【感想・ネタバレ】物語 タイの歴史 微笑みの国の真実のレビュー

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Posted by ブクログ

タイの歴史を大まかに知るのに適した本。
あとがきにもあるように、著者の得意分野である道や鉄道の話がいかされているのが理解を助けてくれて大変よかった。

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2020年06月22日

Posted by ブクログ

タイの歴史を学ぶことはメコン流域の歴史を知ることだな、と思った。当該地域全般がよくわかる。特に、列強諸国の取扱い方(つまり外交)にたけた様子も理解した。
鉄道等(国際)インフラについて記述も詳しい。

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2014年12月21日

Posted by ブクログ

そのなのとおり、タイの歴史を物語を読むが如くざっとしることができる。
好きだけど殆ど知らなかったタイの歴史。
スコータイ、アユタヤ、シャム。時代によってヒーローがいるところが気になった。
近代ではあるが、外交が巧みであることに驚いた。大国とは呼べないかもしれないが、大国との付き合い方がうまい。
また、温厚な国だと思っていたがしょっちゅうクーデーターが起きていてもはや笑える。

うらやましいなと思ったのが下記の内容。

農村地区は貧しいので都会や国外にでていった子供の仕送りに頼る。だけど、その子供が仕事に失敗してもそこに戻ればいい。なぜならば、米が豊かにできるので貧しいかもしれないが食べることには困らない。農村がセーフティネットになっている。

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2013年03月12日

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 全くタイに触れたことのない人にはハードルが高いと思うが、一定タイに住んで、タイ人と触れ合った上で読むと、周辺国への意識の背景など気づくところが多いのでは。

