【感想・ネタバレ】首相支配―日本政治の変貌のレビュー

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Posted by ブクログ

橋本さんの業績に対して大きな誤解をしていた。
マスコミが植え付けるイメージと実態とのギャップに、今更ながら驚く。
しっかり情報を精査しないとね。

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2016年07月26日

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ネタバレ

小選挙区制・比例代表並立制のもとで、選挙戦は政党間の争いを中心に行われることになった。比例区では、有権者は政党に投票するので、これは無論のことである。小選挙区では各政党は一人しか候補者を立てず、有権者は候補者がどの政党に所属しているかを大きな判断材料として投票する。p37

小渕内閣とその後の森内閣は、自民党の伝統的派閥政治が完全復活したかのように見える。p104

首相の地位を獲得・維持するうえでは、派閥の支持よりも、世論の支持を得ることが何よりも重要になりつつあった。派閥の力は確実に弱体化し、この裏返しとして、首相が総裁として持つ権限は強まっていったからである。p138

【2001年に実施された行政改革】
内閣府や経済財政諮問会議の設置は、首相の権限を拡大させるうえで、大きな意味を持った。p141

新しい選挙制度では、無所属として当選することが難しくなったため、総裁は個々の政治家の生殺与奪権を持つといっても過言ではない。総裁は公認権を利用して、自分の意向に従うように自民党の政治家を牽制することができるようになったのだ。p151

「聖域なき構造改革」p160

「骨太の方針」p162

青木幹雄「参院は首相の解散権も及ばない。内閣はしっかり支えるが、言いたいことは言うというのが基本線だ」p200

「改革をとめるな」をキャッチフレーズに、郵政民営化への賛否を唯一最大の争点として、総選挙を戦い抜こうとする。参議院議員の世耕弘成が中心となる「コミュニケーション戦略」チームまで立ち上げ、広報戦略にも万全を期す。p235

政界の奇跡としての「郵政事業の民営化」p236

【55年体制から2001年体制へ】
1. 政党の間で競争が行われる枠組みが定まった
2. 首相の地位を獲得・維持する条件が変わった
3. 首相が保持する権力が強まった
4. 行政機構の姿が一変した
5. 参議院議員が保持する影響力が増した p238

【55年体制とは?あらためて】
1. 衆議院の選挙制度は中選挙区制であり、主要な政党は自民党とそのライバルであった社会党であった
2. 首相の地位を獲得・維持する条件として重要であったのは派閥から支持を獲得することであった。首相=自民党総裁が「選挙の顔」として有権者にどの程度アピールできるかは重視されていなかった
3. 首相はほかの派閥から制約されたため、強い権力を振るうことは難しかった。首相がどの程度の権力を振るえるかは派閥の領袖として保持する実力に左右され、自民党総裁としての権威や法律によって首相に与えられる権限は
重要ではなかった
4. 行政機構としては、20を超える省庁が存在し、そのなかでは、予算、税制、金融という主要経済政策を担当する大蔵省が大きな権限を誇っていた
5. 政治過程の中心にいるのは、政権を成立させる面でも政策を立案する面でも、衆議院議員で、参議院議員の影響力は薄かった p240

【2001年体制の特徴】
1. 衆議院の選挙制度は小選挙区・比例代表並立制であり、主要な政党として自民党と民主党が競い合っている。この二党に加え参議院で法案の成否を握る公明党が影響力を保っている
2. 首相の地位を獲得・維持する条件として重要なのは世論から支持を得ることである。小選挙区・比例代表並立制では、政党本位の選挙戦が行われるため、「選挙の顔」として首相の人気が与党の戦績に直結するからである。この反面、派閥の支持はもはや重要ではなくなっている
3. 首相の権力は自民党総裁としての権限や首相としての権限に支えられ、強いものとなった。一方、自民党内では、派閥が弱体化し、派閥の領袖としての実力は、首相の権力を左右する条件ではなくなった。ただ、世論からの支持が、首相が権力を存分に行使できるかどうかを左右するようになっている
4. 行政改革の結果、行政機構の姿は一変し、一府十二省庁に再編された。現在の行政機構には三つの特徴がある。第一に、内閣府が大きな役割を果たしていること。第二に、行政改革の過程で旧大蔵省の機能が、財務省、金融庁、日本銀行、内閣府の四つに分割されたため、旧大蔵省=現財務省の権限が縮小した。第三に、本書では必ずしも十分議論できなかったが、総務省、国土交通省、厚生労働省という巨大省が誕生し、政策決定過程のなかで発言権を高めている
5. 参議院議員の影響力が高まった。1989年や1998年の参議院選挙におけふ自民党の敗北や派閥の弱体化がきっかけとなって、1990年代を通じて自民党の参議院議員は政治過程における影響力を高めたのである。p242

