あらすじ
「日経平均10万円」は既定路線、
いま大切なのは「どう備えるか」。
インフレ×AI時代、投資は「守り」になる!
★「重い経済」への大転換期が到来
☆AI革命で「日本の強み」が再浮上
★狙いは国の成長戦略に乗る「地味な株」
☆「価格競争に強い」よりも「止まらない」企業を選ぶ
★「日経平均10万円」時代はバラ色の未来ではない
☆格差拡大を打ち破るための「10の指針」
★著者は人気投資家。株価3万円時代に「日経平均10万円」を先読み
☆ヒット作に100ページ超の新規原稿を加えた最新決定版
「日経平均10万円」はすでに既定路線、今大切なのは「どう備えるか」です。
インフレ定着、AI革命の進展、「重い」経済への転換、
スタートアップを取り巻く状況、高まる地政学リスク、国の成長戦略――
投資環境の“現在地”を整理し、日本株長期上昇シナリオを解説。
さらに変化の波に乗る注目銘柄選び、時代を生き抜く10の指針まで。
人気投資家が、すぐ動ける具体的な次の一歩を提示します。
※本書は『「日経平均10万円」時代が来る!』(日本経済新聞出版、2024年)を大幅加筆、改題のうえ文庫化したものです。
【目次】
●第1章 海外投資家が日本株を買っている理由
■米国で投資家が見ているのは「無形資産」
■住友商事のトップに会って気づいた「大企業の変化」
■味の素とイーロン・マスクの共通点……
●第2章 既定路線となった「日経平均」10万円超え
■インフレで日経平均が上がるのは自明の理
■AI革命で「日本の強み」が再浮上
■「17の戦略分野」により「地味な株」が再評価される
■「軽い経済」から「重い経済」へ……
●第3章 明るい未来をつくるカギは「スタートアップ戦略」にあり
■未来のGAFAMはすでに生まれている
■未上場株投資を民主化するクロスオーバーファンド……
●第4章 生成AIの普及が「運用のあり方」を変える
■「オルカンを積み立てるだけでいい」は「正解」なのか
■AIが勝てない領域で勝負する
■10年先を見る投資が、結果的に短期の運用成績も上げる……
●第5章 変化の波に乗る注目銘柄はこれだ
■「日経平均10万円」時代への変化の中核となる企業
■「軽い経済」から「重い経済」への転換で光る企業
■3分類で考える「AI銘柄」
■上場し、さらなる成長が期待できる新興企業…
●第6章「日経平均10万円」時代を生き抜く10の指針
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Posted by ブクログ
資産運用の仕事に携わる身として、藤野氏の著作は共感することが多く記載されている。特にキャリアをどう作っていくかに関して、何度も背中を押してもらった。相場観や運用手法の話も勉強になるが、この日本で運用会社を立ち上げたファンドマネージャーからの様々なメッセージは、心に染み入るものである。折に触れて読みたい一冊。
Posted by ブクログ
たまたまFacebookで流れていた投稿で、コレは読むべし!と書かれていたので、手に取った本です。
著者の藤野さん自身を認識しいてなかったのですが、いつか子供の旧NISA枠で駆け込みで買った投資信託銘柄である【ひふみ】を管理していた方でした。
あまり知らずに買った銘柄でしたが、長期的な目線で応援したい日本企業の株で勝負していることを知りました。
今後も日本株には成長性があること、加えて、アクティブファンドへの投資も経済合理性の観点ではなく、応援したいという観点で悪くないのかな…とも感じられました。
インデックス一筋で何も考えずに投資積立をしていますが、どんな想いで管理をするファンドなのか?という視点で調べて投資するのも人生の醍醐味の1つだと思えました。
Posted by ブクログ
最近は少し低迷している感はありますが、永らく低迷していた日経平均が、今年6月頃に7万円を超えました。私が社会人になった平成元年の末に、4万円まで後一歩と迫ったところで、バブル崩壊やリーマンショック等で株価は低迷していましたが、円安や世界的なインフレ、需給バランスの変化により株価が変動する時代になってきた様です。
日経平均株価が上がって見えるのは、私は「円の価値」が落ちているためと思っていましたが、この本によると理由は、そんな単純なものではなさそうです。この筆者は私とほぼ同年代を社会人として生きてきた様なので、本の中に出てくるちょっとしたエピソードなど共感できる部分が多多ありました。
