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Posted by ブクログ
「ほら穴に生きた人々~マテーラ~」
おもしろかった『恋する西洋美術史』の著書が贈る、イタリアの都市の豆知識。1章数ページで読みやすかったが、情報が少ない分、もっと知りたい!という欲求も出てきた。特に衝撃的だったのはマテーラという町。戦後まで洞窟の中に住んでいる人がいたという。洞窟の中の生活は不衛生で不便だったそうだが、その人口は最盛期には1万人にも達したらしい。イタリアといえばローマ時代、そして現代の発展した姿を思い浮かべてしまうが、このような都市があったことに驚きを隠せなかった。他にも塔がたくさんある町など、行ってみたくなった場所がたくさん。写真満載の一冊で、旅行前に再読したいと思った。
Posted by ブクログ
美術史家の池上さんの作品。というかお名前初めて伺いましたが。
タイトル通りの作品。エッセイというには内容が濃い読み物ですが、一章一章は十数分で読めてしまう気軽なものです。
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やはり良さというと、想像を掻き立てる、行ってみたくなるという事でしょうか。
収録されている24の地域を挙げますと、サン・レオ、アッシジ、ヴィンチ、ティヴォリ、シラクーザ、タオルミーナ、ヴェネツィア、ルッカ、マントヴァ、フェッラーラ、カノッサ、フィレンツェ、ボマルツォ、オルヴィエート、シエナ、ヴィチェンツァ、ペルージャ、ローマ、ヴェローナ、アマルフィ、サン・ジミニャーノ、チェファルー、マテーラ、パレルモ、です。
おそらく多くの普通の日本人は、この中でご存じな町は精々4つか5つくらいなのではないでしょうか。でも、これだけ多くの世界遺産、素敵な町、その背後にある芳醇なストーリーがあるのに、日本人に知られていないのは実に残念な話です。
一例を申し上げましょう。
難攻不落のカリオストロ牢獄に幽閉された自称カリオストロ伯爵は詐欺師だったとか(サン・レオ)、レオナルド・ダ・ヴィンチはフィレンツェ上流階級の非嫡男と生まれ農村で育てられたとか(ヴィンチ)、教皇アレクサンデル6世の子として生まれ3回の結婚を経て世を去ったルクレツィアの話(フェッラーラ)など。あと、当時絶世の美女とうたわれたシモネッタの肖像画各種(フィレンツェ)とか。
こういう話を聞いたらちょっと行ってみたくなりませんか?
ま、これらにピンと来る方ならば、イタリアに行こうが行くまいが読んで損はないでしょう。
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逆に言うと、行く予定もなく、イタリア好きでもない方にはうまく刺さらない可能性があります。
普通の一般的日本人は上記のなかでローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアあたり知っていると思います。世界史を頑張った方は、シラクーザ、パレルモ、カノッサあたりは名前は憶えていると思います。サッカー好きはペルージャはご存じでしょう。
でもこれ以上は厳しい(良く知らない)のが実情だと思います。
そうした意味では、やはり一種目的のある方向けの作品だと思います。
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ということで美術史家池上氏による、エッセイ調で肩の凝らないイタリア小噺集でした。
イタリアに興味のあるかた、近々旅行に行く方、あるいは丁度帰ってきた方にはお勧めできる作品です。
Posted by ブクログ
この方の本は『恋する西洋美術史』に引き続き2冊目。
全図版がカラーで、しかも魅力的。
新書は大抵読んだらすぐ手放してしまうけど、これはとっておこうかな。
女たちの物語の章、フェッラーラで、ルクレツィア・ボルジアが出てきたので、このあたりの物語をいつか惣領冬実さんの絵で(チェーザレ/KCモーニングコミックスのこと)読めるだろうか、とニヤニヤ。
イザベラ・デステは塩野七生さんの本でしか読んだ事が無いから、頭の中でそちらも思い出しながら読む。
唯一行った事のあるフィレンツェ、やっぱり一度でも行った事、実物を見た事があると、文章を読んでいてもイメージが広がる。
以前、付き合っていた人にフィレンツェとヴェネツィアに行くのが夢なんだ、と言ったら、どこにあるか知ってるの?と返されて心底げんなりしたものだけど、斯く言う私だって、ここに出ている都市の事、知らないことばっかり。
だから面白いんだけど、物事知った気になるものじゃないな、と反省。
あと、学者さんの文章って、正確に書こうとして回りくどくなったり、ってありがちだけど、この本はそんなことなくて、ワクワク感を掻き立ててくれる気がする。