【感想・ネタバレ】ショート・セールのレビュー

あらすじ

女性プロ投資家 vs ハゲタカ経営者――。日本を代表する自動車メーカーの社長だった父を重度のうつ病に追い込んだ強欲プロ経営者と、その一味。彼らが再び暗躍を始めたことを知った投資ファンド女性副社長・樋熊令は、信頼する仲間と共に、世界経済のトレンドと矛盾を利用した一世一代の経済ゲリラ戦を仕掛ける。父の仇を討つべく、“怒れる熊”が市場に罠を仕掛ける。予見小説の雄が放つ、ジェットコースター展開のマネーゲーム!

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Posted by ブクログ

楡周平『ショート・セール』光文社文庫。

日本の自動車メーカーを巡るマネーゲームを描いた経済小説。

アメリカや中国といった大国の経済界のフィクサーたちは汚い手を使い、日本企業を食い物にしている。アメリカは自国ファーストを掲げるアタマのおかしな大統領が扇動し、日本企業に不利な条件を突き付けている。中国は日本の不動産を買い漁り、日本企業にも食指を伸ばしている。

主人公の投資ファンドの女性副社長である樋熊令が自分の父親を罠にはめた海外の悪質なプロの経営者に復讐を果たすというストーリーなのだが、リアリティが無く、爽快感も無かった。

楡周平は岩手県一関市の藤沢が出身というだけに作中には一時騒がれた岩手県のリニアコライダーの話題も描かれていた。


牛島と共に投資ファンドを経営する樋熊令の父親はかつて悪質なプロの経営者にはめられ、心を病み、入院していた。

そんな中、彼らが再び暗躍を始める。日本の自動車メーカーにプロ経営者を送り込み、EVへのシフトを口実にリストラ、工場閉鎖による遊休地を売却して株価の釣り上げを目論み、勝ち逃げを狙っていたのだ。

樋熊令は信頼する仲間と共に、世界経済の矛盾を利用した一世一代の経済ゲリラ戦を仕掛ける。


こういうTOBやM&Aなど自分が働いている会社には関係無いと思っていたが、それがいきなり降り掛かって来たのだから非常に驚いたという話を書いておく。

自分が働いている会社はニッチな分野でありながら、固有技術を武器に長年に亘り、世界シェア1位を維持している。数年前に持ち株制度が始まり、自分も毎月少額を投じて自社株を購入していた。毎月の購入額の他に奨励金や株の配当金などもあり、知らぬ間にかなりの株を保有していたようだ。

そんな中、突然、中華系企業がTOBを仕掛けて来て、それを阻止しようとホワイトナイトとして名乗りを上げた日本の有名部品メーカーとの間で忽ち株価の釣り上げ合戦が始まったのだ。

両企業の闘いは半年余り続き、最後に信じられない程、株価を釣り上げた中華系企業が勝利した。自分は5年間で奨励金や配当金を含めて僅か40万円程しか投資していなかったのだが、それが200万円になり、人生で初めての確定申告を行った。

現在では、中華系企業が親会社となった影響がじわじわと見え始め、会社は利益至上主義に変貌し、英語も必須となりつつある。元々、地元の高卒が多いのだが、上からの利益追求型のパワハラまがいの顧客無視の指示やら様々な制約や強制で退社する社員が増えている。

恐らくこの調子では、会社は後5年でダメになるものと思われるが、自分は後1年程で退職するのでまあ仕方が無いかと諦めている。

本体価格1,060円
★★★

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2026年09月20日

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