あらすじ
「知的職業」の半分が失業する時代。その危機をいち早く感じ取り、備えることのできる人だけが、生き残る。本書は、来たるAI時代に活躍する人材となるために必要な「能力」とは何であり、その「能力」をどのようにして磨けばよいかを語ったもの。これからのAI時代には、学歴社会で重視された「知識修得力」や「論理思考力」といった能力の価値は急速に陳腐化していく。その代わり、「職業的能力」「対人的能力」「組織的能力」という3つの能力が、AIに代替されない人間だけが発揮しうる高度な能力として、大きな価値を持つようになる。では、この「3つの能力」をどのように身につけ、磨いていくべきか。本書では、これらの能力を支える「6つの力」を明らかにし、その力を高めていく方法を、具体的に述べる。「AI失業」という言葉に漠然とした不安を抱く、すべてのビジネスパーソンに読んでほしい1冊。 ●「AI革命」の嵐は、想像を超えた失業を生み出す ●なぜ、高学歴者に「活躍する人材」が少なくなったのか ●自分の中の「知識」と「智恵」を明確に区別しているか ●AIが苦手な「言葉を使わないコミュニケーション」 ●人間だけにしかできない「究極のマネジメント」とは 他 「いま、世の中を見渡すと、多くの書籍や雑誌が『AI失業』について語っている。AIの導入と普及によって、どのような職業がAIに置き換わっていくか、どのような職業の人間が失業することになるかを述べている。しかし、それらの書籍や雑誌は、これからAIによって、どのような職業が淘汰されるかについては、様々な形で語っているが、では、これからのAI時代において、『淘汰されない人材』となり、さらには『活躍する人材』となるためには、どのような能力を、どのようにして磨いていくべきかについては、あまり語っていない。そこで、本書においては、これから、そのことを語ろう」(本書「序話」より) 新時代のプロフェッショナル論として大きな話題を呼んだ書籍、待望の文庫化!
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Posted by ブクログ
平成なマネジメントに疑問を感じていた新米管理職に響く内容でした。自分がぼやぼやっと想像していた令和のリーダー像が言語化されていて、すっきりしました。上司と自分の理想のマネジメントが違う事に不安を感じた時はこの本に戻ってこようと思います。
Posted by ブクログ
・本書は、AIの普及による、知的労働者の大量失業危機を分析するとともに、AI時代に求められる人材のイメージを描いた書である。
・要は、どのような能力をもっていれば、AI時代に生き残れるのかを語っている書である。
・能力とは、単なる業務の遂行能力ではなく、AIに代替されない、より高度な人間的な能力を云う。
氏のメッセージは、次のとおりです。
「これからのAI時代に到来する『AI時代の危機』を読者諸氏が、文字通り『機会』へと転じ、さらには『好機』へと転じ、『3つの能力』を磨くことによってこれまで以上に、『活躍する人材』になっていくことを、切に祈りたい。これから始まるAI時代、さらなるご活躍を」
■重要なテーマ
①能力の急速な陳腐化
社会・市場・産業や、職業の変化によって、修業時代に身に着けた能力が急速に陳腐化してしまう
②学歴社会の崩壊 学校教育で生み出される人材が、必ずしも、社会が求めている人材とは言えなくなっている。
イノベーション力、ネットワーキング力、リーダシップ力
現在のわが国の教育制度は、こうした高度知識社会に必要な人材を育成していないために、
学歴に甘んじることなく自らがこうした高度な能力を身に着けていく必要がある
③AI時代の到来
これまでの業務が、AIによって代替されていく
■AI革命の嵐
・淘汰され、生滅した職業の人に共通の特徴とは、持つべきときに、持つべき危機感を、持たない
・「自分の仕事は不要になる」との危機感を持つ人こそ活躍する
