あらすじ
水面下で何かが進行している学校新聞の検閲、昼休みだけの部活、校則にない暗黙のルール……
この学校、なんか変。
映像化続々! 業界注目度No.1の「名もなきモヤモヤ」を見える化する異色作家、今度の舞台は社会の縮図「学校」
「教師も生徒も保護者も、自分がどういう状況に置かれているのか、わかっていないと思いますね」
「要求をのまなければ生徒に危害を加える」
発端は、市内にあるすべての高校に届いた脅迫状だった。警察は捜査に乗り出すが、一校だけ脅迫状が届いていない高校があった。
なぜその高校だけ届かなかったのか?
刑事が探るうち、その高校で行われている不気味な「教育」が明らかになっていく。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
市内にある複数の高校に届いた脅迫状。
警察は捜査に乗り出すが、ただ一校だけは脅迫状は届いてないと言う…
何故なのか?
届いてないという長澤高等学校が母校である加賀美刑事は、直接学校へ行き校長に会うことに…。
違和感が残る。
見えないモヤモヤが何なのか。
これまでの校長の経歴を辿ったり、学校内での事件・事故などを探っているうちに見えてきたものは…。
西山玲子校長が、とんでもない人物だということがわかる。
言いなりになる配下を使って邪魔な者を排除していく。
学校の方針に従わない者がいるのが我慢ならないとは、これが上に立つ者なのかと怖気を感じた。
校長がというよりも、それ以前に母であったということも驚きである。
母校という言葉を使うことは滅多になく、悲しいかな、小・中・高と校長先生の記憶はない。
Posted by ブクログ
『母校』という言葉は、大体、その時代に良い思い出がある人が使う言葉だと思っている。
私は、大学以外の学校生活に良い思い出を思い出せない人間だから、母校という言葉を使ったことがあったかなとタイトルを見た時に、ふと考えた。
佐野さんの作品は、『誰かがこの町で』『氾濫の家』と、人間誰しも抱えている後ろ暗さが、表面に出てしまった人間を描いた作品を描くのが上手な方だと感じていて、好きで楽しみにしていた。
私は凄く好きな作品だった。
受け取る言葉の表裏に何の疑問を持たず、言われた通りに動くことは楽なのかもしれないけれど、何も考えずに動くことの怖さに気付かない集団を外から見た時の怖さが素晴らしかった。
学校を出たら社会。
搾取されるばかりで終えたくない。
ただ暗いだけではなく、その中でも繋がりが上手く描かれていて、気分良く読み終えた。
Posted by ブクログ
近年、SNSやショート動画が選挙など政治に大きな影響を与え、ひいては民主主義の劣化につながっているのではないかという説がある。
常々、なぜ(それがやたら大量に流れてきていても)そんなものが自分の考え、思想にそこまで影響を与えるのだろうかと思っていたけれど
なるほど、この作中の学校程ではないにしろ
今、私達は「何も考えずに偉い人(=権力者)に言われたことを素直に実行する事が自分の利益に繋がる=コスパのよい人生」みたいな教育をあっちこっちで受けているのかも。
そして「全く無意識に長いものに積極的に巻かれる」人を大量に生み出しているのかも。
生徒は野心のある大人の「駒」ではないし
教育はコスパで測ってはいけない。
権力者の経歴詐称も既視感あってなんだかなぁとほどほど情けないし、
玄くんのような生徒が文字通り抹殺されてしまう世の中になってしまいそうなのが嫌だな。