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2017年12月23日

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ネタバレ

「微笑の国の真実」というサブタイトル。しかし、19世紀以降、西欧諸国が東南アジアに進出してきたあたりからの「世渡り上手な国」の実情を知ると、「ほくそ笑み」の国と呼ぶ方が相応しいように思えてくる。タイの歴史の主なポイントは次のとおり。
1.中国の揚子江以南(四川から雲南)に出自を持つタイ族は11~12世紀頃、漢民族の居住域の拡大により南下・西進。チャオプラヤー川の流域に大ムアン(くに)を形成する。
2.アンコール朝(クメール族)が支配していたヨム河畔のスコータイをタイ族が奪う。こうして生まれたスコータイ朝(1240年頃~1438年)は、初めて現在のタイ領をほぼ支配下に置いたマンダラ型国家となった。
3.アユタヤ国(1351-1767年)は、アンコール国(クメール王朝)を滅ぼし(1431年)、スコータイ朝を服属させ(1438年)、アユタヤ朝(1438~1767年)となる。位階田制を整備し中央集権化に努める一方、ビルマとの間で熾烈な攻防を繰り返す。1569-84年、ビルマの属国となるが、ナレースワン王により独立を回復。
アユタヤは港市としても繁栄し、日本人町も形成され、有能な外国人は官吏にも登用する。1612年に長崎商館を介して、朱印船で長崎から渡っ山田長政はその一人。アユタヤは1767年、コウバウン国(現ミャンマー)の攻撃を受け滅亡。
4. コンバウン軍が退却した後タークシンは、アユタヤの再興を諦めトンブリーへ遷都。トンブリ―朝(1767~82年)を築く。バンコクを都とし、ベトナムと勢力争いを繰り返す。タークシンと同じ潮州(ちょうしゅう:広東省東部、多くの華僑を出す)系中国人商人の活動が活性化する。
5.アユタヤ王家の血を引くラーマ1世は、アユタヤをバンコクの地に復活させようと、トンブリー朝の対岸に、現在のラッタナコーシン朝(別名チャクリー朝。1782~)を築く。
6.19世紀には英仏による周辺諸国の植民地化という状況下で、モンクット王(ラーマ4世)は1855年にイギリスと不平等条約を強制され、王室独占貿易は崩壊。領土も「割譲」された(1909年に現在の領域が確定)。一方、タイの関税収入の増加のため代表的輸出品として位置づけたのがコメ。現在もコメの輸出量では、タイは世界1・2位である。
7.インドシナ半島の東部(ベトナム)をフランスが、西部(ビルマ)をイギリスが植民地化。両国の衝突を避けるため1896年、両国はタイのチャオプラヤー川流域を「緩衝地帯」とした(英仏宣言)。タイは日本と並びアジアで唯一植民地にされなかった国となる。チュラロンコン王(ラーマ5世)は英仏の緩衝国として独立を維持するだけでなく、積極的に上からの近代化政策=チャクリー改革を推進し、鉄道による領域統合を進めた。
8.第一次世界大戦が勃発すると、タイは洞ヶ峠を決め込む。戦勝国となって列強との不平等条約を改正するためである。1917年4月のアメリカ参戦により、連合国側での参戦を決める。
9.1932年の絶対君主制から立憲君主制への革命が起きる。以後、頻繁に軍事クーデタが生じる。
10.ピブーン首相が「大タイ主義」を掲げ、国名をシャムからタイに変更。第二次世界大戦も当初は中立を決め込み、日本と不即不離の関係を保ちながら失地回復を目論む。1942年1月に枢軸国側として連合国側に宣戦布告。しかし、宣戦布告に必要な3人の摂政の内1名が不在として、1945年8月16日に宣戦布告無効宣言を行う。
11.米国との協調により国際社会に復帰し、米輸出により復興する。
12.1949年の中華人民共和国の成立やベトナムの共産化の中で、反共を前面に出す。親米開発独裁政権(サリット・タノーム両政権)の下、外資導入型工業化を目指し、反共の地域協力機構ASEANを結成。これらは成功の一方で徐々に格差是正・民主化運動を活発化させてしまう。
13.2005年の総選挙に圧勝したタックシンは、世界的なグローバル化に伴う自由化、規制緩和の潮流の中、「世界の台所」「アジアのデトロイト」などのキャッチフレーズを掲げ、国際競争力を高めようとする。しかし権威主義に起因する諸問題の発生と「売夢政策」に対する国民的不信から、2006年9月に軍によるクーデタが起き、政権が崩壊する。

タイは「微笑の国」と呼ばれるが、東南アジアの社会では、笑いによって様々なコミュニケーションがとられている。人間関係が全てに優先するタイは、実は日本人と共通する点が多い(橘令「日本人」pp.18-32)。

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2018年01月07日

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2016/10/13 かねてより高齢・体調不良で心配されていたプミポン国王が亡くなった。カリスマ的な国王が亡くなった事での政治的混乱が心配されていたが今のところ平静を保っている。しかし2013年から続く軍事政権の民政への移行の遅れも取りざたされている。

というわけでタイと言えば、微笑みの国、ムエタイ、観光・遺跡、マッサージ、歓楽街、"親日"的、山田長政、日本への不法入国者などなど良くも悪くも色々なイメージが付きまとうが、ちゃんと歴史を勉強したことがなかったので、本書を手に取ってみた。

列強の植民地時代・2回の世界大戦を乗り切った「世渡り上手」な外交は、一方的な「親日国」のイメージとは全く異なる。「失地」回復の野心(大タイ主義)と日本の野心とがあくまで合致した結果。

またこの東南アジア地域で見るとタイは今も昔も大国・経済的先進国であり、周辺国との軋轢は日本と周辺アジアとの軋轢を想起させる。

もう少しタイの近現代史や経済開発の歴史を読んでみたいと思った

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2016年12月17日

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ネタバレ

タイを含めインドシナの国々へ、いつか行ってみたくて、
その成り立ちや構造の仕組みを理解する一助とすべく。

外国との関わり合いのなかでうまく立ち回ってきた、アジアの優等生、という著者の評価は、
たしかにあの笑顔のタイ人たちに、とてもよく当てはまる言葉だと感じさせます。
カンボジアやミャンマー、ラオス、マレーシアとの違いはどこにあるのか、といえば
それらの歴史に根ざしたアイデンティティにもないことはないのかも、と思いました。