・AI革命の嵐の中で、淘汰されてしまう可能性の高い人材は、「高学歴の人材」である。
・理解すべき点は2点 ①人間に求められている能力は何か ②AIが代替していく能力は何か
■5つの能力
①基礎的能力 知的集中力と知的持続力
②学歴的能力 論暦的思考力と知識の習得力 文献的知識
③職業的能力 直観的判断力と智恵の体得力 智恵とは言葉で表せることができないもの
④対人的能力 コミュニケーション力とホスピタリティ力 非言語能力
⑤組織的能力 マネジメント力とリーダシップ力
■人間がAIにかなわない4つの能力
①無制限の集中力と持続力
②超高速の論理的思考力 (これは「アルゴリズム」ということをいっていると理解)
③膨大な記憶力と検索力 ⇒知識が価値を失うようになった
曖昧検索、類推検索、関連検索 もAIの能力
勘の良い秘書や、執事もAIが代替、知識の習得力、専門的知識もAIに置き換わっていく
④分析力と直観力 ディープ・ラーニングとビッグ・データが直観的判断力を代替していく
・5つの能力のうち、次がAIが代替してしまう可能性のある領域
①基礎的能力 知的集中力と知的持続力
②学歴的能力 論暦的思考力と知識の習得力 文献的知識
③職業的能力 △直観的判断力
・現実に目の前にあるのは、それが合理的であるならば、社員を解雇してでもAI導入に向かう「資本の論理」である。
・資本主義が、現在のような貧富の格差拡大と弱者切り捨てを容認する者である限り、人間働かなくてもよく、ベーシックインカムで生活ができるような「理想郷」は決してやってこない。
・余裕を失ってしまっている企業は社員の「再教育」にコストを投入することで社員を「AI失業」から救ってくれることはない。
だから、AIによって代替できない「高度な能力を持つ人材」への再教育できるのは、自分自身しかない。
・「ピンチ」は「チャンス」であり、「危機」という言葉には「危険(risk)」という言葉と「機会(opportuniry)」という対極の言葉が含まれている。
■これから淘汰されずに生き残る3つの能力とは
・AIが代替できない能力
①クリエイティビティ(創造力)
②ホスピタリティ(接客力)
③マネジメント(管理力)
・5つの能力のうち、つぎの3つ
③職業的能力 直観的判断力と智恵の体得力 智恵とは言葉で表せることができないもの
④対人的能力 コミュニケーション力とホスピタリティ力 非言語能力
⑤組織的能力 マネジメント力とリーダシップ力
■「学歴社会」はすでに崩壊している
・「求められる人材」
人材市場において、ニーズがあり、職に就ける人材
・「活躍する人材」
自分が働く企業や組織、職場や仕事において、リーダーシップが発揮できる人材
・「職業的能力」「対人的能力」「組織的能力」という3つの能力を身につけ、磨いていないかぎり、実社会で活躍することはできない
・3つの能力いずれにおいても「核」となる能力、それは、「人間関係力」である。それは、仕事において関わりを持つすべての人々と、良好な関係を築く能力である。
・高学歴だから、リーダーシップがあると考えている人事部もないし、高学歴だから、出世が約束されている会社など存在しない。
■③職業的能力
・経験や体験を通じてしか掴めない「体験的智恵」であり、AIによって容易に置き換えられない能力
・単なるスキルや、テクニックだけではなく、「技術」と「心得」という2つの能力が組み合わされたもの
・「心得」とは、マインド、ハード、スピリット、パーソナリティと呼ばれるもの、心構え、心の姿勢、心の置き所と呼ばれるもの
・スキルだおれ 「技術」だけでなく、「心得」を同時に身につける必要がある
・本を読めばスキルやテクニックが身につくという幻想を捨てる。⇒本を読んだだけでは、「職業的能力」は身につかない
・知識と智恵を明確に区別しているか。「知識」とは言葉で表せるもの、文献的知識、形式知、「智恵」とは言葉で表せないもの、体験的智恵、暗黙知。
