あらすじ
「犯罪者かどうかなんて知るか。俺の患者だ」
同僚の尊厳を守るため教授をブン殴り、
大学病院を追われた外科医・神志那士朗(こうじなしろう)。
職を失った士朗に舞い込んだのは、
刑務所で受刑者を診る医師”矯正医官”への誘いだった。
すべてのドアや引き出しに鍵がかかり、
医療者同士で名前を呼ぶことも避けられる。
これまでの病院とは全く違う環境に足を踏み入れた士朗を
さっそく待っていたのは、受刑者による刑務官刺傷事件。
十年を過ごした刑務所を出たくないと零す患者、
罪を犯した弟のために治療同意はできないと言われ、死に瀕している患者……。
塀の外からは「犯罪者を救うべきなのか?」と問われるが、
患者であり受刑者である彼らと向き合ううち、
士朗の瞳には再び医師としての矜持が宿る。
己の正義のためには力づくでも道を切りひらく
型破りなニューヒーロー、誕生!
『このクリニックはつぶれます!』の著者による、かつてない刑務所医療小説。
《もくじ》
一話 来訪者
二話 大和医療刑務所
三話 塀の外へ
四話 家族
五話 矯正医官・神志那士朗
六話 Dr. プリズン
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
牛島志季『ワル・ドクター 矯正医官シロウ』朝日文庫。
初読み作家。医師と作家の二足草鞋を履いているらしい。
タイトルとカバーイラストからどんな悪い医師が登場するのかと構えていたら、至極真っ当で真っ直ぐに我が道を行くという医師が主人公であった。
ストーリーも設定もなかなか面白い。恐らくシリーズ化されるのではなかろうか。
大学附属病院の同僚で、教授の虐めにより疲弊していた一色栄太の尊厳を守るために教授を殴ったことから、病院を追われた優秀な外科医の神志那士郎は教授の手回しにより他の病院からも採用されず、パチンコと酒に明け暮れる日々を送っていた。
ある日、そんな神志那の元を大和医療刑務所の所長が鳶野栄恵が訪れ、刑務所で受刑者を診る矯正医官に採用したいと申し出る。神志那は一度その誘いを断るが、友人である波土清司の意見を聞き、矯正医官の道を目指すことを決意する。
いざ医療刑務所に出勤した神志那は、全てのドアや引き出しに鍵が掛かり、聴診器やペンライトといった医療器具も机の上には放置出来ず、医療従事者同士も名前で呼ぶ事を禁じられ、余りの勝手の違いに戸惑う。
一筋縄では行かない受刑者の診療に当たりながら神志那は再び医師としての矜持に目覚めていく。
本体価格740円
★★★★