また、先進国の中に名を連ね、近隣諸国や西欧各国との関係性を見直すべき地点に立っている、という点で、
日本との共通点が見出せます。

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2016年01月07日

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タイの通史が分かりやすくまとめられており、世渡り上手に立ち回って独立を維持してきた歴史を描いている。高校の世界史だと東南アジア史はほとんどやらないから、ありがたい一冊。タクシン政権の崩壊までしかカバーしていないが、現在の情勢を理解する一助になる。

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2014年06月03日

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タイの歴史を概観できる良書。登場人物の名前や地名がなかなか覚えられなくて読むのに苦労した。たびたびクーデターが起こり政情不安定な印象だが、それも民意の現れと見ることもできる。それぞれの国でそれぞれの歴史を踏まえてそれぞれの今がある。歴史を学ぶことは面白い。

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2014年02月15日

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「物語~の歴史」シリーズ初の東南アジア本。

何となく「西側諸国所属の東南アジアの優等生」のようなイメージがあったタイだったが、最近のタクシン・反タクシン派の争いや、クーデタのニュースを見るにつけ、実際のところどんな国何だろう、と興味を持って読んでみた。

読んでみると、近代以降、想像していた以上に波乱万丈の歴史を持ちながら、大国間でのバランスを保ち、一方では国民国家の確立を目指しながら、他方では経済成長も目指すという要領の良い一面が垣間見えた気がする。

その一方で、選挙の度に頻発するクーデタと、未だ憲法すら作っては捨ててを繰り返している(!)という、優等生とは到底言えない側面にも少なからず驚かされた。

しかし、この波乱万丈の歴史を乗り越えながら、しっかりちゃっかり成長を遂げているこの国と国民のたくましさはなかなか学ぶところが多いなとも思わされた。

そんな感じで学ぶところが多く、期待していた以上に面白い本だと思いました。

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2012年08月19日

Posted by ブクログ

夏休みのタイ旅行を楽しむために購読。タイの歴史がよくまとめられた良著。でもタイ人の名前が全然憶えられなくて僕の理解は今ひとつ。

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2012年07月25日

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ネタバレ

[ 内容 ]
日本と同時期に近代化を歩みはじめ、東南アジアで唯一独立を守ったタイ。
時代に翻弄されながら生き残ったタイ民族一〇〇〇年の興亡史。

[ 目次 ]


[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月02日

Posted by ブクログ

タイの通史をざっと勉強するには好適の本だと思う。新書なので分量も適当。現在のタイの成り立ちを理解するのに役立つ。

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2011年07月25日

Posted by ブクログ

中公新書の『物語○○の歴史』シリーズ最新刊です。本書は「タイの人たちが学ぶような『教科書的』なタイ一国の概説書」を目指したものであり、日本語におけるタイ一国を概観した通史としては初めてのものだと述べています。内容は、同シリーズで同じく東南アジアを扱った『物語ヴェトナムの歴史』がヴェトナム戦争前のホー・チ・ミン登場までしか書いてないのに対し、本書は2006年の反タクシン首相派のクーデタまで、最新の出来事までを扱っておりまさに「通史」となっています。古代から現代までの配分も丁度よく、タイを知る上で初学者がまず手に取るべき本であることは間違いないでしょう。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

諸外国との関係のバランスをとって上手いことやってきたというのがタイの歴史のイメージでした。本書を読んだ印象は、実際にそうだとしても、強力な政治力のもとでコントロールしたというより、状況に応じて右往左往しながらやっていたら結果そうなったというものでした。

