あらすじ
台湾版スタンド・バイ・ミーの誕生!
少年たちは親に逆らい
自由を求める旅に出た――
台湾版「スタンド・バイ・ミー」の誕生!
「記憶とはこんなに不完全で、暗号のように時間をかけて解読するしかないのだ」
故・天野健太郎氏絶賛!
【あらすじ】
僕の人生最初の記憶は、3歳で神棚の前に跪かされ、百元札を盗んだ咎で両親と祖母から叱責されているものだ。でも、この記憶は本物だろうか……?
台湾のとある都会の片隅、夜市と花街で名を馳せる猥雑な下町で、僕ら3人――僕、翊亞(イーヤー)、阿煌(アーホァン)は育った。12歳の夏休み、僕らは廃屋の敷地にそびえるマンゴーの樹にツリーハウスを造り、大人たちが禁じた境界線の向こうを眺めながら、この街から脱出する秘密の計画を立てた。
時が経ち、暗号学を教える大学教授の職を失い、幼い娘の世話に専念する僕の元に、ピアニストとして名声を得ていた翊亞の訃報が届く。「こんな日が来るのを俺はとっくに知ってた」阿煌の言葉をきっかけに、僕は暗号を解くように、過去の記憶を手繰り始める――。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
記憶を辿っている部分の方がどうしても引き込まれる。訳者あとがきにあるようにノスタルジー的な楽しみ方を期待してこの本を読み進めていた。夜の川沿いを歩くことはイーヤーのとって本当に怖くなかったのだろう、と感じた。それがどうしてからあまり分からない。阿煌は期待通りの活躍をしてくれて嬉しい。行動を起こすのが今だとチームを牽引したり、パンを買って戻ってきてくれたりするところなど彼の親分気質が如実に現れている。この2人のなかで僕はどのような役割を担っていたのだろうか、意見の調整をする場面はあるが特筆するような優れた利点が語られることはあまりなかったような気がする。書道に優れている、と言う客観的な指標を除いて。この物語は僕が、僕の記憶を振り返るものであるから彼の視点から彼の姿を見ることはできないのは当然であるが、イーヤーと阿煌から僕がどのように見えていたのか知りたかった。オランウータン事件がこのように幕を閉じるとは悲しい。彼女はきっと濁流に飲まれてしまったのだろう。36歳になった僕が辿り着いた動物園にもオランウータンの姿はなかったように思える。