あらすじ
またも英国より本格ミステリ登場!
再読して「どうしてこれに気づかなかったのか」とあとで膝を叩くことになるのは必至である。自信を持って本格ミステリファンにお薦めしたい作品だ。──千街晶之(解説より)
150年前の惨劇。連続見立て殺人。廃墟と化した館。大胆な手がかりと伏線。
まるで新本格ミステリのような謎解きの愉悦。
イギリスのミステリ通が選ぶFingerprint賞受賞作。ほか2つの英国ミステリ・フェスで最優秀作品賞候補に。ホロヴィッツ、クレイヴン、タートン、ハレットら英国ネオ本格ミステリの系譜に新たに名を連ねたウィリアム・ハッセー。そのアクロバットをご覧あれ。
刑事として抜群の推理力で知られたジェリコは、容疑者とのトラブルで職を失い、無為な日々を送っていた。そんな彼に奇妙な歴史家から依頼が届く。150年前に起きた旅芸人一座の溺死事件に見立てた連続殺人が進行中であり、その真相を調べてほしいというのだ。ジェリコは刑事時代のメンターからの叱咤激励を受けながら、この怪事件に挑むが……
何もかもが奇妙で、グロテスクで、人工的な事件。その狙いは何か? そして犯人は? イギリス本格ミステリの新シリーズ第一作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
わたしが大好きな某ミステリ作家が酷評していたので読むつもりはなかったのですが、ミステリ読み仲間がいや、おもしろいよと言ってくれたので手に取ってみました。
たしかにつっ込みどころが多々あり、サイコパスを悪用していると嫌うのはわかる。
一方で、ミステリとしては本格というのもこれまたいえる。
グロテスクな描写も多く、やり過ぎかと思うほど全体を陰鬱な雰囲気で覆い尽くしていて、確かに好みは分かれるでしょう。
わたしは好きでした。
Posted by ブクログ
今迄にないキャラクター、クセ強めでハマる方も多いと思う。主人公ジェリコは元刑事、前科あり、同性愛者であり、トレーラーハウスに住んでいる、これだけでもなかなか出会わない探偵かも。親の家業は移動遊園地を運営してると言うのもワクワクしてくる。内容はかなりグロテスクだけど彼が語ると少しアニメっぽくかんじる。彼と元上司の刑事が凄くカッコ良くて是非是非映像化して欲しい。
Posted by ブクログ
名探偵ジェリコのキャラに爆死! 今年もっともエグみが強い作品、奇抜なミステリーを欲している人は読み逃せません
■あらすじ
移動遊園地フェアグラウンドのトレーラーハウスで暮らすジェリコ、かつて刑事だった彼は容疑者を殴ってしまい職を失っていた。ある日彼のもとに、連続殺人事件を捜査してほしいと依頼が届く。その事件は猟奇的な事件で、さらにジェリコの先祖が関連しているらしいのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
イギリスの見世物小屋を舞台に、サイコな事件に巻き込まれる私立探偵小説。
今年もっともエグみが強いミステリーのひとつですね。なにせ本作で扱われている題材をあげるだけで強烈でして、人によっては敬遠してしまうかもしれない。ただ奇抜な作品を欲しているひとは、絶対読みの逃せない一冊ですね。
本作で語らなきゃいけないのは、まず主人公のジェリコ。元刑事、元受刑者、同性愛者、トレーラーハウスで無為な人生を生きているというアクの強い男。これだけでなんとなく性格や容姿がイメージできてしまう。
そんな彼から吐き出させるセリフが迫力があっていいんすよ、映画のスクリーンから飛び出てきそうな臨場感なの。さらにはロマンスシーンも多々あるんだけど、感情表現の豊潤で、かなり生々しいんです。彼の魅力に引き込まれるというより、吸い込まれてしまうような、そんな感覚がしました。
そして本作で語れる事件や犯罪も、猟奇的かつ下品なアプローチなんです。捜査をしていくうちに、その背景もしっかりとハードコアでインパクト大。ほんと… こんな軽いトーンでは書けないような内容、許せない犯罪の数々です。
ミステリーとしても終盤の展開は目を見張るものがありました。遠慮なくこれをやってくるのねって驚く。でもあらためて振り返ってみると、筋道のあるストーリーで納得できちゃうんすよ。あつかってる題材や事件は粗暴で荒々しいんだけど、ミステリーしてもちゃんと大技決めてくるなって感じです。
今後も話題になりそうなシリーズですね~、面白かったです!
■ぜっさん推しポイント
ひとつ警告をしておくと、読めば読むほど洗脳されちゃう作品です。偏った意見を、まるで正義であるかのように語るセリフには注意したいですね。
そのくらい文章のひとつひとつが重く、濃厚なのが本作の魅力。国内作品ではあまり見られない作風ですよ、ぜひチャレンジしてみて下さい。
Posted by ブクログ
3人の子供を惨殺した犯人、レニー・ケリガンを激情に駆られ半殺しにしてしまった結果、刑事の職を追われ服役することになったスコット・ジェリコ。
仮釈放になった彼は、かつて忌み嫌っていた生家である、移動遊園地を営むトラヴェラーたちのもとに戻り、無気力な生活を送っていた。
そんなジェリコにトラヴェラーたちに伝わる伝説をなぞるかのような猟奇的な見立て殺人の調査が依頼される...
「どうしてこれに気づかなかったのか」という千街晶之の帯に惹かれて内容紹介すら見ずに読み始めたのだが、作風的には全く本格ミステリではなく、バイオレントでやさぐれたハードボイルドといったところで、読み始めた時はちょっと失敗したかと思ってしまった。だが見立て殺人にまつわる謎が謎を呼ぶ展開は本格ミステリ的な興趣に満ちている。
恩師であるギャリス警部との友情、執拗にジェリコに付きまとうレニー、かつての恋人ハリーとの再会など、小説としても魅力的な部分が多く、展開もスリリングでどう決着するのか予想がつかない中、最終的に明かされるのは強烈に人工的かつえげつない真相でなかなかの衝撃度。
多少の強引さは否めないが、アクロバティックなトリックに翻弄される快作。次作にも期待。
Posted by ブクログ
イカれた感じの殺人の動機とかこういうミステリ好き
日本の新本格を思い起こすような事件の情景や操りを駆使しているのはニヤニヤ
3312冊
今年211冊目