・われわれは語ることよりも、多くのことを知ることができる。
・初級課程 智恵の棚卸と課題克服の努力 中級課程 智恵の体得法を身につけること
・経験だけでは、智恵は身につかない。経験を体験まで深めてないから。そのためには、「反省」をすることである
・反省の進め方 「技術」の振り返り、そして「心得」の振り返り
「直後の反省対話」商談、交渉の直後に上司、同僚と振り返りと反省を行う
「深夜の反省日記」
・最高のスキルやマインドの取得 すぐれた「師」との出会い、模倣と体得による「智恵の伝承」
■④対人的能力
・コミュニケーション力 相手の考えや気持ちを深く理解する力、相手に自分の考えや気持ちを円滑に伝える力
・コミュニケーションの8割は、言語ではなく、目、表情、面構え、仕草、身振り、姿勢、ポーズなどによる
・AIには決して真似できない「共感力」
・共感力とは、相手の共感を引き出すのではなく相手に深く共感する力
・共感力とは、同情や憐憫を行うことではなく、相手の姿が自分の姿のように思えること
・苦労の経験がなければ、苦労している相手に共感はできない、「若い頃の苦労は、買ってでもせよ」
・最善を尽くして、それでもなお与えられた苦労は、我々の成長のために与えられたものだ。
■⑤組織的能力
・管理業務については、その多くがAIに置き換わりつつある。人間にしかできない「究極のマネジメント」とは「心のマネジメント」である
・心のマネジメントとは
①共感協働のマネジメント
②働き甲斐のマネジメント
③成長支援のマネジメント
・現在起きているのは、古い「操作的マネジメント」から、「創発的マネジメント」へのパラダイムシフトである。
部下やメンバーを「操作しよう」とせずに、彼等の自主性を大切にし、その自発的行動を支援することにより、新たな技術・商品・サービス・ビジネスが創発的に生まれてくることを促す
・「心のマネジメント」とは、部下やメンバーの心を、マネージャーやリーダーの都合のより方向に変えていくのではなく、部下やメンバーの視点にたち、その心が自然に互いの共感力を高めたり仕事に働き甲斐を漢字たりできるように支援すること。
・成長支援とは、カウンセリング、コーチングと呼ぶべき仕事である。
・ただ聞くのではなく、聞き届けること 話を聞くことで、その人にとっての真実を聞くということである。
・聞き届けとは、その部下の言い分をそのまま鵜呑みにするということでもなく、その言い分に従って、なにかの判断を下すということでもない。
・聞き届けることによって、苦しんでいる部下やメンバーの姿に、一人の人間として共感するということである
・この人といっしょに仕事がしたい、そのために求められる力とは
①信念をもって魅力的な「ビジョン」と「志」を語る力
②誰よりも強く「成長への意欲」を持つ力
③メンバーの持つ「可能性」を深く信じる力
・21世紀のリーダは
①「必ず我々のチームはこの仕事を成し遂げられる」という強い信念をもっていなければならない。
②いかなる成長の壁に突き当たってもそのメンバーの「人間としての可能性」を信じ、部下やメンバーが必ずその壁を越えて成長していけると信じなければならない。
③部下であっても、目の前の人間に対して、敬意をもって処するという姿勢をけっして失うべきではない。
目次
序話 なぜ、いま、能力を磨かねばならないのか
第1話 「知的職業」の半分が失業する時代がくる
第2話 「学歴社会」は、すでに崩壊している
第3話 AI時代に求められる「職業的能力」とは何か
第4話 AI時代に求められる「対人的能力」とは何か
第5話 AI時代に求められる「組織的能力」とは何か
終話 「AI失業」という危機は、能力を磨く絶好機
謝辞
さらに学びを深めたい読者のために
ISBN:9784569902951
出版社:PHP研究所
判型:文庫
ページ数:256ページ
定価:760円(本体)
発行年月日:2023年01月24日