2001年体制は集権的なたいせなのである。この体制のもとで、首相はほかの政治家や政治組織に対し、非常に強い地位を獲得し、「首相支配」と呼べる状態がつくりだされている。p242

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2013年10月01日

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ネタバレ

[ 内容 ]
細川連立政権崩壊から一〇年以上が過ぎ、日本政治は再び自民党の長期政権の様相を呈している。
しかしその内実は、かつての派閥による「支配」とは全く異なる。
目の前にあるのは、一九九〇年代半ばから進んだ選挙制度改革、政治資金規正法強化、行政改革などによって強大な権力を手にした首相による「支配」なのだ。
一九九四年以降の改革のプロセスを丹念に追い、浮かび上がった新しい日本の「政治体制」をここに提示する。

[ 目次 ]
序章 新しい政治の幕開け
第1章 自民党の政権復帰と新進党の結成
第2章 橋本内閣と行政改革
第3章 新進党の崩壊と民主党の台頭
第4章 小渕恵三・森喜朗内閣―過渡期の政権
第5章 小泉純一郎と首相権力の確立
第6章 参議院という存在
第7章 郵政民営化と権力の行使
終章 権力の一元化と二〇〇一年体制の成立

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年03月30日

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『首相支配―日本政治の変貌』(竹中治堅、2006年、中公新書)

本書は、55年体制以降はじめて自民党が下野した細川政権の頃から、小泉首相の郵政解散までの日本政治史を詳細に研究した書である。この間の政局や政界再編の流れを詳しく見ることができる。

(2010年5月17日 大学院生)

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2010年05月17日

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小泉政治をどのように評価するか、というのは非常に難しい問題だが、この本では、その意義が明確に描かれている。小選挙区制・省庁再編と大蔵省解体によって出来上がった「制度」を最大限に活用した最初(で最後?)の首相としての小泉純一郎。それが単純なポピュリズムにしか見えないのなら、そんな国にこの制度は不要だ。
しかし、「日本政治の変貌」と銘打ったものの、実際には首相や大臣のリクルートメントやトレーニングが追いついていないことがすでに「小泉後」によって明らかになった。それをどうするか、は明確な回答がない。
著者のように、海外でトレーニングを受けてくる、といったことが文系の学問では未だに盛んである(すでに理系は「日本で英語の論文を書く」事が出来るのだが)。まさか古代ローマのように、政治家も留学してくるのがいい、なんてね。あ、安倍氏も麻生氏も一応留学組か(笑)

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2009年10月07日

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これは分かりやすいし、面白いですよ!!総選挙や総裁選やら、そういう政治のイベントに物を申したい人のうち、僕みたいにあまり物を知らない人はこれを読むべきです。簡単に言うと、小泉政権は今までとどう違っていて、どうやって確立されたのか、ということが書いてあります。彼は55年体制を意識して、2001年体制と名づけた上で、小選挙区+比例代表であること、派閥が弱くなって首相の権力が強くなったこと(公認権と政治資金配分において)、大蔵省が弱くなったこと、参議院が強くなったこと(ただし小泉が裏技を発明した)・・・あれ、あとなんだっけ?手許にないから分からん。これらは全て互いに結びついているわけです。参議院の影響力が強くなったのはどういうわけかについて知らなかったので勉強になりました。また、橋本政権が新進党のもたつきに乗じて政治改革を行ったおかげで今の小泉体制ができたって話も相当面白かったです。政策というより政局好きな僕にとってはたまりませんでした。これくらい簡単だと僕でも面白いです。

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2009年10月04日

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自分が学生時代からの政治の動きがわかりやすくまとめられていて参考になった。
「田中角栄」からこの本で「小泉純一郎」までの流れ。この次は、民主党政権から第二次安倍政権までの流れがわかる新書はないものか?

(108)

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2018年10月12日

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小泉首相が、あんなにリーダーシップを取れていた理由が解けて面白かった!即ち、法改正によって、人と金を握る人物が首相になったから。また、首相になるにあたり、それまでは派閥の力が必要だったのが、国民の人気が必要になったというのも面白かった。確かに、属人性だけであんなに強権を振るうのは無理があるよな。
と、責任と権力の所在が一致しているのが良いというのも、眼から鱗だった。

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2016年07月28日

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小泉政権が、なぜかくあり得たか。選挙制度の変遷と、首相の支配力の強化を平易な言葉で分かりやすく示した解説本。読みやすく分かりやすい。

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2015年06月28日

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小泉政権で首相のリーダーシップが叫ばれたが、それは細川政権の選挙制度改革、政党補助金、橋本政権の行政改革、加藤の乱などの歴史があってこそ、首相に権力が集中し、世論を味方につけた政治が可能であったことを証している。

