【感想・ネタバレ】我々はどこへ行くのか  あるドキュメンタリストからのメッセージのレビュー

あらすじ

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世界を駆けめぐり、NHKスペシャルを150本も作った日本を代表するドキュメンタリストの本。
──世界をこれだけのスケールで見つめたドキュメンタリストは、ほかにいない。
──世界をこれだけのスケールで描いた本は、ほかにはない。
私たちは毎日、あらゆる出来事についての膨大な報道に接する。だが、膨大な断片になった報道にいくら接しても、私たちは世界を知ることはできない。世界観を持てない私たちは、場当たり的な反応だけで世界と接し、次第に孤立を深めている。
私たちはなぜ、世界を知らなければならないのだろう。
日本が世界のなかで存在感を示せず、漂っているのはなぜだろう。
そのなかで生きる私たちひとりひとりの孤独感や浮遊感は、どこから生まれてくるのだろう。
日本の置かれた現状と、私たちが抱えている心もとなさは、同じ根っこから発生しているのではないだろうか。
膨大で断片的な報道は、世界観を持つことができない私たちの有り様をそのままに表している。
報道とはなにか。
世界を理解するとはどういうことなのか。
私たち人間はなにを求めて生きているのか。
世界で起きたあらゆる事件を語りながら、川良浩和は、同時にそれを読者に語りかけている。
いま、これだけのものが書けるドキュメンタリストは、どこにもいない。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

「NHKスペシャル」と言えば、NHKの看板番組。
この企画制作に17年間かかわり150本もの番組を制作、国内外で多くの賞を受けた番組プロデューサー川良(かわら)さんが、ドキュメンタリストとして発信した1冊。
一時テレビを排除して来ました・・・。でも、ちょっと考えが変わりました。

背筋が凍り、涙し、驚愕し、最後は正座して読んでいました。
歴史の授業が、情報の切り貼りでなく、このドキュメンタリーのように「そして私たちはどこへ向かえばいいのか・・・・」と問う形であれば、もっと私たちは「今」が見えるようになるのではないでしょうか?

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2010年02月07日

Posted by ブクログ

聖書 エジプトで迫害された民が神に示された約束の地に向かう。その道中、さまざまな過ちが起き、神の逆鱗に触れる、時が経つにつれ、今日の人間社会や国家の原型が出来上がる。特定の登場人物で構成されるドラマと違い、無数の群像がありとあらゆることを展開する。さまざまな欲望が渦巻き、収拾がつかなくなる。そこで、新約聖書が登場する。旧約をご破算にして、人々の罪を一身に背負ってイエスが死ぬ。そして復活する。すべての人間は一度灰になり、善なる人が復活する。
those who cannot remember the past are condemned to repeat it. 過去を記憶できないものは、その過去を繰り返す運命を負わされる。アメリカ哲学者 ジョージサンタヤーナ

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2009年10月07日

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