【感想・ネタバレ】人口論のレビュー

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Posted by ブクログ

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古典派経済学を代表するイギリスの経済学者マルサスが著した本。
一般的に「マルサス主義」といわれる法則は大雑把にいえば『人口は、何の抑制もなければ、等比級数的に増加する。生活物資は等差級数的にしか増加しない』という一文にまとめられる。
豊かさこそ人口増加を引き起こす原因だと仮定し、貧民を適当に飢えさせることが長期的な社会の安定につながるとしたマルサスの論は現代において痛烈な批判の対象になりえる、しかし、それでもこの論が100年以上生き残ってきたのは他人と自分に優劣をつけ自らの優等性を確認し続けたいという人間の本性を捉えているからではないだろうか。

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2013年11月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「人口は、何の抑制もしなければ等比級数的に増加するが、食料は等差級数的にしか増えない。」で有名な本です。人口と食糧の増加率の不均衡、つまり人口過剰は、貧困と悪徳(疫病や戦争等)によって均衡される、よって貧困は資本主義の欠陥などではなく、自然法則から発生するものであり不可避であるとしています。終章では、人口の原理は人々を苦しめるが、それはキリスト教的神による創造のプロセスにおいて必要な悪の成分の一つであるとしています。悪が存在するのは、絶望するためでなく行動するためで、我々は耐え忍ぶのではなくそれを無くすために努力することが神の意志の実現につながると結んでいます。
キリスト教ではない私には、神の創造プロセスや意志の実現にはピンとこないのですが、不可避である事に直面したとしても、絶望して佇むのではなく、行動する、というのには賛成です。
この本を読んだダーウィンが、生物全般に敷衍して考えて進化論の基本概念を導き出すのに役立ったというのも面白いです。

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2012年05月27日

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