あらすじ
「さみしい」とは何だろう。ファミレス、マッチングアプリ、惑星、ネットサーフィン――日常の風景には、多彩で微細なさみしさが潜んでいる。それらの身近なモノや風景を手がかりに、新世代の美学者がその感覚をとらえなおし、「さみしい」気分のとき、世界がどのように立ち現れるのかを考えていく。「いいさみしさ」とは、また、「わるいさみしさ」とは何かを探求する。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
さみしさと日常をテーマに、あらゆるもののさみしさの理由が言語化されてゆく。
全10項ほどあるため、難波さんの思考手順がトレースでき、「哲学はこう展開していけばいいのか」と参考になった。
「おわりに」では、まだ挙げられていない数々の「さみしさ」を読者自身が考えていくよう要請されている。
自分の場合は、ウイスキーにさみしさを感じる。本書の読書体験を通じ、そのさみしさの理由を自ら思考し、言語化ができるようになったことが、大きな収穫だ。
Posted by ブクログ
どこか「乱暴で自己満足的」とも思える強い語り口に感じた。しかし読み進めるうちに、それ自体が著者の織り込み済みの戦略なのではないかという思いに至る。
「さみしさ」という感情は、本来どこまでも個人の主観に根ざしたものである。客観的な数値や定義で測れるものではなく、一律の解釈など与えようがない。本書で語られる論理や説明は、どこまで行っても著者の持つ知識・経験・語彙の範囲だからこそ、「乱暴」「著者の自己満足」と違和感を覚えるのは当然であり、著者はその批判や限界を理解した上であえて論を投げかけているのだろう。主観をどこまで言語化できるかという、ひとつの果敢な試みとして味わい深い一冊だった。