ただし、歴史的にはそこで終わっているのが問題である。

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2012年11月03日

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現・政策研究大学院大学准教授の竹中治堅による55年体制以後の政治過程論概説。

【構成】
序 章 新しい政治の幕開け
第1章 自民党の政権復帰と新進党の結成
 1 細川内閣の崩壊
 2 自社さ連立政権
 3 新進党への結集
第2章 橋本内閣と行政改革
 1 新進党の脅威と自民党総裁選
 2 第一次橋本内閣
 3 始動する橋本行革
 4 大蔵省の機構改革
第3章 新進党の崩壊と民主党の崩壊
 1 揺れる新進党
 2 新進党の解散
 3 新・民主党の誕生
第4章 小渕恵三・森喜朗内閣-過渡期の政権
 1 1998年の総裁選
 2 本格政権化と突然の終焉
 3 「加藤の乱」と公認権
第5章 小泉純一郎と首相権力の確立
 1 2001年の総裁選
 2 強まる自民党総裁の権限
 3 「聖域なき構造改革」
 4 与党審査制への挑戦
 5 経済財政諮問会議の二重構造化
第6章 参議院という存在
 1 日本国憲法と参議院
 2 1989年以降の影響力拡大
 3 首相の限界
第7章 郵政民営化と権力の行使
 1 郵政民営化とは何か
 2 法案化と反対派の抵抗
 3 衆参両院での審議
 4 「郵政解散」と首相の権力
終 章 権力の一元化と2001年体制の成立
 1 55年体制から2001年体制へ
 2 新体制の成立と定着
 3 歴史的意義

 既に何人もの人がレビューで述べているように本書の結論は、1993年以降の政治改革・行政改革によって、2001年体制が成立し、その体制の特徴は以下の5つであると主張する。

 1、政党の間で競争が行われる枠組みが定まった
 2、首相の地位を獲得・維持する条件が変わった。
 3、首相が保持する権力が強まった。
 4、行政機構の姿が一変した。
 5、参議院議員が保持する影響力が増した。
 
 55年体制が崩壊した1993年、それ以降の流動的な政治過程についてどれほどの人が正確に記憶しているだろうか?本書はそのような曖昧模糊とした記憶に対して、2001年に至る明瞭な道程を提示している。ジャーナリズムでは小泉純一郎という人物のパーソナリティやカリスマ性、あるいは独断専行的な所行に目を奪われて、それ以前に醸成された構造変化については言及されることが少なかった。その意味で、本書の第2章の橋本行革、第6章の参議院の影響力拡大の視点は興味深かった。惜しむらくは、橋本行革による大蔵省改革と小泉政権時の経済財政諮問会議との連関性への言及が十分でなかった点であろう。
 「2001年体制」というものが実際に確立されたのかどうかは、今後の政治過程の動向を見極める必要があるが、「ポスト55年体制」を語る概説としては非常にわかりやすくまとめられている。

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2011年04月09日

Posted by ブクログ

派閥領袖による権力分立時代からいかにして首相権力が強まり、小泉政権に象徴される"強いリーダー"が生まれたか、その原因・過程を示す。
予備知識としては、細川・羽田政権、そして村山政権で自民党が政党復帰する周辺の動き(小沢離党など)に詳しいと面白く読める。

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2011年02月14日

Posted by ブクログ

本書の要約
 一般的に一連の小泉改革は彼個人の人気・指導力によって為されたという認識が強い。しかし本書は一般的認識とは別の観点から、なぜ小泉改革が可能であったのかを説明する。著者はいかにしてポストとしての首相・自民党総裁は強大な権力を手にし、「首相支配」が実現されたかを細川政権以降の国内政治を詳しく振り返ることによって描き出している。著者は首相支配を可能たらしめた三つの要素を提示する。

 第一に選挙制度が中選挙区制から小選挙区制に変わったこと(これは90年代前半に日本中を覆った政治改革旋風を「権力の維持のみを目的とし、そのためにはあらゆる手段をとるという自民党」(山口二郎「戦後政治の崩壊」より)が利用したため実現した)により、党の公認を受けられるかどうかが政治家にとって死活問題となったことである。かつては”Under LDP rule, party fragmentation was one reason why political system was more decentralized than European counterparts”(Bradley Richardson Japanese Democracyより)と表現された派閥が無力化し、党内の権力が総裁に集中することとなった。

 第二に橋本行革によってもたらされた、法律改正による首相権限の強化である。これにより経済財政諮問会議や郵政民営化準備室などかつて管轄外であった事項も首相が直接指揮できるようになった。
第三に総裁選での地方票が増えたことにより世論の支持が自民党総裁にとって重要な要素となった。
以上の「公認権」「行政改革」「世論の支持」という三つの鍵概念を使うことによって著者は、小泉以降の首相も強大な権力を発揮できるであろうと主張する。