筆者は、私が10年近く行っている投資信託(ひふみ投信)に関わっていたことも親近感を覚えました。この本の後半には、将来に向けて有望な銘柄の紹介だけでなく、「時代を生き抜く10の指針」が述べられています、とても参考になりました、それらを参考にして、今後の人生の糧にしていきたいと感じました。
以下は気になったポイントです。
・ 日経平均 10万円時代が来る という予測を、2年半 ほど前に出したが、今では当初の 予想より早く「 2033年を待たずに日経平均 10万円時代を訪れる」と考えている(p4)
・本書で伝えたいのは 日経平均が10万円になって世の中が明るくなるという話ではなく、 日経平均 10万円時代は決してバラ色ではないということである。 これから 格差が拡大することは避けられず、 未来について私たち一人一人が どのような選択をするかによって、明るくもなれば 厳しくもなりうる、というのが正しい状況に意識である(p6)
・ ROE(自己資本利益率) を横軸に PBR(株価 純資産倍率)を縦軸にとって 上場企業の株価をマッピングすると、 ROE が8%を超えたところから「 ROE が高いと PBR も高い」という相関関係が得られる。 つまり ROE が8%を上回る経営をし、さらに ROE を高めていかなければ株価は上がらないということである(p30)
・日本の株式市場において グローバル化が進んだ結果 PER という物差しも2000年頃を境に 米国とほぼ同じ水準に収斂している、 1983年から2002年の PR を20倍として日経平均株価を修正すると、1989年のピーク時でも日経平均株価は2万円程度であったことがわかる。 実際につけた 4万円 近い 高値 というのは 実際の 企業収益の裏付けを持たない 全く意味のない数字であった。この修正 株価において2022年に4万円を超え、 2024年には 6万円に近づいていることがわかる (p81)
・日本では少子高齢化が進み 生産年齢人口の減少は長期で続いてきたが、 なぜここに来て 急速に 労働力不足が顕在化したのか、 その理由として、1) 女性 社会参加率の上昇、2) シニアの社会参加率の上昇、3) 外国人労働者の増加によって 労働力不足を補ってきたからである。 1)と2)については ほぼ 限界で大幅な上昇が望める状況ではない。 3)についても 円安によって日本は稼げる国ではなくなってきており 外国人労働者の日本離れが起きている(p95)
・株価とは「 1株当たりの利益=EPSx人気 (=PER)」の掛け算であるので、 企業利益はインフレになると上がり、 また PBR も インフレ時は上昇しやすい。 近年はこの掛け算によって 株価がどんどんしている状況であり、 その上昇率は 物価上昇率を大きく上回る水準になっている(p102)
・新しい時代の経営者は持続可能な経営を目指しながら 、ROE の向上を企業経営の目標に掲げていくことになる。 そして今後は日本の大企業には有利な環境になる、 デフレ時代とは違って「持つ経営」 つまり 資産や人手を抱える 経営がプラスの価値になる時代を迎えている(p103)
・産業革命の時と同じように「 AI では代替できない領域」「 むしろ AI 時代だからこそ価値が高まる領域」を必ず生まれてくる。その中心にあるのは「人間の知恵」 が求められる分野と「遊び」「 わくわく感」 を提供する分野ではないかと考える。 おもてなしや わびさびに象徴される「観光の 価値」あるいは、 エンターテイメント・ アニメ・コンテンツ産業などはその代表例である。 こうした分野は AI によって簡単には置き換えられず、むしろ人間らしさそのものが価値になるという意味で「 AI レジスタント 企業」の有力な領域になる。 さらに ソフトウェア以上にハードウェアの重要性が増す中で、製造業・ ロボット・ 半導体製造装置・ 精密技術といった分野も引き続き 大きな可能性を持っている(p109)
・2025年6月に日本のマーケットで起きた衝撃的な出来事とは 、自動車産業の時価総額をエンタメ 産業の時価総額が追い抜いた。 エンタメというのは「 サブカルチャー」 という言葉にも表れているように あくまでも「 サブ」の産業であるというイメージが定着していたが、 それが逆転したというのは、 社会構造の変化という点で 非常に示唆的であった(p113)
