【感想・ネタバレ】赤い追跡者のレビュー

あらすじ

強奪、脅迫、色仕掛け。取材の為なら手段を選ばぬディレクター西悟は、罪なきエイズ患者の無念を晴らすため、厚生官僚・医学部教授・製薬会社がひた隠す秘密を暴いてゆく。衝撃的なNHKの薬害エイズ特番を制作し、すべての真相を知る当事者がここまで描き切った! 社会派小説の枠を超えた一気読み必至の極上エンタメ。

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Posted by ブクログ

薬害エイズ問題を題材にして書かれた小説。著者はNスペ「埋もれたエイズ報告」を担当。実際に取材にあたっていた人物ならではの臨場感。とても長い小説だが、最後まで集中力を失わずに読めました。評価を5にしたのは初めてかもしれないなぁ。

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2014年04月06日

Posted by ブクログ

  まーちさんのブクレポを読んで面白そうだったので読んでみた。

 フィクションの形式をとっているが薬害エイズ問題の真相に迫ったルポルタージュのような本。著者は元NHKのディレクターで「埋もれたエイズ報告書」という番組を作成し、大反響を呼んだ。


 血友病患者のエイズ罹患の責任は誰にあるのか。


 エイズ患者の売血により汚染された血液製剤が製造されてしまったのは仕方ないとしても、それがわかった時点で、なぜ市場への流通を止め、または回収することができなかったのか。そして何よりなぜその危険性が、医師や患者に知らされることがなかったのか。


 実際の事件では、当初は日テレの櫻井よしこによる取材が先行して、薬害エイズの責任は血友病の権威であった安部医師にあるとマスコミ(特にテレビ)は報道していた。製薬会社から利益供与を受け、非加熱製剤から安全な加熱製剤への切り替えを、意図的に遅らせたことにより、感染者を増やした、といった内容だったと思う。


 しかし、自分も以前ブクレポに投稿したが『薬害エイズ事件の真実』という本によれば、安部医師にかけられた嫌疑は冤罪だ。いま思えば偏向報道だった。


 で、本当に悪い奴は誰なんだという原因を探っていくと、厚生省の担当課長に行きつく。この小説では氷室課長という人物だ。実際は郡司とかいう名字だった思う。 
 こいつは本当に悪い。というかダメ官僚そのもの。こいつが様々な情報を握りつぶした。悪意があったというわけではない。ただ、不都合な真実を、なかったことにしてしまった。
 保身と省内利益だけを考えていたこんな小者ではなく、大局に立って判断できる、常識的で正義感を持ち合わせた人物がもし担当だったら、エイズに感染した血友病患者はかなり少なかったはずだ。


 実際のこの担当課長は責任もとらず、その後も出世している。なんなんだこの国は!ひどい話だ。
殺人者!とのレッテルを安部医師は貼られたが、その言葉はこの課長に浴びせたい。



 小説の最後にはパフォーマンスで人気取りをする政治家が、薬害エイズの真相を突き止める資料を発見したと騒ぎ立てる場面が描かれている。その資料は番組制作者からリークされた情報なのだが、さも自分が発見したかのように演じる。
 実際の事件でもそんなことがあったし、当時を知る人なら菅直人だとすぐわかるが、これまたこんな小人物が原発事故当時の首相でなかったら、違う結果があったのかもしれないと考えさせられた。


 当時、連日テレビで見かけた川田龍平くんはいま議員になっている。テレビで見るたびに薬害エイズを思い出す。彼がまだ生きているということは、エイズの治療法も改善して、もう不治の病ではないのだろうか。そう考えると少しは救われたような気持ちになる。

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2017年08月15日

Posted by ブクログ

2014/9 ドラマで観てみたい作品でした。どこまでがノンフィクションなんだろう。一気読みしました。

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2014年09月03日

Posted by ブクログ

エイズ事件の詳細を改めて思い出した.西悟が縦横無尽の活躍で事件に関わる重要人物のインタビューを重ね、核心に触れる番組を作成する.厚生省の役人の無責任な行動を見るに、この状況は変わっていないのではないかと危惧している.番組作成チームのそれぞれが個性的で楽しめた.特に三崎勝代の活躍は特筆モノだ.

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2014年06月17日

Posted by ブクログ

タイトルが良くない。
女性関係の描写は、ない方がよかったのでは。
次作は中坊公平がらみの話になるのかな。

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2014年01月17日

Posted by ブクログ

相当に分厚いストーリーを一気に読んでしまう。薬害エイズ問題がテーマで、それを追いかけるテレビ局のディレクターが主人公。

この主人公の欲しいものを手に入れるには何でもありという仕事のやり方が大好きだ。

ただし女がらみの描写と番組放送というクライマックスの後が蛇足かな。

今井氏の本「ガラスの巨塔」は読んでみたい。

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2013年10月24日

Posted by ブクログ

90年代後半、停滞していた薬害エイズ訴訟を、
一気に原告勝訴へと動かすきっかけの1つともなった
NHKスペシャル「埋もれたエイズ報告」を制作した
元NHKプロデューサー今井彰氏による、回顧的小説。

自分たちが行ってきた取材をベースとしているだけに、
多少、強引とも思える取材方法や、お話の横展開にも
十分に納得感の感じられる、とても骨太な良作でした。
その割には読みやすく、一気に読破できる作品でした。

ただし、
この手の作品で、作品数の少ない作家さんに見られがちな、
主人公の色恋沙汰は、本作品においても興醒めだったな~。
ほぼ、その点だけが、マイナス・ポイントでした…。

あと…、
巨大な悪を追求するためには、小さな悪は許される…
的な雰囲気で、主人公チームを肯定しちゃいそぅだけど、
行ってきた取材方法は、完全にコンプラに違反してるし、
その点は、やっぱり許してはいけない部分だと思います。

15年ほど前に、
NHKスペシャル「埋もれたエイズ報告」の書籍も
発売されてるし、比べて読んでみても面白いかも…。

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2013年07月30日

Posted by ブクログ

深い闇を暴くという意味では、事実に基づいたいい話。しかしマスコミの怖い一面が見える。取材対象の印象と偏った編集だけで、一人の人間を悪魔にしたてることができ、それを恥じることがない。恐ろしい。
以前にシェアハウス主催の方がある雑誌の取材に応じたら、乱れた性の巣窟の実態などと書かれたという。有名になれるかも?なんて下手に取材には応じないほうが身のためという教訓。

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2013年11月20日

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