あらすじ
薩摩の西郷が大暴れし、長州の桂が走り回っていた跳梁跋扈の幕末。九州の片隅で、人知れず、妖怪と化け物が出会うーーー。これは、時代が動いても流れても、この国に夢を見続けた二人の「友情」と「情熱」の物語。
感情タグBEST3
チャーミングな偉人
江藤新平や鍋島直正のような歴史好きしかよく知らないキャラにスポットライトをあて、独特の考え方や使命感を持ったチャーミングな人間としてわかりやすく描かれただけでも意義がある。偉人とよべるこうした人物達が時の権力者たちの残した歴史の中で薩長の偉人たちと比べると極めて小さい扱いしか受けていない、もしくは都合よく泥を被せられていることを踏まえると、この作品で生き生きと描かれる二人を見ると泣けてくる。漫画という形式の中で誇張や単純化や創作が入っている部分もあろうが、新しい知識や見方を与えてくれて近代史を学び直す良いきっかけをくれた。
Posted by ブクログ
幕末肥前佐賀藩の鍋島直政と江藤新平の二人を主役に据えた「だんドーン」スピンオフ。まさかこの二人の物語で、泣かされることがあろうとは思いもしなかった。
この二人というか、藪医者呼ばわりされている佐野常民を入れての三人の関係に涙です。
「だんドーン」のようにシリアスとコメディを上手いこと絡めて、歴史漫画のわかりにくさと面白さを見せてくれている作者さんですが、紡がれ創り上げてゆく人の想いの強さと熱さを見せつけられるとは思いもしませんでした。人間が善意だけでなく、悪意も持ち合わせているものだということを容赦なく描く部分もある作風だと思うのです。そんな中で、さまざまな困難に妨げられても、情熱や野望、希望が成し遂げられたことを描かれてしまっては、ちょっと感極まります。善も悪も、一個の人間の中に等しく存在していて、どちらかに振り切れてしまうと、害悪として表現されてしまう、というのを見せられるんだよなぁ。
江藤新平という人物には、佐賀の乱の首謀者として処刑されたという教科書の印象でしかなかったので、それを払拭する作品を読めたのは良い読書経験になったと思います。やはり、多くの作品を読むことは大事で、違う立場の視点から読むことの経験値の素晴らしさです。
おそらく川路利良の「だんドーン」の連載で手一杯な中、同時進行で「さがドーン」を書き上げてしまったとなると、幕末という濃厚な時代を他の視点から描いてほしいなぁ、という期待が高まってしまいます。
鍋島直政や江藤新平の心中にあったものは、日本という国を守るという赤心。
その一途さで幕末という熱狂の時代を駆け抜け、明治への足がかりを作ったのだと思います。赤心の純粋さゆえに、彼らの望んだ時代を見ることはできませんでしたが、意思を共有し引き継いだ佐野常民によって、一つの結実を見ることとなりました。
良い男たちの物語を読みました。
Posted by ブクログ
YouTube「page turner」にて紹介されていた。
鍋島直正、江藤新平について、不勉強で名前ぐらいしか知らなかった。見方や立場によって、物事の語られ方が変わるのは道理だが、この漫画はそんなことを傍に置いて読んで欲しい。
本気の人間は本気の人間を笑わない、こと。とても大事。
佐賀観光にも役立ちます。
Posted by ブクログ
非常にコンパクトにまとまってて面白かった。
司馬遼太郎の歳月の描写も好きだったけど、この作品の江藤新平もいいなと。
鍋島 直正は、閑叟で名前を覚えてたけど、一地方の佐賀藩主というより、
視野的に全く別盤面を見てた感じ。
他の国の尊王攘夷の志士から理解されないだろうなと思うし、二重鎖国も合理性があったと思いました
直正後の明治維新も、肥前が主軸から外れなければ、その後の歴史も精神主義も
もっと違うものになってたかもと思わせます。
佐賀から見た幕末とても面白いので、おすすめです。