政局の話題がメインになっていて、なかなか物語のように読むという感じではありませんでした。それだけタイの政治状況が不安定で複雑だということでしょう。

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2024年01月07日

Posted by ブクログ

この本の前にベトナムの歴史を呼んだ。
その繋がりで東南アジアの歴史に興味を持つ。
カンボジア、ラオス、ビルマ、そしてタイ。

さてタイという国のことを
今どれだけ知っているか。
友達がよくタイに遊びに行ってる。
日本企業の工場があるだろう。
欧米のどこかの国の植民地だった?
う〜ん・・・ほとんど知らないなぁ。

読んでみての感想。
欧米諸国の東南アジアへの介入。
その狭間で独立を保ち
立憲君主制の国。

近代でも政治的クーデターがあり
それを王様が調停する。
日本では考えられない
凄いこと起こってるやん。
2000年代の出来事も
知ってないことに愕然とする。

言語、文化、風習の違いで
民族が存在して、
その違いで国という住み分けができる。
その境で争いになる。
強いものに従われるが
強権的なのものでなく
それぞれの村単位で
どのグループに属するか決定する。
そのグループが大きくなったり
小さくなって大きいとこに
吸収されたり、また別れたり。

イギリス、フランスの植民地支配の時期に
上手いことたち周り独立を維持して
第二次世界大戦時には日本と同盟を
結んだけども、敗戦国を免れる。
戦後の冷戦時代には、民主主義を選択し
中ソに隣接する社会主義の波を
タイがちょうど緩衝地帯となって食い止めた。
本の中でも触れられているように
世渡り上手な外交を展開する。
官僚や貴族、軍の政治的な争いも
民衆の声を聞き王様が調停するところは
なかなか難しいことをやってのけてる。
日本との関係も深いタイという国の
歴史を読み解くと当たり前だが現代に
通じていることを感じる。
さて次はどこへ行こうか。

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2023年02月24日

Posted by ブクログ

クメールが最初は大国を築いていて、タイはその後。
スコータイ誕生。
北部チェンマイは、タイの主軸にはならず、北部の国としてその前からある。
スコータイをアユッタヤーが呑み込み、さらにバンコクへ。インドシナ半島全域の巨大国家。
いつしかカンボジアのクメールは滅び、二度ほどタイを征服した強敵ビルマも後にはイギリスの属国に。東はイギリス、西は後からフランスがベトナム、ラオス、カンボジアを吸収し、植民地の時代に。フランスが押してくるが、土地はガンガン譲渡し絶対戦わない。ギリギリで英仏の緩衝地帯として残る。
そのうち第一次世界大戦。終戦近くに参戦し、ちゃっかり戦勝国。
その後の国内は、おもしろいほど各国と同じ流れをもつ。ナショナリズムの高揚、共産化との戦い、第二次世界大戦。
日本軍がタイを要所として進軍するも、通す。しかし、同盟はしない。逆らえずに、、、という言い分で加担しない政策。慎重。そのため、戦後は敗戦国とはなるが軽いもので済む。
戦後は、東南アジアの共産化に対抗する最後の砦として、西欧諸国のパートナーに。
総じて見ると、絶対に損をしない外交ができる国と言える。軽率な決定はしないし、パートナーは戦局がもつ限り考えて慎重に決める。

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2017年01月04日

Posted by ブクログ

物語、というには物足りないけど、通史は学べる。
近代史は分かりやすいが、古代王朝は教科書的で面白くはない。残念。

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2011年08月20日

Posted by ブクログ

タイの歴史が、コンパクトにわかりやすくまとまっている本だと思います。
タイに関連する歴史の概要を知るには、良い本なのではないかと思います。

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2010年07月18日

Posted by ブクログ

タイ人と触れ合う度に、タイ人の根底にあるモノの考え方が気になった。

仏教への厚い信仰、マイペンライな精神・・・・・・。

知った気になりたくないけど、なんとなく少しだけタイ人に近づけた気がする。

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2009年10月04日

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