・今回の高市 政権の成長戦略で注目されるのは「お金をどこに使うか」 を決めるだけでなく「 どの製品・技術で勝ちに行くか」まで国が具体的に示した点である。 このような動きが注目されるのは、これは日本ではほぼ初めて「国が企業の成長にコミットする」ことを明確に示す 動きだからである(p119)
・これまで 企業経営の中心にあったのは「コストを削減し 資本効率を高め グローバルに最適 されたサプライチェーンを築くこと」であったが今では「そうした発想だけでは 企業価値を守れない」という価値が 広く 共有されている。 この変化を一言で言えば「効率性を最大化する経済」から「供給を維持することを最優先とする経済」へと移っているということである。 今は「 在庫を集めに持ち キャッシュ もある程度集めに持ち、 調達先も 分散し、 生産地 も 販売先も 分散する」ことが重視されている(p127)
・ AI について語られる時 話題になるのは主に「 ソフトウェア」「 アルゴリズム」の進歩であるが それも間違いではないが 、一方で 今 改めて 浮き上がってきているのは AI の本質は「電力とデータ」の問題である。大規模な計算を支えるには、 膨大な電力・ データセンター・ 冷却設備・送配電網が必要になる。 つまり AI は見た目ほど「軽い」 産業ではなくむしろ 非常に「重い」 基盤の上でしか成立しない。 この支店は非常に重要である、多くの人は AI と聞くと 半導体企業や ソフト 企業を思い浮かべるが、 実際にはその背後で「電力インフラ・ エネルギー管理」 の重要性が急速に高まっている。 AI 時代は「 計算能力を競う時代」であると同時に「計算を止めずに支える能力が問われる時代」でもある。 ボトルネックは 半導体だけではなく「 発電・ 送電・ 蓄電・ 冷却・ 電力制御」といった領域が AI 時代の核心部分になってくる。 さらに AI にとって不可欠なのは「 データ」である。 継続的に 高品質なデータを取得し続ける仕組みを持つ企業こそ 優位になる、工場・ 物流・ 電力設備・ 医療現場・ 交通網といった「現場」にセンサーが張り巡らされ、 そこから 現実世界の情報を取り続ける仕組みが「 AI の実用化」を支える。 AI の競争力はソフトウェア 単体の優劣 ではなく「電力とデータ」という2つの供給構造をいかに握っているかで決まってくる。 こうしてみると 今世界で起きていることは「 軽い 経済」 から「重い 経済」へ移行していると整理することができる(p129)
・資産を持っている人であっても 資産価格が上がったからと言って急に幸せにはならない、ものの値段が全体に上がっている中で暮らしが楽になること が約束されているわけではない。 しかし「 持っていない人」にとってはもっと厳しい世界が待っている。資産価格の上昇から取り残され 、生活コストの上昇 だけをまともに受けるからである 、これがインフレの怖さである。 日経平均が10万円になったからと言って多くの人にとってはバラ色の未来が待っているわけではない。 「持っている人」が自動的に 幸せになるわけではなく「持っていない人」にとってははるかに 残酷な世界になりうるのがインフレである(p134)
・投資の重要性はこれまで以上に高まっている、デフレ時代は株を買うというのは「リスクを取って資産を増やしに行く 行為」であり どちらかといえば「 攻め」 であった。ところが インフレのもとでは事情が変わり株を買うことは「自分の資産をインフレから守る」という意味が強くなっている(p137)
・ AI の恩恵が 企業利益や株価の上昇という形で先に現れるのであれば、その果実を受け取れるのは「株を持っている人」である、 逆に言えば「 株を持たない 労働者」は AI による効率化の恩恵を受けにくい ばかりか「 AI に置き換えられる側」 に回ってしまう恐れがある。 インフレに備えるだけでなく AI 革命の時代の変化に備えるためにも、一定の資産を株式という形で持つ意味がこれまで以上に大きくなっている(p139)
・アメリカでは長らく「GAFAM」 と呼ばれる 巨大 it 企業が株式市場を牽引してきたが、 足元ではオープン AI や アンソロ ピックのような AI企業の存在感が急速に高まっている、そしてその裏で何が起きてるかといえば GAFAMの優秀な人たちが次々と会社を飛び出して起業している(p169)
・ひふみ投信は、最初に投資してくれた方の資産は約17年で10倍になった、 これからは 基準金額100万円(当初の100倍)を目指していくことになるだろう、 日本株市場が追い風に吹いていることを考えれば「向こう10年で10倍」というのも 達成可能だろうと思っている(p206)