著者の陥った陥穽
 しかし著者の予想は大きく外れる。2008年11月現在、小泉以降安倍、福田、麻生の三人が首相の座に就いたが、いずれも著者が予想に反して首相の強いリーダーシップは発揮されていない。内閣人事局設置は停滞し、郵政造反議員は復党し、(08年度公共事業費削減幅を明記しないなど)骨太の方針は骨抜きであると言われている。三人の首相が重点を置いた政策を見ても、安倍の国民投票法までは良かったが、福田の消費者庁は迷走し、麻生の給付金では閣内不一致を国民に印象付けた。ではなぜ著者の予想は外れたのか。

 私が思うに著者の失敗には二つの要因がある。第一に歴史解釈の無理である。本書の議論は「55年体制」が93年の自民党下野で終わり、94年の政治改革法案に始まる移行期を経て小泉の首相就任を以て「20001年体制」の成立、2005年総選挙を以てその定着という、著者の恣意的な歴史解釈に基づく。著者はあたかもヘーゲルが「歴史の究極目的は自由である」として歴史を認識したのと同じように著者は「細川政権以降の日本政治史の究極目的は首相支配である」として本書を著している。それはある意味とてもわかりやすい。著者の立てた命題に沿った事実のみ、あるいは沿うような解釈を施した上で政治現象の歴史を述べれば全体が一本の筋を通した様に描くことができるからだ。命題に沿わない事実は取り上げなければ良い。多かれ少なかれ社会科学の文章にはその様な性格が避けられないが(社会をあるがままに描くのは不可能)、それにしても本書はそれが強すぎたのかもしれない。現実に起きていた制度改革は小泉の様な人物が用いて初めて効果を発揮するものだったのかもしれないが、その要素を著者はそれを見落とした、或いは意図的に無視した。

 第二に、2005年の総選挙を以て定着とするのはあまりに時期尚早である。今現在に至るまで著者の言う「2001年体制」が成立してからわずか二回しか総選挙は行われていない。著者が「55年体制」という言葉を広めた人物として言及した升味準之輔も三回目の総選挙が終わってから発言していること(58、60、63年に総選挙、64年発表)も考えれば、せめて次の総選挙の行方を見てから断言してほしかった。小泉の個人的能力を過小評価しすぎ、制度面での変更に重点を置きすぎた結果の言わばフライングである。

本書の有用性
 では本書は読むに値しないかと言うと、断じてそうではない。本書で詳しく説明されている細川政権以降になされた一連の改革は今も生き続けている。そのためもし今後の首相が小泉の様に絶大な権力を発揮して日本を動かしていくことになれば、安倍・福田・麻生も首相支配に反して次期首相の反動となった、として小渕・森と同列に扱われる日が来るかもしれない。安倍・麻生が大衆的人気を背景に選出されたことも考えると大きな目で見れば「細川政権以降の日本政治史の究極目的は首相支配である」という歴史の一部に組み込むことも不可能ではない。著者の説が正しかったと証明された時、本書は55年体制以後の政治改革の過程を仔細に描かれた良書となる。

 また安倍以降の首相がどうであろうと、小泉が郵政民営化を始めとする大胆な改革を行ったという歴史的事実は変わらない。小泉のポピュリズム政治家的要素からの分析とは全く別の側から、つまり細川政権以降続けられてきた一連の制度改革こそが小泉改革を可能にしたという議論は、制度変更は誰の目にも明らかであるため非常に説得力がある。小泉政権に限っては新制度を存分に活用して自らが重点を置く政策を進めることができたが、新制度を小泉以外の首相が活用できるかどうかは未だ謎であると言える。

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2010年06月07日

Posted by ブクログ

小選挙区制導入、内閣強化、自民党総裁選における予備選導入から小泉政権の「成功」、とりわけ郵政民営化実現に至る過程を物語風に解説。あんまり細かいこと書かずにザックリと内閣機能の強化についてまとめた本なので、類書の中では最も読みやすい。首相個人の人気や能力が政権の基盤に直結するようになったため、能力のない人が首相になったら悲惨という指摘はまさにその通り。

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2016年08月16日

Posted by ブクログ

2009年の政権交代までの現代日本政治史のテキストとして最適。政治改革、行政改革の影響と参議院の果たしている役割を盛り込んで、1990年代以降の日本政治の変貌を分析し、首相の権力が強まる過程を明らかにしている。
各章のはじめに、その章のまとめ、情景描写や政治家の発言を多用するなど、議論をわかりやすくする工夫がなされており、読みやすい。
政治家改革、行政改革による首相への権力集中という側面は筆者のいうとおり間違いなくあるが、小泉内閣後の政治の流れを見ると、やはり首相のリーダーシップには「制度」より「人」の要素が強いのではないかという気はする。

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2013年02月07日

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