感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
オンディーヌ、純粋無垢で明るくてキラキラしてて本当にいい子で。
最終的には悲恋だけど愛ってこういうものだよなって思いました。
小説で久々に泣いちゃった。
Posted by ブクログ
まさに悲劇の体をした作品。
人間の弱さをとことんまでに
痛感できる作品でしょう。
実際にハンスは欲に負けて
オンディーヌ以外の女性に恋をし
婚約してしまいます。
オンディーヌは汚れなき、うそなき
透明な存在。
しかしながら人はそう生きることはできないのです。
別のバージョンも読みたいですね。
Posted by ブクログ
なんとなくデジャヴを感じでしまった。何故?
ラストまで読み終わった時、この二人がまた何処かで出会うことはないのかと一瞬考えてしまった。
Posted by ブクログ
戯曲は初めて読んだ。会話文ばかりの文章なんて果たして本当に楽しく読みこなせるのか不安だったのだが、この作品に限ってそんな心配は不要だったのだと思い知った。小説のように視点が固定された地の文がないため、台詞の一つ一つが切実で、素直で、情熱的、そしてそれらの掛け合いはまるで音楽のようにリズミカルに私たちの胸に響く。その躍動感は、時に心理描写をつぶさに描く小説よりもダイレクトに、登場人物の感情を我々に届ける。その濃密さを知れただけでも、今回「オンディーヌ」を手にとって良かったと思った。
加えてこの「オンディーヌ」、勘違いに勘違いを重ねて殺したり殺されたりするよくある異類婚姻譚の悲恋物語かと思いきや、内実はまるで違う(悲恋ではあるが)。主人公のオンディーヌに悲恋物語のヒロインらしい影がつきまとわない。素直で、活発で、直情的で、嘘やお世辞が言えなくて(そのため社交界=人間界には溶け込めない)、それゆえに彼女のひたむきな愛と赦しが遂げられなかった、その悲嘆が胸を衝く。オンディーヌが水の精として自然そのものを表しているのなら、ヒーローのハンスは、終盤本人が言及しているとおり、凡庸な人間そのものである。
オンディーヌとハンスの関係を、近代の人間と自然の関係を示唆しているとの見方もあるようだが、私にはそこまで感じ取れなかった。ただ、人間の愚かさ、弱さ、矮小さ、そしてそれを包み、赦し、愛す水の精(=自然)のひたむきさは溢れるほどに伝わった。ハンスが死んで、人間界でのできごとをまるごと忘れたオンディーヌが、水底でひとり、その行動の意味も忘却の彼方に、まるで人間のように生活をするその悲哀が、古典的な悲劇における「死」よりも酷く悲しく、そして美しいと思った。いつか実際に公演を見てみたいなあ。