・「あるべき未来」を考える際の時間の目安は10年である、これから目先の予測では人間は AI に勝てなくなるが、10年後にどのような未来がありうるかを予測し、その中からあるべき10年後の未来を選択 提示し「 より良い未来を創造するために 応援すべき企業はどこか」を考えて投資するということは AI にはできないだろう。 だからこそ そのようなスタンスに徹することで 初めて 目先のマーケットでも AI に勝てる可能性が出てくるというのが 筆者の考えである(p214)
・総合商社の中で 注目しているものに「 伊藤忠商事」がある、特徴は、 非資源分野の強さにある。 さらに日本国内のビジネスに非常に強い、ファミリーマートを完全子会社化した(p227)
・2024年に東証 グロース 市場に上場した「タイミー」は隙間 バイト アプリ において、 空いている時間に働きたい人と短時間だけ 人手が欲しい 店舗や企業をつなぐ サービスである。 タイミーは この両者を結びつけることで 日本の労働市場に新たなインフラを作った。 競合企業であった「 メルカリ」「 リクルート」は開発中止を発表したので、 タイミーがスポットワーク 市場の中心的なプレイヤーとして地位を固めたとみられる。タイミーは、どの地域でどの時間帯にどのような仕事が発生し どのような人がそこに応募し 働いた結果どう評価されたのかという「労働市場の現場 しか得られないデータを 持っている」という強みがある(p259)
・2025年2月に東証 グロース 市場に上場した「技術 承継機構」の有望である 、ベンチャーキャピタルの資金を全く入れず ほとんど 資金調達をせずに上場したからである。 この会社は日本の3つの不足をビジネスにしている、1) 後継者不足、2) 地方銀行にとっての貸し出し先 不足、3) 思いっきり 働ける場所の不足(p262)
・日経平均 10万円時代を生き抜く 指針として、1)所属することから 接続することへ変化する、勤務先だけに 人間関係を閉じてしまうのでなく「 仕事以外の学びの場」「 趣味の場」 「地域の場」「 投資家同士の場」「 クリエイティブな場」などを持つこと、 個人として この人と働きたい、 この人と話すと面白いと思ってもらえる関係を作る必要がある。 AI 時代が進むほど「人と人とのつながりの価値は高。」 と考えられる(p268)
・日経平均 10万円時代を生き抜く 指針として、2)「問いを設計する力」 が大事になる、 AI は答えを大量生産できるが「 そもそも何を問うべきか」は人間の仕事である。 どの問題を解くべきなのか、 誰の どのような不便を解決すべきなのか、 今見えている現象の背後に 本当はどのような構造変化があるか、といった問いを立てられる人こそ AI 時代に価値を持つ(p270)
・日経平均 10万円時代を生き抜く 指針として、3)昭和時代は一つの会社に依存していたが、 AI 時代は、自分の側で「 複数の収入源」「 複数の居場所」「 複数の学び」のうーとを持つことが大事になる(p273)
・日経平均 10万円時代を生き抜く 指針として、4)昭和時代の「効率重視」より「持続可能な豊かさ」が求められる、 AI で誰もが 効率化できる時代だからこそ「効率化して空いた時間を何に使うか」が問われる。 空いた時間にさらに時間を詰め込むだけなら、私たちはどこまでも 忙しくなるだけである。人間として自分の時間をどう使うのかを考える必要がある。 これが効率だけを追い求めるのではなく、 持続可能な豊かさを起点に物事を考えるということである(p280)
・日経平均 10万円時代を生き抜く 指針として、5)昭和時代には 専門家が求められたが、 インフレ AI 時代には「越境家」が求められる。 ある分野の基本的な知識を調べる、 過去の論文 や 事例を要約する、複数の選択肢を比較することは AIが得意である。 そこで 人間に求められるのは一つの専門に閉じこもることではなく「複数の領域を横断して接続すること」である。 例えば、金融だけを知っている人より「金融とテクノロジー」「 金融と医療」金融とアート」「金融と地域社会」をつなげられる人の方が新しい価値を生みやすくなる。 他の領域の人と協働 できたりする人が 重用される(p285)
2026年8月6日読破
2026年8月7日作成