう。その時から「すべてをヒグマ猟に捧げ、家族も、仕事も、人生もヒグマ猟を中心に回るようになっ」てしまった。そんな猟師の猟記。

 「ひたすらヒグマを食べた」「うちの7歳の娘も喜んで食べた」
「これ、くま?」
「そう、お父ちゃんが獲ったやつ」
「おいしい」
「妻も「ああ、すごい。おいしい」と呟きながら食べた。」
「「5年分のヒグマの味だ」と妻が言う。」

よかった!
 

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2026年10月23日

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